■日時 令和3年12月6日(月)10時00分~10時20分
■会場 応接室
【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について
2 風評・風化対策について
3 いわきFCのJFL優勝について
4 避難地域の復興について
【質問事項】
【記者】
昨日、政府から、3回目のワクチン接種について、前倒しを進めていくということについて、明言がありました。このことについての知事の受け止めを伺います。
また、もし仮に、接種間隔が原則の8か月から6か月へと前倒しということになれば、今後、県としてどのように対応していく必要があるか、併せて伺います。
【知事】
先月26日、国から、「感染拡大防止を図る観点から、特に必要と認められる場合には、例外的に1、2回目接種の完了から8か月以上の間隔を置かずに追加接種を実施しても差し支えない」、逆に言いますと、原則8か月であるという連絡を頂きました。
また先週、全国知事会議に私自身も出席をしまして、堀内ワクチン担当大臣、また後藤厚生労働大臣とオンラインでの意見交換をしておりますが、その際にも、「原則8か月」だということを伺っているところです。
一方で、オミクロン株が国外で発生し、国内にその脅威が迫ってきている中で、 12月1日、官房長官が記者会見の中で、新たな変異株オミクロン株の感染が国内でも確認されたことを踏まえて、「必要があれば接種間隔短縮の対象拡大について検討する」とお話され、今後の感染の広がりや自治体の準備状況、ワクチンの供給量を考慮しながら、拡大の可否と対象について判断をするとされました。
そしてまた昨日、官房副長官が2回目接種から8か月以上経過を原則としていた追加接種について、自治体の能力も踏まえながら可能なところは前倒しをしていくとの発言があり、前倒しの条件として、モデルナ社ワクチンが3回目用として承認され、ファイザー社製ワクチンとの交互接種が今後認められることを挙げられました。こういった報道を拝見しているところです。
現時点ではこれまでの「原則8か月」という政府の考え方が、我々に示されているわけでありますが、一方で、オミクロン株の新たな脅威というものを目の前にして、政府としての方向性を正に検討している最中かと考えています。
今後、この3回目の接種は、全国の自治体が担っていくわけです。その意味で、政府において、今後どのような対応をしていくのか、その動向を注視し、また、方向性が変わっていく場合には、市町村と連携をしながら速やかに対応していきたいと考えています。
ただ、その時のポイントは、(ワクチンの)総供給量ということだと思います。仮に(接種間隔)8か月(での)接種であっても、後藤厚生労働大臣、あるいは堀内大臣も言っておられますが、現在想定されている政府としての供給量は、ファイザー社製とモデルナ社製を合わせて、8か月の接種で概ねギリギリということを伺っています。先般の全国知事会とのオンライン会議でも、そういうお話を両大臣がしておられました。接種間隔を6か月に前倒しをするということになりますと、相当の(ワクチンの)供給量が確保されていないと難しいということになりますので、今後、政府としての新たな方向性を示す場合においては、総供給量の見通しというものを、自治体に明確に示していただくことが重要だと考えています。
【記者】
今のお話で、総供給量の見通しを政府が示すようにというのが一番大きいところだというお話ですが、仮定のところで恐縮ですけども、今後の3回目の接種がワクチンの供給からも可能だという時に、県として求めていく部分、例えば前倒しのためにはこうして欲しいというようなところが具体的にあれば伺います。
【知事】
現在、福島県を始めとした各都道府県において、現場の自治体からの様々な御意見を頂いております。まず前提として、8か月間隔での接種の場合であっても、(供給される見込である)ファイザー社製ワクチンとモデルナ社製ワクチンの比率が6対4です。
来年度、特に2月、3月の、高齢者の皆さんの3回目接種が本格的になる際にも、例えば福島県で言いますと、ほとんどの方が1回目、2回目はファイザー社製のワクチンを接種されています。一方で、今政府が示している供給計画は、ファイザー社が6割、モデルナ社が4割ということになりますので、どうしても交互接種が必要になってまいります。
一般的に考えますと、1回目、2回目でファイザー社製を打たれた方々は、3回目もファイザー社製を打ちたいという考えがあると思います。これは福島県のみならず、各県とも同じことを言っています。
したがって、まず、モデルナ社製のワクチンについて、政府として、その効果や大きな問題がないことを明示していただくことが重要ですし、いわゆる交互接種、1回目、2回目と異なるワクチンを接種することについて、医学的に見て安全・安心だということを、しっかりとお示しいただくことが重要だということを、知事会の中で私自身が訴えています。
また、それと併せまして、接種間隔を6か月に短縮していくということですと、先ほどの総供給量があるという前提で申し上げますが、まず供給計画を具体的に示していくことが大切です。現在、医療関係者の3回目接種を進めているところですが、この対象人数と高齢者の皆さんの対象人数は大きく異なってきます。(高齢者接種は対象人数が)大幅に増えます。
