【質問事項】
【記者】
コロナについて何点かお伺いします。まず現状について(新規感染者数が)2日連続ゼロでしたが、現状の受け止めについて、知事の考えを伺います。
【知事】
まず新型コロナウイルス感染症ですが、本日この後に公表する新規陽性者数は0人で、3日連続0人という状況です。1週間の中で3日連続(0人)が2回(ある)という状況にあり、参考指標も非常に安定した状況です。県民の皆さん、事業者の皆さん、そして医療に関わる皆さん、全ての皆さんが新型コロナウイルス感染症対策を、日々しっかり取り組んでいただいているおかげで、こういった状況を迎えることができていると思います。皆さんに改めて心から敬意と感謝の意を表します。
ただ一方で、この新型コロナウイルスそのものが、福島から、あるいは日本から無くなったということではないと思います。今、世界の状況を見ていましても、ワクチンの2回接種が進んでいる国において、再度感染が拡大する、いわゆるリバウンドが起きているという状況があります。
したがって、県民の皆さんにおかれては、引き続き、基本対策の徹底を願いします。一方で、もう一つ大事なことは、対策を徹底しながら、地域経済、地域社会の維持・再生をしていくことだと思いますので、是非10月、11月において、感染防止対策と、地域経済社会の維持・再生の両輪について、しっかり両立させるということを、県民の皆さんと思いを一つにして取り組んでいきたいと思います。
【記者】
「県民割プラス」が始まり、来月からは「do!浜通り」、そして「オールふくしま食べて応援キャンペーン」も始まります。
正に今おっしゃった、地域経済との再生の両立という部分になると思いますが、それぞれの施策に込めた思いや期待することについて、知事の考えを伺います。
【知事】
県民割プラス、あるいはdo!浜通り(「浜通り地域等における来訪者による消費促進事業」)については、観光振興、地域振興という側面を強く持っている事業です。
県民割プラスは、既に今月スタートをしておりますが、皆さんが感染対策をしっかり講じ、特に旅館、ホテル、こういった場所において、それぞれがガイドラインにのっとった対応をしていただいて、今、安定的に対応できているかと思います。
また、県民割プラスは1人当たり2,000円のクーポンが付いており、宿泊をした上で、その地域のお土産物屋さんや物産を取り扱っている店に行って、そのクーポンを活用していただくことで、旅館、ホテルのみならず地域全体の経済が元気になるという兆候がしっかり現れているなと感じています。
11月も県民割プラスを継続してまいります。福島県内は、浜通り、中通り、会津地方、それぞれの地域資源、宝物がいっぱいありますし、おいしい「食」もあります。県民の皆さんが県内の観光を楽しむことで、それぞれの地域の経済も元気になりますので、県民割プラス、あるいは、do!浜通り、こういったものを是非御利用していただければありがたいと思います。
またあわせて、認定店の応援事業、オールふくしま食べて応援キャンペーンが11月から本格的にスタートします。
この事業については、感染防止対策を徹底したふくしま感染防止対策認定店の普及拡大と飲食需要の喚起によって、地域経済を活性化したいということで、認定店でのみ利用できるプレミアム付き電子食事券事業を実施するものです。本日からキャンペーン特設サイトがオープンし、電子食事券の購入方法などについて詳しく案内しております。また本日の午後、報道の皆さんには、その詳細についてお話をさせていただきます。
ここで、皆さんに改めて、このオレンジステッカーの認定店ではどのような感染防止対策を行っているのかについて、具体的に四つお話ししたいと思います。
一点目が座席間隔の確保、パーテーションの設置などによりソーシャルディスタンス、距離をとるということを徹底しています。
二点目は、手洗いと手指消毒の徹底。
三点目が、お客様への働きかけです。特に、この「お客様への働きかけ」が大事ですが、食事中以外はマスクを着用し、会話はマスクを着けて楽しんでいただくようにお願いする、また、体調が良くない方の入店はお断りをする、ということも大事な要素です。
そして四点目は換気の徹底です。換気設備を新たに付けていただく、あるいは窓を開けた上で十分に換気をしていただいております。
