■日時 令和4年11月7日(月曜日)10時00分~10時20分
■会場 応接室
【質問事項】
1 福島県知事選挙を終えて
2 新型コロナウイルス感染症について
3 原子力政策について
4 いわきFCのJ3リーグ優勝及びJ2昇格について
動画を再生する
【質問事項】
【記者】
福島県知事選挙で三選を果たして初めての定例記者会見となります。
県政の課題が山積する中、復興の切れ目ない推進に向けて、財源の確保など様々な課題があります。改めて県政運営に臨む決意を伺います。
【知事】
17日間の選挙戦を終えて、10月30日に三期目、そしてまた知事として仕事をさせていただくという県民の重い御負託を頂きました。改めてその重責、また大切な使命に身と心が引き締まる思いであります。
特に、17日間、福島県の全市町村を回り、それぞれの地域で多くの県民の皆さんとお話をしてきました。
皆さんが期待をされているのは、福島県政が当面している課題、東日本大震災、原発事故、その後の各種の自然災害からの復旧・復興、あるいは急激な人口減少対策としての地方創生の推進、また、当面している新型コロナウイルス感染症への対応、物価高騰対策など、本当にそれぞれの地域において、それぞれの「しっかり県政を前に進めてほしい」という思いを、候補者としてしっかり受け止めてまいりました。
その県民の皆さんの願い、期待、そういった希望をしっかり叶えることができるように、私自身が今週末から三期目の福島県知事として全身全霊で取り組んでまいります。
また、次の4年間に想定されますのは、第二期復興・創生期間の次、仮に呼ぶとすれば第三期復興・創生期間でありますが、その期間における制度、財源、こういったものをしっかり確保していくことが極めて重要であります。
今月には、時期を捉えて政府予算対策をスタートしたいと考えておりますが、今後、様々な機会を捉えて、まずは令和5年度予算、福島県としての単年度予算の財源、これを確保していくこと、また制度を構築することも重要ですし、併せて、第二期復興・創生期間後の次の5年間、復興庁が存続している中での5年間における財源・制度をしっかり固めていく、その第一歩を、この近々の間につくり上げていかなければいけないと考えておりますので、こういった点についても力を注いでいきたいと考えています。
【記者】
新型コロナウイルス感染症について、ここ2週間余り、(新規感染者数の)増加傾向が顕著となっております。県内が第8波に入っているかどうかも含めて、認識を伺います。
【知事】
まず、新型感染症の状況でありますが、一言で言いますと、感染再拡大の状況にあります。この2週間、ちょうど10月24日から(昨日まで)14日間ありますが、その中でもこの1日(11月3日)を除いて13日間、全て前の週の同じ曜日を上回っています。
例えば、この日(11月4日)ですが、994人(10月28日)が1,788人ということで、180%の増、あるいは、土曜日(11月5日)も824人(10月29日)が1,500人で182%の増ということで、明確に感染再拡大という傾向が福島県内に見られております。またこれは全体として、全国でも同様の傾向があると捉えております。
こういう中で、やはり大事なことは、基本的な感染対策の徹底は当然でありますが、大事なことが三つあると思います。一つ目は「予防」、二つ目が「備え」、三つ目が「換気」です。
まず一つ目の「予防」であります。特にこの冬は新型感染症と併せて、季節性インフルエンザの同時流行が懸念されています。したがって、予防するために大事なことは、新型コロナワクチンの早期接種を年末までに、特にこのオミクロン株に対応したワクチンを年内に打っていただくということを、県民の皆さんにしっかり呼び掛けていきたいと思います。
またあわせて、季節性インフルエンザでありますが、65歳以上の方など、定期接種の対象の方がおられますが、そういった方には、このインフルエンザワクチンの早めの接種をお願いしたいと考えています。なお、インフルエンザのワクチンと新型コロナのワクチンは、同時接種も可能でありますので、こういった点についても、正確な広報が必要だと考えています。
二つ目は「備え」です。備えというのは、日頃から備蓄などの準備を進めていただくことです。例えば、体温計、薬、抗原検査キット、日持ちする食料、衛生用品、日用品、仮に御自身が感染症になった場合に、数日間、御自宅できちんと療養して、また、元気に回復することができる備えを日頃から行っていただくことが大事だと考えています。
そして、三つ目に大切なのが「換気」であります。朝は正に冷え込む日が続いています。
こういう状況の中で、どうしても北海道・東北エリア、今感染が急拡大しているのですが、恐らく換気がなかなかしづらいという点が一つの要素になっていると思います。
