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知事記者会見 令和3年7月10日(土)

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年7月13日更新

【発表事項】

1 東京2020オリンピック野球・ソフトボール競技の福島あづま球場における観客の取り扱いについて

  本日、福島県での東京オリンピック野球・ソフトボール競技を「無観客」で行うことについて、組織委員会に要請し、了承いただいたので発表いたします。
  このような要請に至った理由は二つあります。
  一つ目の理由は、「直近の新型コロナウイルス感染症の状況悪化」です。
  福島県内の新型感染症の新規感染者数は、増加に転じ、病床使用率がステージ3に達しています。
  また、首都圏1都3県の状況も悪化しています。これまでの傾向から、福島県に波及してくる可能性もあり、福島県の新型感染症拡大の状況については予断を許さない状況にあります。
  二つ目の理由は、「関係自治体における対応の変化」です。
  今月8日に開催された関係自治体等連絡協議会において、組織委員会から、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が適用される1都3県以外の競技会場については、「有観客」、観客有りとの案が示されました。
  福島県としては、その案を受け入れ、徹底した感染防止対策の実行を組織委員会等に強く求めたところであります。
  しかし、昨晩、北海道は「無観客」での対応となり、1都3県以外の競技会場を、全体として「有観客」とする前提が大きく変わりました。
  こうした状況を総合的に勘案し、安全・安心な大会をより確実なものとするためにも、本日、福島県での野球・ソフトボール競技を「無観客」で行うという判断に至り、組織委員会に要請を行い、了承を頂いたところです。 

【質問事項】

1 東京2020オリンピック野球・ソフトボール競技の福島あづま球場における観客の取り扱いについて

【記者】
 今月8日の関係自治体会議の冒頭の橋本組織委員会会長の挨拶の中で、会議の前に、事前に個別の自治体と相談しているとの御発言がありましたが、その時点で福島県として、知事からは、有観客の方向でと意見していたという認識でよろしいか伺います。

【知事】
 まず、本県として、特に8日の協議会の前に、組織委員会の会長にお話をしていたのは、「全体として一体的に対応すべきだ」ということです。
 今回の東京オリンピック開催には10の道県、そして5つの政令市で、15の自治体が関わっています。この15の自治体が一体的に対応を行う、特に新型感染症対策という重要な論点がありますので、これについてしっかり対応できることが何よりも重要であると(申し上げてきました)。従って、全体として統一された対応方針を、組織委員会としてしっかり示してほしいということを幾度もお伝えしてきました。
 例えば、東京都は、その時点で緊急事態宣言になっておりますので、これはやはり無観客ということはやむを得ない、ある意味当然だと思います。その場合、それ以外の14の道県における観客の入れ方について、個々バラバラではなく、統一した対応が必要だということを訴えておりました。
 その中で、特に本県においては、この3日間以前の(感染)状況は、(福島県)全体として悪化をしていて、ちょうど会長とお話をしている前日には、南相馬市に時短要請を掛けているところでもありましたので、その点を非常に懸念していると(伝えました)。
 安全・安心な大会の開催に向けて、本当に十分な措置(=感染防止策)を取っていかなければいけないというお話をしております。
 私自身が、その統一的な方向性を全体で連動してしっかりやってほしいというお話をしている中で、会長としては1都3県が東京都のみならず、神奈川、千葉、埼玉の3県も無観客だという方向性のお話があり、その他の自治体は、緊急事態宣言やまん延防止措置が取られていないので、全体としては有観客で進めていきたい、基本的にそういう方向で何とかいきたい、というお話を頂きました。
 結果、協議会の場になりまして、組織委員会から示された案は、正にそのように、1都3県は無観客、それ以外の自治体は有観客という方針が出されたという経緯です。

