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知事記者会見 令和4年8月1日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年8月5日更新

【質問事項】

1 新型コロナウイルス感染症について

【記者】
  新型コロナウイルス感染症の関連で二点お伺いいたします。
  まず一点目、国のほうで、「BA.5対策強化宣言」という新たな制度を導入されました。隣県の宮城でも早速、近く県民に対して(宣言を)出すというような方針を示されていますが、福島県としての対応を伺います。
  二点目として、全国知事会でも議論になったと思いますが、「コロナの2類相当というものを5類へ転換するべきではないか」という意見があり、政府のほうも、この第7波が収束した暁には、検討に入るという方針を示されております。この新型コロナウイルス感染症の分類を2類相当から5類へ転換するということについて、知事の意見を併せて伺います。
 
【知事】
  まず、前半の御質問に対してであります。
  先週開催された全国知事会議において、BA.5等の特徴を早期に明らかにし、現場でとるべき対策について、新たな方針を示すとともに、各自治体が柔軟に対策を講じることができるよう、財政措置を含め、強力な支援を行う仕組みの構築を政府に求める緊急建議等を採択しました。
  緊急建議等を受け、国からは、社会経済活動を維持しながら、感染拡大に対応する都道府県への支援について、考え方が示されました。
  その中で、各都道府県が「BA.5対策強化宣言」、これを行うことで、住民や事業者への協力要請ができることや、国からの支援を受けられるとされているものの、具体的な対策や財政的な支援については、明記されておりません。
  BA.5系統による感染が拡大する中にあっては、これまでのデルタ株等を前提とした対策ではなく、医療や保健所の体制強化など、BA.5に即した実効性のある対策や、財政措置などを講じていく必要があります。このため、引き続き全国知事会を通じて、現場の実情に沿った対策を国に求めてまいります。
  次に、福島県の当面の対応であります。各県独自の取組を国がBA.5対策強化地域と位置づけて、その取組を支援することとされましたが、今ほどお話したとおり、そのスキームによる対策の実施については、福島県における病床使用率等の状況を踏まえて判断をしてまいります。
  続きまして、2類、5類の考え方等についてであります。
  先週開催された全国知事会議で採択されました「新たな変異株の感染拡大防止に向けた緊急提言」においても、各都道府県知事の意見も踏まえながら、感染者の全数把握の要否など、感染症法上の取扱いについて検討するとともに、そのロードマップを早急に示すよう求めることとしているところであります。
  国においては、現在主流となっているBA.5系統の特性や、保健、医療提供体制、公費負担の在り方など、様々な要因を考慮しながら検討を進めていただきたいと考えております。
  また、福島県自身でありますが、本県は現在、感染が急拡大している状況でありますので、こういった状況の中で、感染症法上の位置づけに関する議論についても、政府において、全国知事会議の提言を受けて、行っていきたいと考えております。
  先ほど緊急建議の話をしましたが、緊急提言については、今後、知事会のコロナ対策本部として、関係の大臣と直接お話できる機会があると思いますので、その際にも、先ほど申し上げたような知事会としての思いを、直接訴えていきたいと考えております。

【記者】
  新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
  先ほど、知事から県内の状況が急拡大しているというお話と、「BA.5対策強化宣言」についてですが、病床などの状況を見て判断するという話がありました。そこで、県内の感染状況についてどう見ているか伺います。
 
