■日時 令和4年5月30日(月曜日)10時00分~10時25分
■会場 応接室
【知事 冒頭発言】
【質問事項】
1 知事の職務復帰について
2 ALPS処理水希釈放出設備等に関する事前了解願いについて
【知事 冒頭発言】
5月18日に新型コロナウイルスの陽性となられた方との接触があったことが判明したため、19日より、念のため自宅でのリモート勤務を開始しました。
その後、私自身が陽性と判明した22日以降も、自宅でのリモート勤務を行ってまいりました。この間、症状もなかったことから、本日より登庁させていただきました。
県民の皆さんには、大変御心配をおかけいたしました。
今回の経験を踏まえ、改めて、誰もが感染するおそれがあることを痛感するとともに、更なる感染拡大につなげないためにも、一人一人が警戒を緩めることなく、基本対策にしっかりと取り組んでいただくことの重要性を実感いたしました。
引き続き、感染拡大を最小限に抑え込むとの決意の下で、新型感染症の拡大防止と社会活動、経済活動の維持・再生の両立を図るため、全力で取り組んでまいります。
【質問事項】
【記者】
公務復帰ということですが、先週は知事同盟のサミット(「日本創生のための将来世代応援知事同盟サミットinふくしま」)があったり、日本酒の9回連続日本一があったり、現場主義を掲げる知事にとっては苦しい一週間だったのかと思います。
改めて自宅療養されていた時の思いと、感染対策についての決意を伺います。
【知事】
私が接触された方から御連絡があり、それ以降リモート勤務を継続してきました。
陽性が判明した後のリモート勤務、いわゆる庁内での仕事という面では、通常と変わらず対応ができます。
しかし、今ほど御指摘を頂いたような対外的な用務、特に福島のお酒が全国新酒鑑評会で9回連続日本一を達成する、あるいは、全国から集まっていただいた知事サミットにおいてホスト役を務めるなど、重要な対外的公務がありましたが、結果として、私自身が参加することができませんでした。このことについて、非常に葛藤があったというのが率直な思いであります。
また今回、私自身が、初めて陽性者になるという経験の中で、実際に陽性になった方の心の苦しみや、あるいは自分自身がどなたかに感染させていないだろうかという不安、こういったものも非常に重く感じているところであります。
やはり感染を抑制していくこと、これが県全体で、あるいは国全体で極めて重要だということを痛感しておりますので、県民の皆さんに、こういった経験も踏まえ、丁寧に情報を発信し、できる限りの感染拡大防止に力を尽くしていきたいと考えています。
【記者】
もう1点関連してですが、ワクチンの接種に関して、知事公務の関係で、なかなか3回目接種というのができていない現状があったということですが、県民に対してワクチン接種を呼び掛けている立場から、改めて今後の接種について検討されるか伺います。
【知事】
3回目のワクチンにつきましては、この2月以降、これまで幾度か具体的な日時も設定しながら、接種する方向で進めてきました。
ただ、そのたびに、できれば金曜日に(ワクチン接種を)受けさせていただいて、土日(のスケジュール)を空けたいという思いでありました。やはり副反応ということを考えると、土日の公務に支障を及ぼしてはいけないという思いでスケジュールの設定を試みたのですが、結果として、ワクチン予定日に公務が入って受けられなくなるということが続きました。そして、ちょうど5月の下旬に、もうここは何とか(ワクチン接種を)受けようという思いで再度日程を設定していましたが、その直前に自分自身が陽性になってしまったという経緯がありました。
3回目のワクチン接種を受けることによって、様々なプラスの効果があるわけでありますので、県民の皆さんに対し、こういったワクチン接種についてのお話をさせていただくことが、これからも重要だと考えております。
【記者】
18日に、陽性の方との接触が判明して、御本人から連絡を受けたということですが、当初は「念のため」という対応でリモート勤務というふうに切り替えて、結果的には陽性判明ということだったかと思います。正に県民の皆さんも含め「念のため」の対応の重要性、接触があったときはどう対応すればいいのかですとか、その辺りで痛感したことや、改めて呼び掛けたいことあれば伺います。
【知事】
18日に(陽性の方と)接触があったことが判明した際、「私自身が、次の方にうつすようなことがないようにしなければいけない」ということを最優先に考えたところであります。