したがって、会場を確保し、医師、看護師、スタッフの皆さんをしっかり整えて、また今回は、モデルナ社とファイザー社、恐らく両方を同一の会場で打つ、あるいは異なる会場で打つといった、これまでとは違った対応が必要ですし、ミスを起こしてはいけないということもありますので、やはり具体的な供給計画、「ここまで政府としては、それぞれの自治体に対して可能である」ということを示していただくことも大切だと思います。
こういった点について、福島県としても、もちろん政府に対して話をしていきますし、併せて全国知事会で(本部長代行として)コロナ対策の取りまとめをやっていますので、こういった点を今後、早急に政府に対してお話をしていきたいと考えています。
【記者】
近隣県の感染状況で、群馬県の工場でクラスターが発生し、(1日当たりの新規感染者数が)30人という、東京都を上回る人数が出たり、また山形県でも、先週、連日10人以上の感染状況となっています。こうした隣接している県での感染拡大状況を踏まえて、本県としての対応について、どのような考えがあるか伺います。
【知事】
まず、先ほどお話があったとおり、群馬県あるいは山形県において、例えば30名など、相当のクラスターが出ている、正に福島県のお隣の県です。
従来から申し上げておりますが、今、おかげさまで、福島県内の感染状況が非常に落ちついている、あるいは、国内においても(1日当たりの新規感染者数が)100名前後というレベルですので、第5波の時を考えますと、非常に落ちついた状況にある。これは事実だと思います。
ただ、かねがね申し上げているように、特にデルタ株だと思いますが、このデルタ株の脅威が、日本国内から、あるいは福島県内からなくなったわけではありません。本県においても、2週間、14日間連続で感染者ゼロという状況でありましたが、つい先日1名の方が新規陽性者として確認されました。したがって、まだ新型コロナウイルス感染症との戦いが終わったわけではありませんので、基本対策をしっかり講じていかなければいけないということを、改めて県民の皆さんに訴えていきたいと思います。
またもう1点大切なことは、やはりオミクロン株の関係だと思います。今、国内で新たな変異株、オミクロン株が確認をされ、世界各国では相当の広がりを見せています。オミクロン株の特徴は感染力が高い、既存のワクチンの効果が低下をする、あるいは再感染リスクの増加、こういったものが懸念されています。医学的、科学的な検証はこれからですが、WHO、世界各国の対応状況を見ていても、皆さん非常に危機意識が強いです。したがって、デルタ株、これも脅威が終わっていない。それに加え、今後、オミクロン株が我々の身の回りに十分可能性としてありうるということを心に置いた上で、改めて基本的な感染防止対策の徹底を県民の皆さんにお願いしたいと思います。
(基本的な感染防止対策として)三つあります。一点目は、いわゆる3密。密閉・密集・密接をしない。そして、マスクを正しく着用する。手洗いと手指消毒を徹底する。これは正に昨年から幾度もお話をしている基本的な感染防止対策そのものです。これを継続することによって、リスクを相当下げることができますので、デルタ株がまだ継続している、オミクロン株の脅威が今後あり得るということと併せて、この基本的な感染防止対策を徹底することによって、穏やかな年末年始を迎えていきましょうという思いを、県民の皆さんにお伝えしていきたいと思います。
【記者】
感染状況が落ち着く中で、経済の回復という面も大きな期待が持たれているかと思います。
忘年会シーズンということで、県内でも、行動制限の緩和というものが出てきている中だと思いますが、県庁、県としては、忘年会についてどういった対応であったり、呼び掛け等を内部でしているのか、また、知事の考えについて伺います。
【知事】
県における忘年会の対応については、先週お話しておりますが、状況は変わっておりません。
【記者】
新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、巷でいわゆるワクチン後の体調不良、ワクチン後遺症と言われているものがあるのではないかと(言われています)。
因果関係は不明とされていますが、この点について、知事は(新型コロナウイルス感染症対策については)全国知事会での役割もありますが、加えて、そのコロナ感染後の後遺症ということもあります。
これについて、国は、例えば一定数の実態把握とか、そういう責任は負わなければなりませんが、いわゆる知事会として提言していくこととか、指摘していくこととか、そういったお考えがあるか伺います。
【知事】
今のお話の前提ですが、ワクチンを打ったことによる副反応という意味ですか。それとも感染したことによる後遺症のどちらでしょうか。
【記者】
二つ(両方とも)です。ワクチン接種後に、いわゆる原因不明の体調不良も続くということは、そういったことも、一定数あるのではないかいうことで、因果関係は不明とはされていますが、そういったことがあると、そういったところで国に対して実態把握すべきではないか等の指摘をする考えがあるか伺います。