【知事】
  (モニターを指し)こちらの(資料の)まずカレンダーを見ていただきますと、7月1日から、7月31日まで記載されていますが、この黄色い日は、前の週を100%以上(新規陽性者数が)上回った日を、このピンク色の日は、200%以上(新規陽性者数が)2倍以上になった日であることを指しております。つまり、7月1日から30日まで、正に1か月間、前の週の同じ曜日を上回るという、厳しい状況が続いています。
  中でも際立っているのが、この赤い四角で囲った日でありますが、これは、それまでの数値を更新して(新規陽性者数が)過去最多になった日であり、7月19日、7月20日、7月26日、7月28日、7月29日、1か月の間で5回も過去最多を更新しています。(最多である)1,670人、本当に重い数字であると受け止めており、正に本県は感染が急激に増加しているという状況にあります。
  昨日の感染者数は760名、これについては1か月ぶりに前の週の同じ曜日を下回ったという見方もできますが、これは日曜日(の新規陽性者数)であります。また、760名という数字、こういった数字を見ますと、ある意味(感覚が)麻痺してしまっているのですが、第6波の最高値は731名です。したがって、前の週の同じ曜日を下回ったといっても、第6波の最高値である731名を優に上回っている、依然極めて厳しい状況が続いていると考えています。
  その中で、各種指標は相変わらず極めて厳しい状況にあります。「病床使用率」は何とか50%前後にはあるものの、やはり今後の平日、ここが勝負どころだと思っております。(一日の新規陽性者数が)1,500人、1,600人、あるいはそれをさらに上回って過去最多ということになりますと、より厳しくなっていくという思いを持っております。
  やはりこの急激な増加の大きな要因は、BA.4、BA.5、特にBA.5でありますが、今その占有率が71%です。これは直近の数値でありますが、先週も申し上げたとおり、この数値は2週間から3週間前の状況を示しておりますので、正に(新規陽性者数が)ぐっとせり上がってきた時の状況が71%であり、恐らく現在は、もうほぼ置き換わりつつあるのではないかと推測されます。
  加えて問題なのは、このピークがいつなのか、まだ率直に言って天井が見えない状況にあります。したがって、今、福島県においては、県感染拡大警報、これを発出させていただいて、八つの重要な事項を県民の皆さん、事業者の皆さんに訴えておりますが、今日は特に三点について、改めてお話ししたいと思います。
  一点目が、基本的な感染対策の徹底です。これが今の福島県、あるいは日本全体でも極めて重要です。特に夏休みが本格化してきていまして、普段会わない方と会う場面が増えます。したがって、場面に応じてマスクを正しく着用していただいて、感染リスクの高い3密のような場面を避けていただくことが大事です。普段は会わない人と会う際は、より一層留意をしていただくこと、御家庭内においても、より注意が必要です。そして、体調が悪いときには、会食・イベントなどには参加しない。そもそもそれ以前に外出しない。こういった基本的な感染対策を徹底していただくことをお願いします。
  二点目は、事前の備えであります。今、皆さんの周りでも、感染してしまった、あるいは感染された方の濃厚接触になったという方が当たり前に出てきていると思います。
  こういう状況の中で「自分は大丈夫だ」「自分の家庭は大丈夫だ」と思うことなく、万が一感染した場合、あるいは濃厚接触になる場合もありますので、家の中の生活動線をどう分けたらいいのか、あるいは数日間分の生活必需品、食料、薬、あるいは衛生用品等を備えて、外出できなくなっても大丈夫なように備えていただくことが大切だと思います。
  そして三点目は、医療を守るということであります。今、テレビ報道等を拝見しておりましても、福島県以上に厳しい大都市圏等がございます。そこにおいては、正に救急医療、あるいは一般病院が非常に苦労されているという状況が出ておりますので、福島県においても、今はまだぎりぎり何とかやっておりますが、またこれも感染者が増え続ければ、やはり同じ状況になることもあり得るので、自分自身を守ることに加え、地域の医療を守るためにも、県民の皆さん、事業者の皆さんにこの状況を御理解いただいて、自分自身の基本的な感染対策の徹底について、これを皆さん(報道等)のお力も借りて訴えていきたいと考えています。

【記者】
  新型コロナウイルス感染症についてですが、「BA.5対策強化宣言」については、今後、県内状況を見てということですが、現段階の数値・指標などでは、宣言を出すという判断には至らないということであるか伺います。

【知事】
  まず、県内のこの指標を見ていただきますと、「病床使用率」がレベル2、そして「重症者用病床」が1床で占有率が2.2%、レベル1という状況であります。したがって、今は感染拡大警報に基づいて、8つの事項について、県民、事業者の皆さんに御協力をしっかりいただいていくタイミングであると考えております。

【記者】
  県独自に、例えば、時短要請であったりとか、そういった飲食店や旅行関係について何か対策をお願いするようなことは、現在、考えているか伺います。

【知事】
  今、この指標についてお話しましたが、特に現在、BA.5との戦いという意味で大切なことは、
「病床の使用率」、特に命に関わる「重症者用病床」です。この状況が円滑かつスムーズに受入れられるか状況かどうか、ここがポイントであり、先般、全国知事会議を行いましたが、私自身、各都道府県の知事と意見交換をし、そこが極めて重要だという同じ思いを共有しているところであります。
  したがって、現在、福島県においては、感染拡大警報に基づいて、県民の皆さん、事業者の皆さんへ対応をお願いするとともに、即応病床をもう1段上げることが可能ですので、病床を更にしっかり増やすこと。また、療養できるホテル、こちらも1,500室以上用意しておりまして、こちらも一定程度余裕を持っておりますので、これを活用すること。また、自宅療養が増えておりますが、皆さんの体調が変化した場合には、スムーズに受けられるような対応を図る。こういったことを総合的に講じながら、県民の皆さんの健康を守っていきたい、それが今の思いであります。

 

2 ALPS処理水希釈放出設備等の新設に関する事前了解について

【記者】
  処理水の関係で伺います。先週、技術検討会で、処理水の安全性の観点から、適切に計画されている、周辺地域に安全が確保されているとする報告書がまとめられました。事前了解について、今の検討状況、そして判断の時期、このあたりを知事としてどのように考えているか伺います。
 
【知事】
  先週、廃炉安全監視協議会を開催し、原子力規制委員会の認可内容等について確認を行うとともに、これまでの議論を踏まえ、技術検討会において、確認結果報告書の取りまとめを行ったところであります。
  今後、原子力関係部局長会議を開催し、技術検討会の報告書の内容を踏まえ、検討を進めてまいります。