そのため、水曜日の夕刻だったと思いますが、(陽性であった旨の)連絡を頂いて、直ちに知事公舎に戻り、その後、自宅勤務に切り替えているところであります。
その上で、私自身は知事という立場であり、多くの方にお会いしてお話するのが大事な仕事ということにもなりますので、それがまた次の接触の機会になってはいけないということが、まず根本にありました。
また、その時点での自分自身の状態がどうかということをできるだけ早く明確にしたいという思いがありましたので、抗原検査、またその翌日の木曜日でありますが、PCR検査を受けさせていただき、その時点では陰性であったということであります。
率直に言って、こうした接触のあった方からの連絡を受けた場合、どこまでやるかというのは、その方それぞれの対応があろうかと思いますが、ポイントはやはり、自分自身に何らかの症状がある場合、その時は是非、外出や通勤、あるいは通学を控えていただく、これが大事だということを感じております。
ただ、やはり私の場合は知事という立場でもありますので、より安全面を考慮して、今回対応したというのが実情です。
【記者】
先ほどの知事の新型コロナウイルスの感染の状況について、今一度伺いたいのですが、16日に会食があった相手から、18日にコロナに感染したというお電話があって、自宅待機をしていたと思うのですが、その方が原因となって感染したかどうかというのは分かりませんけれども、それが一番考え得る可能性が高いとは思います。その16日の会食をした当時の状況、感染対策だとか、どのような状況であったか伺います。
また、今、県民も新型コロナウイルス感染症と経済活動を両立させていく上で、飲食店などを利用していく上で、やはり、知事が会食して、コロナに感染したとなると、少しストッパーといいますか、心情的にどうしようかなと考えるところもあると思います。
改めて、この会食する際の注意点などについて伺います。
【知事】
まず、二つを切り分けてお話したいと思います。
16日にお会いした方が陽性となり、18日に連絡を頂きました。そこで私自身のリモート勤務等の対応がスタートしたわけであります。
ただ、判明したその翌日のPCR検査では陰性ということでありますので、直ちにそれが要因だと特定することは、なかなか難しいということを御理解いただきたいと思います。
その上で、会食について、当然ながら一定の安全対策を講じております。
加えて、この件と切り離した上で県民の皆さんにお願いしたいのは、例えば認定店においてルールを守った上で会食をしていただくということは、感染のリスクを相当程度下げるということになりますので、そういった点を頭に入れていただいて、今はお店自身、特に認定店においては、着実に感染対策を行っていただいていると思います。また、県としてもフォローアップの調査をさせていただいているところでありますので、認定店をまず御利用いただくこと。加えて、お願いをしている様々なルールがあります。
今の飲食店応援事業も非常に評判がよく、(多くの方に)活用していただいていますが、この事業においても、幾つかのお願いをしており、利用する側のお客様が、そういった点について御協力いただくことによって、より一層、感染リスクを下げることはできると思っておりますので、こういった点を丁寧に、県民の皆さんに御説明をしていきたいと思います。
ただポイントは、今現在は「ウィズコロナ」であり、いつでも、どこでも、誰でも、感染するリスクはゼロにはならない。今のこのオミクロン株の状況では、ゼロリスクということはなかなか難しいわけですので、やはり基本的な対策をしっかり行うことと、福島県においては、全体的には低減傾向にあって本当にありがたいと思っておりますが、お子さんたちが発症する率が高いということがありますので、6月の中旬まで、子どもの感染拡大防止対策をしっかり講じていき、この感染を更に減らしていくということが重要だと思います。
ちなみに今日、この後公表します(新規陽性者数の)数値は93名であります。この93名という数値ですが、16日間連続で前の週の同じ曜日(の感染者数)を下回るということになるわけであり、(新規陽性者数が)3桁を切って2桁になるのは、1月18日以来、131日振りと聞いております。