【記者】
 無観客ということで、学校連携チケットの子供たちも入れないということか伺います。
 また、都市ボランティアの方はどうなるかについても併せて伺います。

【知事】
 学校連携については、楽しみにされていたお子さん方も多いと思います。そういう子どもたちに、全体としての無観客をお願いするということになり、結果として、東京オリンピックの野球・ソフトボール競技を競技場で観戦できる機会がなくなってしまったということ、本当に残念に思いますし、学校、教員の皆さんも含めて、これまで準備を一生懸命進めていただいたので、大変申し訳なく思っております。
 一方で、やはり今、新型感染症の状況が、特にこの3日間でも急激に悪化をしておりますので、こういった状況の中で、安全・安心の確保を最優先にするという観点から、今回、無観客でお願いするという点について御理解を頂ければという考えです。
 また、学校連携チケットは、当初は2万人ほどの応募を想定しておりましたが、最近調べた枚数では3千数百名となり、更にそこから大きく減っているという現実がありますので、やはり昨今の新型感染症を取り巻く厳しい情勢の中で、実際に、あづま球場に足を運ぼうと考えていただいていた小学生、中学生は、現時点においても相当減っているという事実があります。
 その上で、なぜ、最近、特に状況が悪化しているのかをスライドを使ってお話しします。五つの指標、七つの区分で、現在、1番ポイントになるのが病床の使用率30.0%です。これは前の週が26.0%なので、悪化しています。
また、重症者用の病床ですが、先週は6.1%。今週が8.2%なので、これも悪化しています。療養者数は7.96人から9.59人に悪化をしています。PCR陽性率も1.4%から1.9%に悪化しています。そして、10万人当たりの新規陽性者数が5.42人から7.26人に悪化しています。
 七つの区分のうちの六つの区分において、1週間でそれぞれ厳しい状況になっています。
また、特に8日からの3日間で、病床の使用率が、3日前は30.0%、そして昨日が31.7%。今日が30.0%となっておりますが、実は、今日は入院調整中の方が12名おられます。今のところ、この12名のうちの10名の入院は確実であり、それを含むと32.1%です。
 従って、久しぶりに(病床の使用率が)30%台になりましたが、30.0%、31.7%、32.1%と、協議会以降の3日間でもこれだけ急激に悪化しているという状況です。
御承知のとおり、ステージ3のレベルは20%ですので、20%から30%を更に超える状況になっているというのが、病床の使用率です。
 そして次は、個々の自治体の状況ですが、南相馬市に今、時短要請を掛けておりますが、3日前は(10万人当たりの新規陽性者数が)70人、それが、本日は82人です。ステージ4の基準は25人です。それに対して82人であり、大幅に超過している状態です。
 また、会津若松市(の10万人当たりの新規陽性者数)は、3日前には、ステージ2のレベルでしたが、この3日間で一気に伸びて17.53人であり、ステージ3を超えました。
 このように、各自治体の陽性者数もかなり顕著にこの3日間で伸びているという状況です。
 そして次は、全国の中での福島県の状況で、こちらの棒グラフになります。この赤い棒グラフが、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の首都圏の1都3県です。ここは非常に感染者数が多く、だからこそ、緊急事態宣言とまん延防止措置が取られています。(グラフを指し)実は、福島県はここです。ワースト8位。正にオリンピック開催県としては、東京、神奈川、千葉、埼玉に次いで10万人当たりの直近1週間の新規感染者数が多いのが福島県です。
 そしてこの黄色(の棒グラフ)が開催県ですが、茨城県は12位、北海道が13位、宮城県が19位、静岡県が21位であり、福島県に比べると1週間当たりの新規感染者数が比較的低いという状況にあります。
  こういった全国との相対的な状況を見ても、ワースト8位というのは不名誉な状態でありますし、本県がこの3日間、あるいはこの1週間、2週間の間にリバウンドを起こして状況が悪化しているということでもあります。
  従って、こういった状況で、学校連携チケットを継続するということはなく、完全な無観客で開催することが、県民の皆さんの安全・安心の確保のために必要ではないかということで、今回こうした要請を行ったところであります。
 そして、都市ボランティアについてです。今回、都市ボランティアとして活動される皆さんについては、無観客での開催となったことによって、交通案内、観光案内を通じ、観客の皆さんをおもてなしするという、都市ボランティアの活動目的が達成出来なくなるため、活動を中止せざるを得ないと考えております。これまで2年半にわたる長い間、研修等を受講していただいて、活動を心待ちにされていた皆さんには大変残念な結果となり、本当に申し訳なく思っております。このオリンピックを機会に、ボランティア活動を始めた方も多いと伺っております。そのような方々が、これまでの研修の成果を発揮できるような、また別の方策というものを県として検討していきたいと思います。
  いずれにしても都市ボランティアの皆さんにとっては、大会まであと10日ほどというところでこういった形になってしまい、あるいは、学校連携チケットの皆さんもそうですが、非常に気を落とされている方も多いのではないかと思います。大変申し訳なく思っております。