そこで十分な換気量を確保する、あるいは機械換気装置の点検、フィルター清掃を行っていただく、また、空気の流れに配慮した換気を行う。こういった換気の基本というものを徹底していただくことが重要だと考えております。
また改めてですが、今の状況で一番問題なのは、「病床使用率」であります。直近の値は44.9%。レベル3が50%以上ですので、これまでレベル2の1週間前は27.4%でしたので、そこから非常に大きく上がってしまって、かなりレベル3の水準に近づいています。病床がひっ迫するということが、この新型感染症対策として、一番大きな問題になってきます。
先ほど言った感染者数が大きく増えている。その結果、やはり病床使用率が相当レベル3に近づいている。こういった危機感というものを、皆さんのお力をお借りしながら、県民の皆さんと共有した上で、先ほど申し上げたような予防、備え、換気で、とにかく基本的な感染対策を徹底していただく、こういった点を、福島県としてしっかり訴えていきたいと考えています。
【記者】
改めて、第8波という言葉の部分ですけれども、そこら辺に関してはいかがでしょうか。
【知事】
今、「感染再拡大」ということで表現をさせていただいております。
【記者】
今質問があったコロナ第8波とインフルエンザの同時流行に関して、県民の皆さんに予防等を呼び掛けるというのは、そのとおりだと思います。一方で、県内の医療体制の再整備や、再検討といった取組の考えがあるか伺います。
【知事】
感染者や濃厚接触者となって出勤できないスタッフの数、あるいは救急搬送困難件数が8月と比較して改善したことから、10月に即応病床数を引き下げ、現在672床を確保しています。
現在の新規陽性者数は、10月末から1日当たり1,500人前後で推移しています。また、11月4日には1,788人となるなど、感染が再拡大している状況にあります。さらに直近の病床使用率は、今申し上げたとおり、44.9%となるなど、正に予断を許さない状況にあります。
このため、今後も、感染状況や病床使用率を注視して、病床がひっ迫した場合には速やかに即応病床数の引上げを行うなど、必要な病床を確保してまいります。
また、感染の再拡大に伴い、診療検査医療機関の受診が増加することにより、外来診療体制のひっ迫が懸念されます。このため、重症化リスクが低く、軽症の方については、引き続き検査キットの無料配布を御活用いただくとともに、陽性になった場合には、福島県陽性者登録センターで登録をしていただくなど、医療機関の負担軽減に御協力をお願いしたいと考えています。
また、医療機関を受診される場合には、緊急を要する場合を除いて、通常の診療時間内に受診していただくよう、この点についても御協力をお願いしたいと考えています。
【記者】
原発事故後、規制の柱の一つとして導入された「40年ルール」についてですが、原子力規制委員会が岸田政権と呼応する形で、原発の運転期間の上限を外すという議論に入りました。これについての受け止めを伺います。
【知事】
原子力政策については、今お話があった、より長い期間での運転といった問題も含めてでありますが、福島第一原発事故の反省と強い教訓、そして、住民の皆さんの安全と安心の確保、これを最優先にして対応していくことが極めて重要だということをこれまでも訴えております。
また、特に、東京電力福島第一原発の事故、こういったものを二度と起こしてはいけないのだということを、私自身、政府あるいは国内外に訴えているところであります。原子力政策の検討に当たっては、こういった点を十分に勘案した上で対応すべきであると考えております。
【記者】
岸田政権の方針を勘案すると、脱原発からの政策というのが大きな転換期を迎えていると思いますが、これは「事故の風化」も一つの要因だとお考えでしょうか。
【知事】
まず、私ども自身は先ほど申し上げたとおり、原子力政策については、原発の再稼働問題、あるいは今言われた長期運転の問題等、全て含めてでありますが、福島第一原発の事故、この苛酷な事故の反省と教訓抜きにはあり得ないと考えております。
また、住民の皆さんの安全最優先ということが当然ながら重要だということを、政府あるいは東京電力等に訴えています。
さらに、福島県自身は、再生可能エネルギー100%を目指すということで、この11年間、再エネの飛躍的な進展に努力をしております。その結果、一次エネルギーベースで言いますと47%、さらに、電力ベース、電気ベースで言いますと87%ということで、全国平均に比べて非常に高いレベルで再エネを実際に確保している状況にあります。
