■日時 令和3年11月29日(月曜日)10時00分~10時20分
■会場 応接室
【発表事項】
1 「ふくしま 知らなかった大使」 PR動画について
【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について
2 県民世論調査について
3 「ふくしま 知らなかった大使」 PR動画について
4 避難地域の復興について
【発表事項】
「ふくしま 知らなかった大使」を務めていただいている、女優の松岡茉優さんに出演いただいた新たなPR動画が完成しましたので、発表いたします。
今回の動画では、震災遺構である請戸小学校や只見線沿線などをめぐった松岡さんの体験を通して、県内外の多くの皆さんに、「ふくしまの今」をお伝えしてまいります。
公開する動画をダイジェスト版としてまとめましたので、こちらを御覧ください。
(モニターにてダイジェスト版動画を放映)
本日から公開する、松岡さんが県産日本酒の魅力に触れる動画を皮切りに、毎週月曜日に1本ずつ、4週にわたり公開してまいります。
また、松岡さんから県民の皆さんにメッセージを頂きました。こちらも本日より公開しますので、是非、御覧ください。
【質問事項】
【記者】
新型コロナウイルス感染症について、強い感染力を持つおそれのある新変異株の「オミクロン株」が欧州で拡大しています。県では、これまで県衛生研究所で変異株の検査を続けてきましたが、このオミクロン株が国内で確認された場合に、県内でも速やかな検査体制を整える必要があると思います。その辺りについて知事の考えを伺います。
【知事】
南アフリカにおいて確認された変異株については、WHOが「懸念される変異株」に位置付け、国においても検疫を強化しているところです。また、WTO閣僚会議の延期が決定をされるなど、世界においても警戒が高まっています。
この変異株により、再感染のリスクが高くなることが指摘されており、現時点で日本での報告はありませんが、一度、日本に入れば、全国へ急速に広がる可能性が懸念されます。
感染防止対策は、変異株においても同じであるとされています。県民の皆さんにおかれては、マスクの正しい着用、手洗い、手指消毒の徹底、人と人との距離を保つ、こまめな換気、3密の回避など、これまでと同様に基本的な感染対策の徹底をお願いしたいと考えています。
また、変異株の監視体制についてですが、これまでも変異株に対するスクリーニングなど、県衛生研究所での検査体制を整え、実施してきたところです。国立感染症研究所等からの情報を得ながら、今後も必要な検査体制を整えてまいります。
【記者】
(今のお話について)確認ですが、「必要があれば」ということですが、当然、国内で確認されれば、県内でも(対策・体制を)整えていくという考えでよろしいでしょうか。
【知事】
(国内で確認された場合はもちろん、それ以前から県としてしっかり体制を整えていくという意味で、)そのとおりです。
【記者】
新型コロナウイルス感染症の話題に関連して、県職員の忘年会についてお伺いします。
先日、福島市の木幡市長が、職員に対して大人数での忘年会を許可するといった話題がありました。これに関連して、県として、職員の忘年会の扱いについてどのように考えておられるのか伺います。
【知事】
県といたしましては、国の行動制限緩和の方針が示されたことを踏まえまして、19日に県の新型コロナウイルス感染症対策本部員会議において、感染拡大防止のための基本対策を改定し、飲食における人数制限等を緩和したところです。忘年会を開催する際は、感染防止対策を徹底した上で、「ふくしま感染防止対策認定店」を利用するなど、職員一人一人が自らの感染防止に注意を払うよう、周知徹底してまいります。
【記者】
この週末、福島テレビと福島民報社が世論調査を実施しました。
その中で、「新型コロナウイルスの3回目のワクチン接種を希望する」と回答した人が、およそ8割を占めました。これについて、知事の受け止めを伺います。
一方で、(ワクチンの)供給不足なども心配される中で今月から(3回目の接種に向けた準備を)始める自治体も県内であります。その点について、県としては、自治体とどのように連携されていくのか、知事の考えを併せて伺います。
【知事】
(県民世論調査については、)県民の皆さんが、それぞれのお考えに則ってお答えされた結果と受け止めています。
ワクチンには、発症を予防する高い効果があります。また、重症化を予防する効果も期待されていることから、3回目の接種を希望される方については、順番が来た際に接種していただければと思います。