【知事】
まず、ワクチンを接種された後、いわゆる副反応の症状を訴えられている方については、県として整理をして、それを政府に情報として提供しています。
それを47都道府県それぞれで行っており、それについて、政府、国において今、医学的、専門的な見地から様々な検証が行われていると思います。
ワクチンを接種した後、体調が悪くなったという方が一定程度おられるのは事実ですので、国において、医学的、客観的にしっかり分析をしていくこと、また、その後の必要な対応を講じていくことが重要だと考えています。
また、感染後の後遺症の議論も当然あります。感染された後、いろいろな症状がかなり長い期間、あるいは一定の期間続くというお話も聞いています。こういった事例も含めて、今、新型感染症に対する様々な心配、懸念というものが、県民、国民の皆さんにあると思いますので、こういった点についても、政府が世界の知見を活用しながら、しっかり対応していただくことについて、知事会を通して話をしていきたいと思います。
【記者】
風評対策についてお尋ねします。
一昨日の土曜日、東京都で経済産業省等の主催によるシンポジウムが開催されました。
福島県職員の方も登壇されていましたが、今回の目的は、大消費地での重点的な風評対策、情報発信というところがスタートだったかと思います。今回、会場に行ってみますと、コロナ対応ということもあり、関係者の方は、都内の飲食業の方25人程度(の参加)、あとオンラインの視聴が700人ということでの人数ではありましたが、その重点的な対応というところでのスタートから見ると、ちょっと方針がずれてきているとも感じました。知事として、今後のこういった情報発信の在り方、国に求めたいこと等があれば伺います。
【知事】
都内で風評対策、風評払拭の発信をしたいということで、催物が行われて、参加していただいた方々の理解を深める、この点では意義があると思います。
一方で、今お話があったとおり、残念ながらジレンマがあります。どうしても今、新型コロナウイルス感染症対策、これと並行しての情報発信ということになりますと、なかなか相対しての、多人数の方をお招きしての情報発信については、今、国内(の感染状況は)相当落ち着いてはいますが、それでも、やはりそういったものは、従来と同じようにはやりづらいというのが、現実だと思います。
特にオミクロン株の話、現時点では脅威ということでありますが、これが出てくることによって、対応をより保守的にせざるを得ない部分があるというのも現実だと思います。
私自身が、これまでトップセールスですとか、全国各地に行きまして、風評払拭に向けた発信の動き、リアルで実際に伺って講演をする、そしてシンポジウムを行う、さらにその後、福島のお酒ですとか、おいしいものを実際に皆さんに食べていただきながら歓談をするということを、ビフォーコロナでは幾度も幾度も行ってきました。
ただ率直に言って、今同じ形では、まだ当分はできないかなと思っています。したがって、どうしてもリアルの方はある程度(人数は)少なめに来ていただいて、そして(併せて)オンラインでの配信ということになりますが、先ほど御指摘いただいたように、それは、まだまだ人数的な広がりが十分ではないという側面があるのも事実だと思います。
そういう意味で、例えば「ふくしま知らなかった大使」については、見ていただいたアクセス回数が非常に高いです。ですので、このウィズコロナの中での情報発信の在り方、できるだけ感染対策をとりながら、従来と同じ形のものも試行錯誤して継続していきたいですし、正直、リアルのほうが伝わります。オンラインは、一定の限界を常に感じていますので、何とかリアル開催で感染対策と両立しながら、できるだけ多くの方に来ていただくという工夫、ある程度(感染状況が)今、落ちついていますので、こういった努力も重ねていきますし、一方で、オンラインに主眼を絞った場合には、ある程度、見せ方を工夫することで、「よし、じゃあ是非見てみよう」とか、あるいは、見始めてもすぐ終わってしまう方もおられると思いますが、「最後まで見よう」と思っていただけるような工夫、これもしていかなければいけないと思いますので、この両方に力を注いでいきたいと思います。
【記者】
昨日、サッカーのJFL最終節が終わりまして、知事もコメントを出されていましたが、いわきFCが優勝してJ3への昇格を決めました。
あのチームは、6年前に被災地の復興と更なる成長に寄与するために誕生したチームであり、それが6年で、Jリーグ、プロの世界に入りました。来年から福島ユナイテッドと福島ダービーも行われると思いますが、この優勝したことに関する知事の受け止めと、そういう経緯で誕生したチームに対する、今後期待することについて伺います。
【知事】
先月25日、いわきFCがJ3リーグ入会承認に続いて、日本フットボールリーグJFLで優勝を決められたことは、大変すばらしく喜ばしいことと考えています。
