【質問事項】
【記者】
昨日投票が行われた衆議院議員選挙ですが、全国で見ると、自民党は一定の議席を減らしたものの絶対安定多数、一方、立憲民主党と共産党の野党共闘は議席を減らすという形になりました。この全国の傾向について知事の受け止めを伺います。また、福島県選出の議員は、これまでの8人から9人に1人増えた形になりますが、この点についての受け止めについて併せて伺います。
【知事】
まず、当選された皆さんに心からお祝いを申し上げます。
今回の衆議院議員選挙は、コロナ禍という国難にある中で行われた国政選挙であり、経済政策や新型コロナ対策、社会保障、環境政策、外交・安全保障など、今後の日本の方向性が問われた重要な選挙でした。
当選された方々には、選挙戦を通して届けられた国民、県民の切実な思いをしっかりと受け止め、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症の収束と経済の再生、そして、福島県の最重要課題である震災と原発事故からの復興、急激な人口減少を見据えた地方創生の推進に全力で取り組んでいただくとともに、我が国が抱える様々な課題の克服に向け、国政の場において大いに活躍をしていただくことを期待しています。
【記者】
今回、福島県選出議員が9人になり、1人増えたという部分に関してはどのように受け止めていますか。
【知事】
県選出の国会議員の皆さんには、是非、活躍していただきたいと思っていますが、東日本大震災、原子力災害からの復興が途上である福島は、特に今後、中期、長期にわたって復興を前に進めていかなければいけない訳です。本県の中でも、それぞれの地域で状況が異なります。また、県民の中でも様々な思い、葛藤もあります。そういったものを、今回当選された皆さんは、直接この選挙期間、あるいはその前も含めて感じておられると思います。それを国政の場においてしっかりと発揮していただき、本県における震災からの復興、さらには感染症対策、あるいは地方創生など、県民の皆さんが強く望んでおられる政策を一つ一つ実現することに全力を傾けていただきたいと思います。
【記者】
衆議院議員選挙に関する投票率について、県内の投票率は58.01%で、前回からやや上昇したものの50%台と、あまり高い状況とは言えなかったと思いますが、今回の投票率についての知事の受け止めを伺います。また今回、啓発が中々難しかったという事情があったかと思いますが、今後の選挙において投票に行ってもらえるような啓発を、どのような形で図っていくのかについて、併せて伺います。
【知事】
民主主義国家においては、お1人お1人がしっかりと投票行動をとっていただくことが根幹であると考えています。投票率を向上させていきたいという思いで、県の選挙管理委員会、あるいは市町村の選挙管理委員会等が、これまで力を合わせて取り組んできました。
また今回、特に新型コロナウイルス感染症の影響の中で、(啓発が)難しい部分もあったかと思います。いずれにしても、選挙権を持っておられるそれぞれの世代の方が、積極的にその1票の権利を行使していただき、国政に対する思い等をしっかり示していただくことは重要です。県として、投票率向上に向けて様々な工夫を凝らしていくことが大切だと考えています
【記者】
今回の投票率について、知事は率直にどのようにお考えですか。
【知事】
今回、県民の皆さんお1人お1人が、様々な状況の中で(判断された)投票行動が積み重ねられた結果であると考えています。
【記者】
今回当選された方々に福島の復興(に取り組んで欲しいと)の話がありましたが、演説を聞くと、どの方も福島の復興については「道半ば」という表現をされていることが多いと思います。これまで、知事は「まだ途上」という言い方をしていますが、その辺りにこめる思い、また「途上」と発言する意味合いについて知事の考えを伺います。
加えて、その考え等を踏まえた上での期待感について伺います。
【知事】
福島県は、浜通り、中通り、会津地方とあり、非常に広い県土であります。
その中で、特に10年前の東日本大震災と原発事故、この影響を色濃く受けているのは、避難地域の12市町村かと思います。それぞれの地域で、難しい課題をいまだに抱えています。
例えば、風評という問題は全県的に重くのしかかる課題だと思っています。特に、双葉町、大熊町、浪江町などは、一部で避難指示解除が行われていますが、本当にようやくスタートラインに立てたか、立てていないかという状況ですので、正に、途上という状況だと思います。