11月17日段階ですが、厚生労働省は、自治体への説明会で、接種の間隔を原則8か月以上とし、例外となる前倒しの条件として、急激な感染が進むといった状況を例に挙げ、事前に厚生労働省に相談することとしたほか、モデルナ社ワクチンについては、追加接種の薬事申請中であり、薬事承認の結果を待って改めて議論をするとしています。
国は、追加接種においては、交互接種を想定した上で、ファイザー社製とモデルナ社製がおおむね6対4の比率で、令和4年3月分までのワクチンを配分するとしています。福島県では、国の示した割合に準じて各市町村に両方のワクチンを配分する予定としています。今後、追加接種に速やかに対応できるように、国の動向を注視し、情報収集に努めるとともに、市町村と情報共有しながら円滑な体制整備に向けて準備を進めてまいります。
【記者】
もう1点、県民割プラスも県内では好調ですが、この点についても、行動制限の緩和について評価するかを聞いたところ、「評価する」、あるいは「おおむね評価する」という回答が合わせて61.9%に上りました。この点について、知事の考えを伺います。
【知事】
今回の結果については、政府が示した行動制限の緩和策に対する期待や不安など、県民の皆さんが様々な思いを持っておられることが表れた結果だと受け止めています。
先般の基本的対処方針の改定によって、外出や県をまたぐ移動については原則制限をかけないこととされたほか、第三者認証制度やワクチン・検査パッケージの活用によって、感染拡大時における時間短縮要請やお酒の提供、人数制限を緩和することとされました。また、イベントの開催においても、感染防止安全計画の策定やワクチン・検査パッケージの活用によって、収容人数を緩和することなどが示されています。
ワクチン接種の促進や医療提供体制の拡充などによって、感染拡大防止と経済社会活動の再生を両立させるなど、バランスを図っていくことが重要だと考えています。
一方で、行動制限の緩和は、人と人との距離の確保、マスクの着用、手洗い等の手指衛生、換気など、基本的な感染対策の上で成立するものであります。
したがって、引き続き、県民の皆さんにはこういった御理解を頂けるように丁寧に協力を呼び掛けていきたいと考えています。
【記者】
「ふくしま 知らなかった大使」PR動画について、これまで7本動画を作成してきて、費用対効果について伺います。また、今回新たに(動画を)作成し、これは特設サイト内だけの公開になるかと思いますが、これにより、どんな効果を期待しているのか併せて伺います。
【知事】
今年の2月に、女優の松岡茉優さんに、「ふくしま 知らなかった大使」に就任していただき、松岡さんの体験を通して、多くの方に福島の今を知っていただくため、「知ること、それが福島の力になる。」これをキャッチフレーズとして動画を公開してきました。
これまで7本の動画を公開していますが、どの作品でも、松岡さん自身が福島を知る瞬間の、素直なお気持ちが表現されており、福島を知らなかった皆さんと同じ立ち位置から、福島を知るきっかけをつくっていただいていると感じています。
先月、松岡さんに県庁を訪問していただいた際には、「福島県の大使という重役も、『知らなかった大使』ならできる」、といった率直な思いや、実際に福島県内の現地視察等の活動を通して、福島を知ろうとする、その真摯な姿勢に感銘を受けました。
これまでの動画の視聴回数は170万回を超えています。松岡さんの大使としての思いが、多くの皆さんに届きつつあると考えています。
特に、今年に入って、関係人口の意識調査アンケートが行われました。このアンケートにおいて、福島県は47都道府県の中で、1位ということになっています。
やはり起点は2011年の東日本大震災と原子力災害であろうかと思いますが、福島県に対して何らかの関心、興味、関わりを持っていたい、あるいは、社会貢献、福島への貢献をしたい、というお気持ちを持っている一つの表れかと思います。
ただ御承知のとおり、いわゆる地震や津波といった自然災害だけではなくて、原子力災害、原発事故というものについて、皆さんそれぞれが様々な受け止めがあると思います。
例えば西田敏行さんのような本県出身者や、あるいは、コシノジュンコさんのように、「福島のことを応援するよ」という方々、こういった、正に直接的に関わっていただくこと、これもすごくうれしいです。
一方で、実際は福島に強い関心は持っているけど、自分はよく知らないし何となくハードルを感じるという方も、一部おられるかもしれません。あるいは、知らないけど知ってみたいという方も、先ほど言ったアンケート調査の結果を見ても、間違いなく相当数おられると思います。