これらの感染対策を徹底しているお店が、今、福島県内で5,000店舗を超えています。県民の皆さんが飲食、会食を行いたいという場合には、是非このオレンジステッカーの認定店を御利用していただく、これがポイントになると思います。
ただ、大事なことは、お店サイドの注意や取組に加え、お客様自身が感染防止策を守っていただくことです。認定店だから絶対感染しないということは、残念ながらありません。これらのルールをしっかり守ることによって、飲食を楽しみつつ、感染防止対策を両立させることが可能となりますから、お店側、お客様側、双方の努力、協力が必要だということを、改めてお話しさせていただきたいと思います。
いずれにしても、観光の面、あるいは飲食店、こういった事業に関わる方々は、この1年半余り、ずっと苦しい思いをされてきています。今、幸い第5波が落ちついてきて、ある程度いい状況にあります。この状況の中で地域経済、地域社会を維持再生するためにも、店舗を利用される側、そしてお店サイドが協力をしながら、感染対策と地域経済の活性化の両立に向けて、一緒に取り組んでいただければと思います。
【記者】
県民割プラスについてお伺いいたします。10月上旬ですと(予算枠)上限の関係で(宿泊施設の間で)戸惑いの声もありましたが、それについてどういった対応をとられたのか、また新たな取組や、変わった点などがあれば伺います。
【知事】
従前、一月前、今月の(県民割プラスを)スタートする際に、旅館、ホテル等にこういった点がポイントですということをお知らせしています。その中でも、ポイントになる(予算枠)上限の部分、これについて当然記載はしてありましたが、これがよりはっきりと分かるように、今回は注意喚起をさせていただいています。
また、この1か月間の経験の中で、それぞれの旅館、ホテルの皆さんは、このシステムについて御理解していただいていると思いますので、現時点においては円滑に進んでいくのではないかと考えております。
【記者】
予約状況を見ますと、やはり高額な、普段泊まらないようなところへ集中的に(予約が入る)ということで、そういったところ(宿泊施設)の売り切れが相次いでいましたが、一方で、価格帯が低いところ(宿泊施設)というのは、今回も空きがある状況なので追加分にはならないという話もあります。施設の特徴によるかと思いますが、恩恵がなかなか得られない施設があるということについて、知事の受け止めを伺います。
【知事】
福島県は、浜通り、中通り、会津地方と非常に広い県ですが、様々な魅力を持った旅館、ホテルがあります。もちろん大きな旅館もありますし、一方でこじんまりした、また非常にアットホームなお宿もありますので、県民の皆さんには、県民割プラスを利用される際には、是非いろいろと調べていただいて、自分が行ってみたいところにはどのような宿があるのかを把握した上で、選んでいただき、楽しんでいただくということが重要かと思います。小規模な旅館等においても、今、非常に張り切っていただいております。新型コロナウイルスでずっと苦労されてきましたので、だからこそ久しぶりに多くのお客様に来ていただけることを喜んでいますし、是非自分の宿ならではのおもてなしをしたいということで、料理も工夫しながら、おもてなしをされると思います。応募状況は宿によっていろいろあるかと思いますが、県民の皆さんにおいては、是非間口を広げて選んでいただき、楽しんでいただくことを期待しています。
【記者】
新型コロナウイルス感染症について、首都圏の飲酒、それに時短要請が解除され、(規制が)緩みますが、それに対する受け止め及び福島県への影響についての考えを伺います。
【知事】
首都圏に緊急事態宣言等が発出されて、今年1年の中でもほとんどの期間で強い制限がかかっていて、そういう期間が長かったということで、御苦労されてきたと思います。
第5波の時の東京、神奈川、千葉、埼玉においては、本当に日々の感染者数を聞くたびに、「新規感染者数がまた増えた。また増えた」という日々を、特に7月から8月にかけて、福島県民の皆さんも感じておられたと思います。あの時のような高い「波」を二度と起こさせたくないという思いを、首都圏の皆さんもお持ちかと思います。
今は首都圏も明確に感染状況が落ち着いていますので、一定の形で制限が解除されていくことは一つの流れだと思いますが、ポイントは福島県と同様、リバウンドをさせない、感染の再拡大を起こさせないということに尽きると思います。