【記者】
  感染状況に関連してお伺いいたします。南相馬市の感染者の方の広域調整で福島市の医療機関の病床使用率も上がってきていると思います。このような感染状況も含めて、福島市側からも無観客の希望があったのか、あるいは県のほうから打診されたのかなど、協議の経緯について伺います。

【知事】
  まず、南相馬市を含む相双地域のエリアの病床のひっ迫率は9割に迫っています。
  そういった状況の中で、福島市を始めとして広域調整をせざるを得ない状況であり、福島市の医療機関等に御負担をかけているという現実があります。
  一方で、今回のこの無観客の要請という判断については、まず県自身が、様々な状況を総合的に勘案して検討し、整理をしたものです。
  したがって、福島市さんから要請を頂いたということではありません。
  ただ当然ながら、今回、野球・ソフトボールは、あづま球場での開催で、福島市にもここまで大変な御協力、御尽力を頂いております。また本番も当然ありますので、これからもお力添えをいただくということで、木幡市長には直接、今日の状況を私から報告させていただいて、非常に悩ましい苦渋の判断だが、無観客でお願いせざるを得ないということを報告させていただいております。

【記者】
  あづま球場での五輪開催については、これまで復興五輪として位置づけられて、準備を進めてきました。今回、無観客での実施となりますが、知事の現在の率直な受け止めを伺います。

【知事】
  まず、復興五輪については、政府、また組織委員会、東京都、そしてIOC始め、多くの皆さんが、2011年の東日本大震災と原発事故から復興に向けて努力している福島県を、是非、東京オリンピック・パラリンピックという舞台を通じて応援しようということで、これまで数々の温かい御支援を頂いてきました。
  例えば、聖火リレー、あるいはソフトボール競技は、それぞれの場面での1番最初の機会をいただいております。また、野球・ソフトボールは計7試合を福島市で開催するなど、これも五者協議に関わる皆さんが、福島県を応援しようという思いで、温かいメッセージやエールを送ってきていただいたおかげであり、心から感謝を申し上げたいと思います。
  その上で、今回の復興五輪は、残念ながら、新型感染症との戦いの中で、大きく形が変わってしまいました。
  ただ、今回、7月21日、22日、28日の3日間において、ソフトボール6試合、野球1試合の計7試合が福島県福島市のあづま球場において、開催されるという一番の骨格は変わっておりません。
  したがって、復興五輪の一番の本質は、しっかり生き残ってくれていると思います。
  本来であれば観客の皆さんに(福島の現状を)直接見ていただきたかったのですが、無観客をお願いせざるを得ないということにはなっています。
  ただ、テレビや様々なメディアを通じて、東日本大震災と原発事故を経験した福島県で、東京オリンピックの野球とソフトボールがしっかりと開催出来たということを、国内外の方に知っていただく、このことによって、福島県の復興が前に進んでいるということを実感していただけることを心から期待しています。
  本来であれば、有観客で国内外から多くの方に来ていただき、国内外のたくさんのマスコミの方も足を運んでいただいて、福島がオリンピックにかけて一生懸命頑張っている姿や復興の姿、また、一方で、10年たっても、まだ原子力災害も含めて、乗り越えなきゃいけない難しい課題を抱えているということを、知っていただく貴重な機会だったと思います。ただ、残念ながらそれは、相当部分失われてしまったという現実がございます。
  また、我々自身、県の直営の事業で、ライブサイト、パブリックビューイング、あるいは県営あづま球場でのイベント、さらに、各国の大使をお招きして、私自身が直接復興の状況をお話しする機会を想定しておりましたが、これらも全て中止ということになりました。
  したがって、復興五輪の骨格は残っていますが、新型感染症により、我々が思い描いていた全体像とは違うものになってしまいました。だからこそ、この残念さ、あるいは情熱というものを、また、オリンピック・パラリンピックが無事終わって、その後、新型感染症が落ち着く中で、また別の形で、福島県として、復興五輪は、我々の心の中に「光」や「火」が残ったままになっていますので、それをぶつけていく場を新たに模索して作っていきたいと考えております。

