知事定例記者会見
■日時 令和4年11月28日(月曜日)10時00分~10時20分
■会場 応接室
【質問事項】
1 国への緊急要望について
2 日ASEANスマートシティ・ネットワークハイレベル会合について
3 新型コロナウイルス感染症について
4 原子力政策について
5 全国旅行支援について
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【質問事項】
【記者】
本県の復興推進で、第2期復興・創生期間以降の財源や制度設計の在り方というのは、大きな課題となっています。
30日に知事が上京されて省庁の方に要望活動されますが、今回の重点や訴えたいこと、また狙いについて伺います。
【知事】
30日に政府に対する緊急要望を行います。令和5年度の政府予算の確保に向け、特に重要な項目について緊急要望を行うものです。
東日本大震災から11年8か月が経過し、本県の復興は着実に前進しています。一方で、地域によって復興の進捗度合いが大きく異なり、時間の経過に伴って課題も複雑化、多様化しているほか、新たに顕在化する課題にも直面するなど、本県の復興はいまだ途上にあります。さらに、度重なる自然災害や新型感染症、原油価格・物価高騰への対応など、様々な困難に見舞われる中にあっても、本県の復興と地方創生を切れ目なく着実に前に進めていかなければなりません。
そのため、復興庁を始めとした関係省庁の幹部に、本県の実情等を丁寧に説明し、第2期復興・創生期間の折り返しを迎える令和5年度においても、引き続き、国が前面に立ち、しっかりと取り組んでいただくよう強く求めてまいります。
今回の要望は、令和5年度の予算、財源確保が中心でありますが、一方で、御指摘を頂きました、第2期復興・創生期間以降の制度や財源の在り方も重要だと考えております。そういったことについても、この要請の中に盛り込んでまいりたいと考えています。
【記者】
週末の12月4日、会津若松でASEANのスマートシティ・ハイレベル会合があります。知事も出席される御予定ですが、本県でそういったスマートシティの世界的な会議が開かれるという意味合いをどう捉えているか、また、福島県から発信すること、知事から発信したいことというのはどういったことを考えているか、伺います。
【知事】
今回、国際的な会議が、本県において開催されるということは、非常に重要な意義があると考えております。
まず、震災、原発事故から11年8か月経過した福島県の状況を、直接皆さんに、実際に福島に「来て」「見て」「感じて」いただくこと、これが重要であります。特に、会津というのは非常に美しい自然環境もありますので、福島に来て、今の福島の魅力というものを実感していただく、あるいは、おいしい「食」を堪能していただくということが重要だと考えております。
また、あわせて、私自身も参加させていただきますが、本県の復興状況等について、そういった(会議に参加される各国の)方々に直接説明させていただいて、理解を深めていただくことも重要であります。直接お会いしてお話をする、あるいは意見交換を行うということにも意義があると考えております。
今後とも、こういった国際的会議等を、状況に応じて福島県で開催していただくこと、こういうことについても、県として取り組んでいきたいと考えております。
【記者】
今回の中身がスマートシティということでICT活用が主軸になるものですけれども、その推進に関してはいかがでしょうか。
【知事】
福島県の場合、特に会津若松市において、県立会津大学やAiCT等を中心としながら、ICTに熱心に取り組んでいただいております。それが、今回の会合の開催地として会津若松市が選ばれた重要な理由になっているかと思います。
今、正にDX、ICTというものは、日本のみならず世界において極めて重要な内容を含んでおりますし、我々の生活や経済、社会全体に関わってくるものでもありますので、是非、本県のICTの推進、あるいはDX化というものを、行政あるいは民間企業、団体、大学など、県全体で進めていくことが重要だと考えています。
【記者】
コロナの関係ですが、政府の方で新たに用意したスキーム、宣言の関係ですけれども、結局のところ、今の方針では、強制力も財政措置も政府からは無いということになっておりますが、これについて実効性であったりとか、あるいは知事御自身の使い勝手について、どのようにお考えでしょうか。