そのためには、飲食店自身が感染防止対策に本当に一生懸命取り組んでいただくことと、利用されるお客さん自身がルール、マナーを守って楽しんで使っていただくということかと思います。そういう意味で、今、全国それぞれの県で、おおむねいい形で似たような状況にありますが、第6波、再拡大、これは残念ながらあり得ると思いますので、皆さんで心を合わせて、その波が来るのをできるだけ遅らせる。あるいは仮に来てもその波の高さをできるだけ小さくしていく。こういう思いを共有していくことが、国全体として重要だと考えています。
【記者】
昨日、浪江町立請戸小学校が県内初の震災遺構として一般公開が始まりました。知事も挨拶に来られていましたが、実際に見られた印象、感想について伺います。
【知事】
昨日、浪江町の請戸小学校が、震災遺構として、福島県内で初めて開館しました。10年経って、地震、津波の被害を明確に示す大切な施設が、この請戸小学校だと思います。
請戸小学校においては、2011年3月11日(の津波の際)、先生方の適切な誘導と生徒さんの的確な行動で、結果的として全員無事に避難することができました。一方で、私自身も実際に施設を拝見しましたが、特に1階は、津波の甚大な被害、その猛威というものが、正に、まざまざと感じられる場になっています。また二階も表面的には形を残していますが、そこに残された黒板の文字等を見ると、3.11の震災と津波、それ以降の様々な避難生活、またその後応援に来ていただいた方の応援のメッセージ、あるいは久しぶりに母校を訪れた生徒のメッセージなど、本当に心に突き刺さるような、あるいは心に響くようなメモリアルとして存在しています。
東日本大震災・原子力災害伝承館を始め、各地域でこういった震災伝承施設が立ち上がっています。こういったものと並んで、当時の趣をそのまま残して、特に津波の恐ろしさ、猛威というものを我々現役世代に改めて注意喚起をしてくれる、そして、これから後世にも伝え残していく、さらに全国の皆さんに「あの時の震災の津波はこんなに大変だった」ということを感じていただくことが、今後、防災意識を向上させていくためにも極めて重要だと考えています。
県として、こういった請戸小学校を始めとした震災伝承施設について、新型感染症の落ちつきを見ながらでありますが、是非国内外にPRをして、多くの方々に見て、感じて、備えていただくような場にしていきたいと考えています。
【記者】
震災遺構の整備について、福島県は原発事故の影響もあって、岩手県、宮城県に比べて少し整備が遅れてきた印象があります。今後、複合災害を伝えていく上で、今後の震災遺構の在り方について知事の考えを伺います。
【知事】
先日は富岡町において同様の施設がオープンをしています。大事なことは、2011年の3月の震災あるいは原発事故というものが、正に未曽有の災害であったということです。したがって、この記録、記憶をしっかり我々現役の世代と後世に伝えていくこと、これは正に使命だと考えています。既に立ち上がっている各種の施設のネットワークも重要です。すばらしい施設が一つ一つありますが、ばらばらだともったいないというところがありますし、実際に教育旅行や企業の研修旅行で、こういった施設を拝見していただいていますが、皆さん「よかった」、「来年も、例えば、新入社員の研修に使いたい」、「来年も教育旅行で訪れたい」という声をたくさん頂いています。こういった震災の伝承を行う施設のほか、それぞれの地域の避難指示が解除されていく中で、またそれぞれの地域の大事な資源、新しいプラスの施設もできていますし、観光もこれから是非復活させていきたいと考えています。
したがって、こういった震災の記録を伝承する施設と、各地域の地域資源や観光あるいは食といったものをミックスした形で、浜通り地域に多くの方々が国内外から訪れて、それがまた復興の後押しになる。こういう取組を、広域自治体である県として積極的に取り組んでいきたいと思います。
(終了)
【問合せ先】
○質問事項
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238
(県民割プラスについて)
→観光交流局観光交流課 電話024-521-7287
(「do!浜通り」d払いポイント還元キャンペーン、オールふくしま食べて応援キャンペーンについて)
→商工労働部商工総務課 電話024-521-7270
2 震災遺構について
→文化スポーツ局生涯学習課 電話024-521-7994