【記者】
  先ほどの処理水の話で、先週、東電の小野廃炉・汚染水対策最高責任者が「関係者の理解なしに処理水を処分しない」ということに関して、その理解度をどういうふうに判断するのかということについて報道機関から問合せのあった件で、「第三者的な立場の方に評価してもらうのも一つ必要性があるのでないか」という発言がありました。
  その「関係者の理解」というのは大変見方が難しいと思いますが、知事として、どういう形で判断するのがといいと受け止められたか伺います。
 
【知事】
  東京電力の幹部の御発言、様々な思いがあり、そういった発言をされたものと受け止めています。
  県としての基本的な考え方でありますが、国においては、昨年4月に、国自身が決定した「基本方針」において、国民、国際社会の理解醸成に向けた取組に万全を期す必要があるとしています。また、昨年末、国が策定した「行動計画」においては、幅広い事業者等に対する説明の徹底や、多様な媒体を活用した正確で分かりやすい情報発信の展開など、具体的な取組についても示されたところであります。
  県としては、引き続き国に対し、国自身が定めた行動計画に基づき、責任を持って取り組むよう求めてまいります。

 

3 福島国際研究教育機構について

【記者】
  福島国際研究教育機構について伺います。政府がこの夏をめどに基本計画を策定するという方針を示していまして、計画には知事の意見も反映するということになっております。現時点での国とのやりとりの状況、また、これまでどんな意見を伝えてきたかについて改めて伺います。
 
【知事】
  まず、先週もこの件についてお答えしたかと思いますが、まず、機構の本施設、その整備までの仮事務所の立地について、国において条件整理が進められ、その前提で、国から県に対して、8月末を期限とした照会がありました。
  国からは、この施設の候補地について、避難指示が出ていた地域への立地を基本として、市町村の提案等を踏まえること。また、仮事務所については、来年4月の機構設立時点で入居可能な物件を提案するよう依頼されています。この照会を踏まえて、県としては、避難地域12市町村に提案を依頼し、本施設について九つの市と町、そして仮事務所については、八つの市と町から提案の意向が表明されました。その後、意向表明のあった全市町から調査票の提出を受けております。県として、現在、現地調査やヒアリングを行って、選定作業を進めているところです。
  今月、8月中に候補地を選定して、国に提案し、9月に予定されている国の最終決定につなげていくということで、現在、自治体との対応を鋭意進めており、その状況については、国にも適宜報告しているところでございますので、今、正に精力的に協議を重ねているところという状況でございます。
   
【記者】
  基本計画の中身について、どういった議論をされているか、言える範囲で伺います。
 
【知事】
  今回の福島国際研究教育機構について、我々自身、立地を考えていくに当たっては、様々な視点が大切だと考えています。少し具体的にお話しますと、市町村からは、国の方針に基づいて、法令による制約や土地の取得のしやすさなど、円滑な施設整備の観点のほか、生活環境や地元の受入れ体制、地域のまちづくり計画との関係など、周辺環境等の観点も踏まえて御提案を頂いています。
  機構は、福島の復興を実現するための夢、希望となるものでありますので、地元から非常に期待されております。機構が地元に親しまれ、また、立地地域等の復興、再生に貢献する拠点になるとともに、既存施設や教育機関、県内企業等との幅広いネットワークの構築、広域的なまちづくりの取組など、これらを通じて、浜通りはもとより、県内全域に効果を波及させることができ
  県としては、研究者の皆さんが安心して研究や教育活動に打ち込むことができ、福島イノベーション・コースト構想の効果を最大化できる候補地について、広域的な視点に立って検討したいと考えています。市町村の提案を十分踏まえながら慎重に検討を進めてまいります。
 

4 経済産業省 革新炉ワーキンググループについて

【記者】
  先日、経産省のワーキンググループの中で、新型炉などの新・増設の技術ロードマップを組むというような話が出ていまして、3.11以降原子炉の新・増設の話は始めてだと思うのですが、これについて知事の考えを伺います。

【知事】
  新型炉について、よく状況を把握しておりませんが、原子力政策の在り方については、福島県は2011年3月の福島第一原発の苛酷な事故を体験しております。また、11年以上が経っても、その原発事故があったが故に、多くの方々が避難生活を続ける、あるいは福島県内の2%以上の面積のエリアが、依然として、自宅に、古里に帰ることができないという地域、避難指示区域になっている、こういった厳しい状況がございます。
  したがって、私どもとして、政府に対してかねがね申し上げているのは、2011年3月のこの原発事故、この体験というものをしっかりと踏まえること。加えて、やはり原発については、その地域住民の安全安心の確保が何よりも大切だということについて、これまでも、訴えてまいりましたし、今後も訴え続けてまいります。

 

(終了)

 

【問合せ先】

○質問事項

1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238

2 ALPS処理水希釈放出設備等の新設に関する事前了解について
→危機管理部原子力安全対策課  電話024-521-7252

3 福島国際研究教育機構について
→企画調整部福島イノベーション・コースト構想推進課 電話024-521-7928

4 経済産業省 革新炉ワーキンググループについて
→企画調整部エネルギー課 電話024-521-7116