また、特に福島第1原発の廃炉対策は30~40年の期間がかかるということが、国のロードマップで示されています。したがって、震災と原発事故から10年が経っていますが、まだ我々は本当にその道のりの途上にあるということを幾度もお話をさせていただきました。今回の県選出国会議員の皆さんも同じ思いを持っていただいていると思います。
国政の場において、福島県民が、各市町村が、各地域が、どんな思いを持っているのか、どんな悩み、課題、葛藤を抱えているのか、こういったことを国会、国政の場においてしっかりと発言をしていただくことが、これからの福島の復興を更に前進させる上で、とても意義があると考えております。
したがって、今回選出された新しい国会議員の皆さんには、県民の思いを国政に反映をさせる、その思いで取り組んでいただきたいと思いますし、県も市町村も一体となって復興を前に進めていく、その思いで皆さんと一緒に取り組んでいきたいと思います。
【記者】
今回の衆議院議員総選挙において、全国的に各党の訴えを見てみますと、震災から10年がたったこともあり、「復興」という文字が少なかったと感じていますが、その点についての知事の受け止めと、今後、国政でこの復興をどのように進めていってもらいたいか、考えを伺います。
【知事】
今回、福島県内と全国において、今、御指摘があったような傾向があったと私自身も感じています。
まず、福島県内ですが、候補者の皆さん、あるいはマスコミの皆さんが、東日本大震災、原発事故に対して各候補者がどのように取り組むか、ということをしっかりとお話を頂き、またそれぞれの候補者が自分自身の思いを率直に述べていただいていますので、福島県内においては、復興への取組について、お一人お一人の考えがしっかりと示されたと考えています。
ただ一方で、全国ではどうかといいますと、やはり異なる状況だと思います。
新型コロナウイルス感染症の問題や、全国各地でこれまでにないタイプの自然災害も出ています。さらに、安全保障、社会保障など、本当に多くの課題を、日本の国全体として抱えていますので、そういった課題についての議論というものがメインになってしまって、全国において、福島の復興について熱く語られるということは、必ずしもなかったかもしれません。
そういう中において、私が期待しておりますのは、今回、県選出の国会議員として当選された皆さんは、それぞれの選挙区において、県民の皆さんの思いを直接聞いておられる方々です。こういった皆さんが、国政の立場で、福島の復興・再生は途上、まだこれからであり、これは福島の問題ではなく、全国の問題であるということを、熱く発信していただくことにより、これからの中長期的な福島の復興に対する非常に大きな力になると確信をしています。
県としても、市町村としても、県選出国会議員の皆さんと力を合わせて取り組み、風化させることなく、福島の復興が国の重要課題の一つとして全国的に捉えていただけるように、私自身も努力を続けていきたいと思います。
【記者】
新型コロナウイルス感染症関連で、今日(11月1日)から電子食事券の利用ができるようになりました。
特に経済と感染防止対策との両立ということを、これまでも何度も強調されていると思いますが、利用開始に当たり、改めて知事としての思いについて伺います。
【知事】
認定店応援事業「オールふくしま食べて応援キャンペーン」が本日からスタートとなります。
このキャンペーンでありますが、感染防止対策を徹底しておられる「ふくしま感染防止対策認定店」の普及拡大と、飲食需要の喚起によって地域経済の活性化を図るため、認定店で利用できるプレミアム付き電子食事券事業を実施するものであります。キャンペーン特設サイトで、電子食事券の購入方法などについて詳しく案内をさせていただいています。
本日から食事券の利用開始となりますので、県民の皆さんにおかれては、基本的な感染防止対策を徹底しながら、認定店を活用していただきたいと考えています。
(終了)
【問合せ先】
○質問事項
1 衆議院議員総選挙の結果について
→総務部政策調査課 電話024-521-7184
2 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238
(オールふくしま食べて応援キャンペーンについて)
→商工労働部商工総務課 電話024-521-7270