【記者】
  8日の時点では、先ほど知事が全国で統一的な足並みを揃えたかったというお話があったかと思いますが、一方で北海道は、ちょっと待ってほしいとか、検討したり、また、隣の県も学校連携だけにするとか、そういう独自の考え方を示した自治体もあると思いますが、あの時、なぜ福島県はそれが出来なかったのかについて伺います。

【知事】
  まず、統一的な対応が重要だということをお話しし、そして橋本会長と協議会の前に幾度か電話でお話をしておりました。その際、当初の頃は、例えば茨城県や北海道も有観客で、基本的に、ある程度はいけるのではないかという雰囲気がございました。現実に協議会の冒頭で組織委員会からお示しいただいたペーパーでは、首都圏、いわゆる緊急事態宣言等、まん延防止等重点措置の地域以外は、全て有観客という表示がされております。
  ただ、結果として、その協議会の場において、茨城県の知事さんは、やはり今の感染状況を考えると、学校連携だけにしたいという提案を、その場でされて、いろいろなやりとりが幾つかありましたが、結果として組織委員会がそれを受け入れました。
  また、北海道についても、有観客と書いてあったわけですが、それが実際に、代表で出られた方の発言によって、検討中に変わったという状況であります。
  ただ、私自身は橋本会長と事前に、要は、首都圏以外については基本的に有観客で行ける、という方向性を伺っておりましたし、あと茨城県も学校連携に変わってはいますが、いずれにしても観客がおられるということは事実であり、全体として一体的な判断がなされている、という前提で、福島県として(有観客にする)状況を受け入れたところです。

【記者】
  結果論になってしまうと思いますが、例えば昨日の都市ボランティアの研修も、小雨が降る中、多くの方が参加されましたし、野球とソフトボールのチケットについては、今日、当選発表があって喜んでいる方もいらっしゃったかと思いますが、そういった人たちからすると、政府や大会組織委員会に振り回されたのと同じぐらい、知事や県に振り回された、あるいは判断が遅かったのではないかという御意見もあるかと思いますが、そういう人たちにどのように声をかけるかについて伺います。

【知事】
  まず、そういった御意見、お気持ち、真剣に受け止めさせていただきます。
  また結果として、そうした方々をがっかりさせてしまったという部分、本当に申し訳なく思います。
  その上で、先ほど来、お話をしてきたとおり、そもそも、首都圏以外については、全体として一体的に対応してほしいということを、福島県として組織委員会に求め続けておりますし、そういった対応が昨日の夜までは行われていると理解をしておりました。御承知のとおり、北海道も、(当初は)有観客ということが、各種メディアのニュース等で出ていたところです。
  したがって、私自身、昨日の夜までは、1都3県以外は有観客で今後進んでいくと思っていたところです。
  ところがその後、急遽無観客というお話になって、これはこれまで3日間議論してきた前提状況が大きく変わってしまったため、本日の朝から、様々な形で関係者の方々、組織委員会の皆さんとも議論を重ねながら、先ほどの要請に至ったところです。