この状況を継続していくことによって、皆さんがより安心して、また経済活動、社会活動を楽しんでいただくことができるということになろうかと思いますので、私自身のこの経験も踏まえ、適切に情報発信をしていきます。油断してもいけないし、かといって、過度に恐れ過ぎてもいけない。特にマスクの関係なども状況は変わってきています。
こういった点も、なかなか現場の判断が難しいところは正直あると思うのですが、徐々に状況は変わってきているということを丁寧にお伝えする努力を、私自身が継続していかなければいけないと考えています。
【記者】
もう一点、先ほどのワクチンの3回目の接種の関連で、まだ具体的な日付など決まっていないかもしれませんが、今後この受ける予定などがありましたら教えてください。
【知事】
まず私自身はモデルナを3回目で接種したいという思いを当初から持っております。
ただ今回、新規で陽性になったばかりでして、恐らく抗体もこれまでと違う状況にあると思いますので、専門家の御意見を伺いながら、どのタイミングがいいかということを今後考えていきたいと思います。
ただ、いずれにしても、「3回目の接種を受ける」、その思いに変わりはございません。
【記者】
基本的な話なのですが、陰性であることを最終的に確認されたのはいつでしょうか。
【知事】
私自身の場合は、政府の基準に基づいて、保健所の指導の下で療養解除となっております。解除に当たって、PCR検査は実施されるものではありません。
正確に言いますと、無症状の場合は、検体採取日から7日間が経過するまでを療養期間としており、8日目に当たる日から勤務が可能になるというルールがありますので、これに基づいて、本日、このように登庁しているということです。
【記者】
また、先ほど「ウィズコロナで」というお話もありましたが、会食自体は後悔されてないということでしょうか。
【知事】
会食そのものが(感染の)直接の原因であったかどうかということについては、(接触があったことが判明し)すぐに行ったPCR検査(で陰性になったこと)の状況もあって、なかなか特定が難しいと思います。
やはり大事なことは、今一定のルールがありまして、それに基づいて対応していくということだと思いますので、こういった点を、今後も私自身が自分の経験も踏まえて、お伝えしていきたいと考えています。
【記者】
先ほども質問がありましたが、知事は「多くの人に会って話を聞くのが大事な仕事」と発言されましたが、会食とは知事にとって、どういう位置付けになっているのか伺います。
【知事】
会食をして様々な意見交換を行うということも、一つの意義があると考えております。
ただ一方で、やはり会食というものは、(ウィズコロナの状況下では)一定のリスクがありますので、そういった点のバランスを見ながら、今後も、自分自身が考えていくということが肝要だと思います。
【記者】
それから、先ほど誰かにうつしてないか不安がある、(不安が)あったという話をされましたが、物理的な医療体制のほかに、いわゆるメンタル的なところで、知事でも不安になるのですから、多分普通の人はもっと不安であると思いますが、その辺について、自分の経験を踏まえて何かこういうふうな在り方がいいのではないかとか、今回感じられたことがあるかについて伺います。
【知事】
私自身、今回、5月19日にPCR検査を受けて陰性であったこと、これについては非常にほっとしました。私自身、月、火、水と通常の公務を行っておりまして、非常に多くの方とお会いをしておりますので、仮にその時点で陽性ということになると、非常に多くの方に御迷惑をお掛けする可能性があるという不安がありました。しかし、それが陰性だということが(検査の結果)明確でありましたので、そこのところは、ほっとしたというのが事実であります。
ただ、PCR検査については、本来濃厚接触者であっても、あるいは接触者の場合も、必ず受けるべきものではもちろんありませんので、私の場合は職務の立場上もあって、あえて受けたというところがありましたが、恐らく皆さん(が感染した場合)は自宅におられ、(自分は感染しているのか)どうだったのだろうということを御心配されていることが多いかと思います。
一つのやり方として、抗原検査というものもあろうかと思いますが、これも(検査結果が)確定的ということではもちろんありません。やはり大事なことは、今の世の中というもの、社会というものが「ウィズコロナ」であって、こういったリスクというものは常に自分の周りにあるのだということを、県民の皆さんに共有をしていただく、これに尽きるのではないかなと感じています。