今シーズンは特に、昨シーズンの悔しさをばねに、堂々とした力強い戦いぶりで見事優勝をつかみ取って、県民に勇気と感動を届けてくれました。この勇気と感動が、正にいわきFCの設立の理念、「被災地に元気を」というものにつながるものだと考えています。来シーズンはJリーグの舞台で今シーズンの勢いに乗って、福島県を盛り上げていただきたいと考えています。
また、あわせまして、今シーズン、福島ユナイテッドは、実は様々な試練の年でした。その中でJ3リーグ5位、これまでの中で最高順位で(シーズンを)終えられたことを本当にうれしく思います。
先ほどお話があったとおり、来年のJ3は福島ダービー、いわきFC、そして福島ユナイテッドFCが幾度もぶつかり合う、真剣勝負が行われるという非常に魅力のあるシーズンになってくると思います。
両チームがそれぞれの地域で活躍し、多くのサポーターの皆さんが熱い応援を行う、これが震災・原発事故から11年目に入っていく、あるいは12年目に入っていく、福島県にとって大きな力になると確信をしています。今後とも県民の皆さんと共に、両チームの活躍を応援していきたいと思います。
【記者】
先週、葛尾村と大熊町の復興拠点で準備宿泊が始まりました。最新の数字は把握していないのですが、大熊町ですと(12月)2日現在で15世帯31人が登録されて、葛尾村は初日に入られたのは1世帯だったと思います。人数だけで一概に言えるものではないと思いますが、対象人数からすると、かなり少ないという現状と思いますが、このことについてまず、知事の受け止めを伺います。
また、復興拠点内でもまだまだ放射線量に対する不安などがあって、例えば大熊町ですと、(放射線量が)下がり切らないところがあって、準備宿泊自体の開始が少し遅れたという経緯も(あると聞きます)。こういう住民の不安に対して、県として取り組むこと、国に対して求めることがあれば併せて伺います。
【知事】
まず、葛尾村、大熊町において、準備宿泊が開始され、帰還困難区域の中で、一部、まだ暫定的ですが、古里に帰れる、古里で暮らすことができる、そしてまた、その後の避難指示解除に繋がっていくということは大事な前進だと考えています。
自治体によって、帰還される世帯数が異なる、これも事実です。これまで10年間余りの中で、先行して避難指示が解除された自治体、例えば川内村や田村市都路町を始めとしてありましたが、それぞれの地域で、最初の準備宿泊は、本当に数えるほど、非常に少なかったという現実があります。
ただ、その後、一定の年数を経過する中で、徐々に帰られる方が増えていって、先行している自治体ですと、8割、9割の方が居住をされているという形で、やはり年月の経過とともに、その地域に徐々に人が増えていくということがあります。
ただ一方で、今、これから準備宿泊をされるというところは、震災・原発事故から丸10年経過をしております。その間に古里に帰りたいという思いをそれぞれ持ちながらも、実際の避難先の地で、仕事があったり、あるいは知人・友人(の存在)があったり、お子さんであれば学校があったり、そういった御事情がございますので、先行した自治体とはなかなか同じ形、同じペースでの帰還にはならないというのが、自治体の首長さんたちとお話をしていて、皆さんが共通認識として持っておられるところです。
そうであるからこそ、今後、避難指示を解除していこうという自治体に対して、先ほどお話があった、自分が住む住居であったり、その周りの除染、これがまず大前提です。この点で、皆さんが安心して暮らせるように除染をしっかり行う、仮に放射線量が高い場所があれば、フォローアップ除染という仕組みもありますが、そういったものも含めて、安心できる環境をつくり出していくこと、これが政府としての大切な責務だと考えています。
また、当然ながら、除染だけではなく、生活環境をつくり出すこと、いわゆる震災・原発事故前の当たり前の生活の中には、例えば医療環境、学校の通学環境、買物の環境、あるいは集落のコミュニティなど、得難い、当たり前のものがあったわけですが、今回、全町避難あるいは全域避難の中で、そういったものが大きく損なわれていますので、そういった生活環境、一遍に全部は中々できないのですが、段階的に一つ一つ整備していくことで、古里に戻ろうという方々がより安心して生活できる環境をつくっていく、そのために、福島県として、自治体の思いを受けながら、政府に対して、最近も私から、政府にいろんな要望をしていますが、その中の正に一つのメインが、今お話ししている、この帰還困難区域における今後の避難指示解除に向けての方針です。そういったことを広域自治体の長として、幾度も幾度も政府に対して訴えて、一人でも多くの(帰還を)希望される方々が早期に戻ることができるように力を尽くしてまいります。
(終了)
【問合せ先】
○質問事項
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238
2 風評・風化対策について
→企画調整部風評・風化戦略室 電話024-521-1129
3 いわきFCのJFL優勝について
→企画調整部地域政策課 電話024-521-7119
4 避難地域の復興について
→避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8439