【記者】
  今回の件について、知事の方から政府や組織委員会に苦言を呈したということがあったかについて伺います。

【知事】
  今回の組織委員会については、連絡協議会の持ち方がどのような流れになるかといった事前連絡がほとんどないままで本番を迎えています。
  私は他県の方々とも意見交換していますが、皆さんも状況が分からない状態で協議会に臨んでいたところがありますので、協議会の持ち方について準備が十分ではなかった部分が率直に言ってあると思います。
  一方で、私自身、橋本会長とは五輪大臣の頃からずっとオリンピックの関係でお話していますが、いつも非常に真剣に誠意を持って対応していただいています。3日前の議論のとき、あるいは今日も、スタンスは違いますが、非常に誠実に対応していただいています。また、私のみならず、開催県の知事の気持ち、あるいは市長さんの意見にも真剣に耳を傾けながら、ぎりぎりの対応を模索していただいており、その点については感謝をしています。
  今回、結果として、観客の在り方というものが、東京オリンピック・パラリンピックの開催県ごとに少し違う形になっています。これは、それぞれの地域の事情があり、また組織委員会がそれぞれの地域や知事の意向を尊重した中で、結果として(違う形に)なったものです。
  これは、新型感染症が一番の根本の理由、原因ですので、誰かが悪いということではなく、今回の開催県、あるいは日本全体が新型感染症と闘っている中で、結果として、ギリギリまでこういった状況が起きているというのが現実だと受け止めています。

【記者】
  確認ですが、これはスポンサーの方々も含めて完全に無観客という認識でよろしいか伺います。

【知事】
  その点については承知していません。組織委員会に聞いていただきたいと思います。
  私がお話ししているのは、いわゆる通常のチケットを買って来られる観客、また、福島県の関係で言えば、学校連携チケット関係の扱いについて、組織委員会と県でやりとりをしました。それ以外については私どもの範疇ではないことから、現時点では確認ができません。

【記者】
  8日に、福島を含めて有観客でやるという話になった後に、福島や隣県で、オリンピック・パラリンピック関連担当課に「有観客はどうなのか」というような批判であるとか、いろんな問合せがあったと聞いています。知事としてはそういった声も判断の材料にはなったのかについて伺います。

【知事】
  私自身は、常に、様々な御意見を伺っています。
  今回の東京オリンピック・パラリンピックを本当に楽しみにして、チケットを持って、その日を楽しみにしているお子さんたちもおられます。
  また、ボランティアの皆さんは2年以上研修を受けたり、あるいは、ある高校生たちは英語で福島のプレゼンテーションが上手にできるようになっています。
  一方で、昨今の新型感染症の状況がこれだけ悪化している中で、首都圏等から多くの観客が福島の地に来ることに対して、「安全の面でどうなのか」という厳しい御意見、お考えを持っている方も当然おられます。
  したがって、東京オリンピック・パラリンピック大会は、誘致が決まった瞬間の状況と、昨年の3月、4月の頃から新型感染症が拡大する中で、大きく形が変わっています。そういったいろいろな立場での様々な御意見を、常に自分自身の頭に置きながら、悩みながら、様々な判断、模索をしながら行っているところです。

【記者】
  今回の判断について、統一的な対応が必要というなお話がありました。そうであるならば、今回、福島は無観客という立場をとった訳ですが、宮城や茨城といった隣県の観客の受け入れについても同じような対応が必要という考えであるかについて伺います。