【記者】
検査すると、割と心配もとれるのではないかというふうな、何か感想も持たれたように聞こえたのですけど、そういった受け止めで良いでしょうか。
【知事】
もちろんそうです。
しかし、(接触者となった場合に)まずPCR検査を受けるということは、一般的ではないと思います。私の立場であるが故に(PCR検査を受検した)というところもありますし、抗原検査は手軽に受けられますが、そもそも濃厚接触になられた場合は、抗原検査を受けに行くということが現実的ではないと思います。そのため、決してそれらをお勧めしているという意味ではありません。
自宅において療養していただいて、その上で、待機期間中、体調管理をしていただくこと、仮に同居されている方がいる場合には、その方にうつさないように、家庭内において、感染対策をしっかり講じていただくこと、こういった基本的なことに努めていただくことが重要だと思います。
【記者】
福島第一原発の処理水における放出設備関係の事前了解に関連して伺います。
先週、県の廃炉安全監視協議会があり、その後、市民団体からも県知事宛てに「事前了解しないでほしい」という(意見の)提出がありました。
その一連の流れの中で出てきた意見として、政府と東京電力が掲げている「関係者の理解なしには処分をしない」というところ、それがまだ理解が不十分なので事前了解は知事にしてほしくないというのが市民団体の方々のお話でした。これまで事前了解について、会見の中では「安全面についての検討を重ねた上で判断する」という話がありまして、関係者の理解というところは、想像すると、これまでの事前了解というところの趣旨には入ってなかったものなのかなと想像しますが、事前了解を判断する上で、この関係者の理解というものが知事の考慮する項目に入ってくるのかどうか、考えを伺います。
【知事】
今の御質問について、二つに分けて御説明したいと思います。
まず、県が行う安全確保協定上に伴う対応についてであります。
安全確保協定に基づく手続でありますが、東京電力が計画している設備等について、必要な安全対策が講じられているかどうかを確認するものであります。県としては、関係の市町村や専門家の意見を伺いながら、計画の安全面について確認を進めてまいります。
一方で、そういった様々な御意見、いろいろなお立場の方々から多くの方の御意見を私自身が伺っているところであります。したがって、このALPS処理水の取扱いについて、これまで国による関係者への説明や意見交換が行われているわけでありますが、今なお、海洋放出に反対する意見や、新たな風評の発生を懸念する声、陸上保管による復興への影響を危惧する意見など、様々な意見が示されています。
廃炉と汚染水・処理水対策は、長期間にわたる取組が必要であり、県民や国民の御理解が極めて重要であります。国においては、昨年末に策定した行動計画に基づいて、情報発信の充実強化や、迅速・柔軟な事業執行に全力で取り組むとともに、今後も様々な機会を通じて、関係者を始め、幅広い事業者や県民の皆さんに対する丁寧な説明を行うなど、責任を持って取り組んでいただきたいと考えております。
【記者】
そうすると、これから事前了解について判断をされると思いますが、県として事前了解を仮に出したとしても、国と東京電力が掲げている関係者の理解が得られたということを、知事としてお墨付きを与えるというか、知事として、関係者の理解を得られたということを言うわけではない、という理解でよろしいか改めて伺います。
【知事】
先ほど申し上げましたように、安全確保協定は計画の安全面について確認し、一定の方向性を示すというものでございます。
【記者】
確認ですが、あくまで、関係者の理解が得られたかどうかということは、国と東京電力双方が判断すべきものというお話かと理解したのですが、そういうことでしょうか。
【知事】
安全確保協定については、そういったものは含まれていないと考えております。
(終了)
【問合せ先】
○質問事項
2 ALPS処理水希釈放出設備等に関する事前了解願いについて
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252
※ (新型コロナウイルスの感染防止対策等に関すること)
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238