ちょうど震災原発事故から10年経って、風化も進んでいくと思います。これまではある意味、震災・原発事故直後という期間でもあったので、自然体で「福島を応援するよ」という方がたくさんおられたと思いますが、どうしても風化は進みます。
国内でも海外でも、いろんな災害や、事件、事故が次々に出てきますので、関心が薄れてくる。これはどうしてもやむを得ない部分があると思います。
そういう中で、「知らなかった大使」というネーミング、恐らく日本では初めてではないかと思いますが、こういった松岡さんの活動を通して、松岡さんと同じ目線だったら、私も福島に関わりを持てるなと共感していただける方がおられるのではないかと思います。
したがって、元々知っている方には、是非これからももっと関わりを強めていただきたいと思いますし、また、知らなかったけど知ってみたいと思っていただく方をもっと増やしいく、間口を拡げていくということが、関係人口を増やし、ひいては交流人口を増やすことにつながるのではないかと期待しています。
【記者】
明日、葛尾村で準備宿泊が始まります。帰還困難区域の、特定復興再生拠点区域で初めて(の準備宿泊)ということで、これに対する見解と、今後、大熊町でも順次始まっていきますが、復興に向けて、プラスの面もあれば、一方で、帰還する人と帰還しない人がはっきり分かれてしまうのではないかという分断の可能性もあると思います。その点について改めて考えを伺います。
【知事】
葛尾村において、いよいよ準備宿泊、特に帰還困難区域における準備宿泊がスタートすることは大事な前進だと考えています。
震災・原発事故が起きた直後、自分自身の持ち物も持たないまま、急きょ避難生活を余儀なくされて、その後、3年、5年、10年と避難生活を続けざるを得なかった自治体の住民の皆さんにおかれては、この10年を振り返りますと、その心の中は我々では推し量れない、辛い体験、御苦労があったかと思います。
そういった方々が、いよいよ、まだ避難指示解除までは至っておりませんが、「準備宿泊ができる」、「自分たちが思い願っていた古里に戻ることができる」ということは、皆さんにとって、希望の光が見えてくるということにつながるかと思います。
ただ、これまでも、帰還困難区域にかかわらずですが、各避難自治体で段階的に避難指示解除が進んできました。その中で、準備宿泊をされる方、あるいは避難指示が解除されてからその地域に戻られる方など、様々な方々がおられますが、今、御指摘を頂いたとおり、そこには葛藤や分断があるかと思います。
例えば、大熊町の大川原地域の避難指示が解除された時、その地域の住民の皆さんの中には、喜ぶ方がおられる一方で、自分は別の場所、今避難している場所で、例えば家を建てた、あるいは「仕事や子供たちの学校があるから戻れないんだ」と言って寂しさを感じた方もおられました。また、大川原地域以外の方は「大川原は帰れるけど、俺のところはまだ帰れないんだよな」、特に「特定復興再生拠点区域外でもあるので、この先の見通しがつかない」ということで、余計がっかりされる方がおられたということも聞いています。
したがって、準備宿泊が進むということは前進ではありますが、一方で、避難されている住民の皆さんに、複雑な感情を喚起させる側面があるのも事実だと思います。
そういった住民の皆さんの思いを受け止めた上で、県として、また政府、自治体と連携して、できるだけ多くのエリアが、早期に避難指示が解除されるよう、特に今年8月に、帰還困難区域の拠点区域外における今後の方向性というものが一定程度示されておりますので、拠点区域の避難指示解除、そして拠点区域外における新たな方針に則って、多くの住民の皆さんが笑顔になれるように一つ一つ課題解決に取り組んでまいります。
(終了)
【問合せ先】
○発表事項
1 「ふくしま 知らなかった大使」 PR動画について
→総務部広報課 電話024-521-7124
○質問事項
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238
2 県民世論調査について
→総務部政策調査課 電話024-521-7184
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238
3 「ふくしま 知らなかった大使」 PR動画について
→総務部広報課 電話024-521-7124
4 避難地域の復興について
→避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8439