したがって福島県として、先ほど言ったような原子力政策についての基本的な考え方をきちっと訴えつつ、一方で、再エネ100%というものをしっかり行っていかないと難しい部分もあろうかと思いますので、この点について、原子力に依存しない社会をつくるため、再エネ100%に向かって、我々自身が一つ一つ結果を出していく、その強い決意で臨んでいきたいと考えております。
【記者】
Jリーグについてお尋ねします。いわきFCがJ2昇格、そして、J3リーグの優勝を決定しました。まずは、知事の受け止めを伺います。
【知事】
昨日、いわきFCが、J3での初優勝、そしてJ2への初昇格を果たされました。おめでとうございます。
今回、順番は逆でした。まず昇格が先に決まって、その後、1時間経って、松本山雅FCが敗戦されたことによって、初優勝が決まるという状況でありました。
(いわきFCの勝利が決定した)その1時間後、ピッチにおられた観客の1人から、初優勝も決まった段階で(私に)電話をかけて頂きました。「今、(この歓声が)聞こえるか」と。ピッチに集まった多くの観客の皆さんが、いわきFCの試合が終わった後もその場に残り、みんなで初優勝を喜びあっていると、その興奮をピッチ上から伝えてくれました。
今回、いわきFCがJ2へ昇格することは、福島県として初となるJ2チームの誕生であります。県民の皆さんと一緒に喜びを分かち合いたいと思います。特に、大倉代表、村主監督、山下キャプテンを始め、選手の皆さん、スタッフの皆さん、そしてサポーターの皆さん、ホームタウンであるいわき市、そして関係する皆さん全ての喜びでもあろうかと思います。皆さんに心から敬意と感謝の意をお伝えしたいと思います。
今回、いわきFCは圧倒的な強さで初優勝を果たしました。現時点で、32試合で22勝6分け4敗、特に得失点差が48点ということで、2位の藤枝MYFCが27点ですので、1位と2位の間で得失点差が21点あるというのは、通常ではなかなかないレベルだと思います。
J3では正に圧倒的な強さを誇るいわきFCであります。その特性というものは、強靱なフィジカルとメンタルだと思います。1試合90分プラス延長時間もあるわけですが、最後の最後まで、何度倒れても立ち上がって攻撃をし続ける、ピッチ上を走り続ける。その強靱さが、J3での初優勝と、たった1年での見事なJ2昇格につながったと確信をしています。
そして、この姿というものが、2011年の東日本大震災と原発事故以降、福島県民の皆さんが復興、創生に向けて努力をする(姿と重なると思います)。挑戦を続けても、毎回うまくいくわけではありません。うまくいかないこともあるし、あるいは新たな地震災害や大雨災害にも見舞われていますが、何度倒れても、もう1回立ち上がって走り続け、挑戦を続けています。福島県が復興と創生に向かって挑戦を続けるこのような姿と、試合の最後まで攻め続けるいわきFCの姿は、正に同一だと考えています。こういった戦いぶりを見事に続けたことによって、福島県民の皆さんに多くの勇気と感動を与えていただいたことに改めて敬意を表したいと思います。
また一方で、J2は更に厳しい戦いになろうかと思います。初昇格のいわきFC、今後も練習を重ね、フィジカル、メンタルを更に強靱なものにしながら、J2の晴れの舞台で大活躍されることを期待しています。
【記者】
一方で、目指すべき更なる上のステージもありますけれども、そういった中で様々な課題というのが、ハード面等でもあるかと思います。その点に関して、県としての関わり方や、知事としてお考えがあれば伺います。
【知事】
まず、スタジアムの整備の問題、これが今、一つの大事な議論になっております。いわきFC、そしてホームタウンであるいわき市、この両者にとって重要な問題であります。
先日、いわき市長が会見でお話されていますが、今後、両者が協力して、一体となって取り組んでいくというお話をされています。県としては、その状況を見守ってまいります。
また、こういったプロスポーツチームの活躍というのは、地域への愛着を高めて、また地域の活力創出につながるものであります。福島県として、これまでも各チームと連携しながら、地域活性化に向けた様々な取組を毎年行っております。
J2は、J3よりも平均入場者数が多いため、いわきFCが昇格されることで、サッカーを核とした地域振興がこれまで以上に期待されます。このため、より一層、いわきFCと連携を深めながら、更なる地域活性化に向けた効果的な事業を検討していきたいと考えています。
(終了)
【問合せ先】
○質問事項
2 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238
3 原子力政策について
→企画調整部エネルギー課 電話024-521-7116
4 いわきFCのJ3リーグ優勝及びJ2昇格について
→企画調整部地域政策課 電話024-521-7870