【知事】
  私は、8日の協議会、また、特にその協議会の前段で、橋本会長と幾度か電話でお話をしています。開催県が一緒に歩調を合わせた統一的な対応については、組織委員会に対して、福島県として訴えたものです。
  今回、五者協議ですが、東京オリンピック・パラリンピック全体をきちんと把握して運営をされているのは組織委員会です。先ほど申し上げたとおり、関係自治体である15の県、市で、それぞれ事情が違い、感染状況も違うという中にあって、その組織委員会のトップである会長に対して、福島県としては、(開催方法が)それぞれ(各県)でバラバラの状況になると、各県の対応も難しい状況になるし、国民の皆さんに対しても説明が難しくなるので、やはり統一的な、しっかりと柱を立てた整理をした上で臨むべきではないか、ということを話しました。
  昨晩の北海道の鈴木知事の会見を拝見して、私と同じことを言っていると受け止めています。ただし、ポイントは、その意見は私が組織委員会に対して申し上げることであって、例えば宮城県や他の県に対して、私がどうこうしろという立場には無いと思います。
  したがって、各県それぞれ事情が異なりますので、私は、それぞれの県や市に対してこうしてほしいということを言っているのではなく、あくまでも大会全体を運営される組織委員会に対して、そういった根幹(となる考え)をもって、この難しい局面を乗り切っていかなければいけないのではないかということを話したという点を御理解いただければと思います。

【記者】
  組織委員会に要請したのは今日だと思いますが、知事の意見を尊重されて、すぐに二つ返事で了承されたのか、それとも、もう少し考えてほしいという(やりとり)があったのかについて伺います。また、先ほど話のあった北海道の無観客要請がなければ、福島県でも有観客といった流れだったのかについて併せて伺います。

【知事】
  まず、後段の仮定のお話については、やはりその時点その時点の状況があるので、率直に言ってお答えできません。私は今を生きていますので、今の状況の中でしか、悩みながら判断することができないので、その点は控えさせていただきたいと思います。
  その上で前段のお話ですが、橋本会長とは今日の朝からお話ししていますが、会長には、先ほど冒頭でお話ししたような私自身の思い、二つの理由についてお話をしました。それを本当に真剣に聞いてくださいました。橋本会長とは、3日前も、2日前もお話ししていますので、私がずっと同じことを言い続けているということをお分かりなっています。だから、最後まですごく真剣にお話を聞いていただいた上で、「そうですか。知事の判断を尊重しなければいけない」という趣旨のことを言われました。
  ただ、その時点で直ちに了承いただいたとは思っていません。県としての現時点の思いをお伝えして、その上で、実務ベースでも再度やりとりをしています。
  先ほど冒頭で発言した県の考え方をペーパーにして、組織委員会にお渡しし、その上で組織委員会から、最終的に福島県の考え方を了承したという御連絡を午後に頂きました。そして今日のこの会見に至ったというところです。

【記者】
  先ほどの話では県の範疇ではないのかもしれませんが、本日の未明にチケットの当選者が出ると思います。そちらの取扱いについてはどのようになるかについて伺います。

【知事】
  今日の5時15分に、東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会からプレスリリースが出ています。
  チケットについては、有効・無効の表示にかかわらず、入場不可と表示され、使えなくなるとのリリースが出ていますので、恐らく(記者クラブの執務室に)戻られると、このペーパーを確認することができるかと思います。
  今回、「福島に来て野球・ソフトボールを見たい」あるいは「福島を実際に見たい」という方は全国におられたと思いますが、そういった方々に対して、結果として、このようなタイミングで、こういった形で御負担を強いることになったことは、本当に申し訳なく思います。
  ただ一方で、開催自治体それぞれの急激な状況の変化や、あるいは冒頭に申し上げたような本県の感染状況といったものもあることから、我々自身、本当に苦渋の決断だったということを御理解していただければという思いもあります。

(終了)


【問合せ先】

○発表事項

○質問事項

1 東京2020オリンピック野球・ソフトボール競技の福島あづま球場における観客の取り扱いについて
(東京オリンピック・パラリンピックについて)
→文化スポーツ局オリンピック・パラリンピック推進室 電話024-521-8671
(新型コロナウイルス感染症について)
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238