【知事】
先週、国の説明会が開催されまして、医療ひっ迫防止対策強化宣言等の発出に当たっては、保健医療への負荷の状況、社会経済活動の状況、感染状況等を総合的に勘案して判断するという基本的な考え方が示されました。
一方で、今ほど御指摘を頂いたとおり、従前の緊急事態宣言、あるいは、まん延防止等重点措置とはかなり性格の異なるスキームになっているかと思います。これは政府の分科会等においても示されておりますが、現在のオミクロン株の症状等、あるいは、重症化率や亡くなる方の状況等を総合的に勘案して、今回のスキームというものを打ち出されていると受け止めております。
全国知事会においても、政府に対して、様々な御意見(を申し上げたり)、緊急提言でも行っておりますが、こういった今回のスキームをベースにしつつも、各県の状況がそれぞれ異なりますので、できる限り知事の判断、裁量というものを可能にし、より使い勝手がよいようにしていただくことを常にお願いしております。
特に今回、病床確保料の関係でありますが、当初示された案でいきますと、今、本県においては、第8波の規模が第7波の規模に近づくような勢いにあり、病床をしっかり確保しなければいけない状況なのですが、恐らく、もともとの案のままでいけば、医療機関が「協力できない」ということになり、率直に言って、確保病床をキープできないという状況にあったと思います。
だからこそ、議論の過程において、強く知事会から幾度も訴え、結果として、「知事の裁量で、病床確保料の調整対象となる病院、医療機関の数を調整できる」ということになりました。それぞれの状況というものを政府に率直に訴えながら、今回のこのシステム、あるいはやり方というものが、より第8波に適時適切に対応できるよう、全国知事会として取り組んでいきたいと思います。
【記者】
そうすると、今回の案については、知事としては一定評価するというような理解でよろしいですか。
【知事】
まず、第8波の今の状況というものを冷静に分析した上で、このスキームが示されていると考えております。したがって、全国知事会としても、平井会長と私の連名等でも様々な文書を出させていただいておりますが、その中で一定の評価をしております。
ただ一方で、実際の制度の運用面、先週の説明会においても細部は必ずしも固まっていない部分がありました。あるいは我々が緊急提言でお願いしていますが、それに対する答えがまだ出ていないという部分もありますので、今後、実際にまた感染状況が更にせり上がってくる場合、病床の使用率がよりひっ迫してくる場合において、追加的に政府に対し要請をして、この制度について、より使い勝手をよくしていただくということはあり得ると考えています。
【記者】
病床確保の面で、病院に対しては少し前進したというのは理解しましたが、結局、(企業に)休業してもらったり、人流を抑えるとかというところがなければ、(感染拡大を防ぐという)実効性が伴わないと思いますが、その点についてはどのようにお考えですか。
【知事】
現在、18日に開催された政府対策本部会議において、オミクロン株と同程度の変異株による感染拡大であれば、新たな行動制限は行わず、社会経済活動を維持しながら感染拡大防止措置を講じること、これが基本方針とされています。
まずは、福島県として、この政府の大きな方針というものを置きながら、大事なことは、日々の新規陽性者数を減らしていくことに尽きると考えております。
県民の皆さんに対して、基本的な感染防止対策の徹底、特に自分自身に症状がある、あるいは濃厚接触の恐れがある場合には外出しないということの徹底や、ワクチンをできるだけ年内に接種していただく、こういった基本的な対策を幾度も幾度も訴えて、御協力を頂きながら、日々の新規陽性者数を減らしていく、このことに力を注いでいきたいと考えています。
【記者】
感染拡大を防ぎたいということは、皆さん共通の認識だと思います。そのような中、政府においては(感染症法上の分類を)2類相当から5類に格下げするというような検討もあります。これについては、ブレーキとアクセルを同時に踏んでいるような感覚にもなるかと思いますが、この政府の進め方についてはどのようにお考えでしょうか。
【知事】
政府において、新型コロナウイルス感染症の、感染症法上の分類見直しに向けた動きがあることは、報道で拝見しております。
福島県は現在、第8波の真っ只中にあります。そのため、まずは県内の感染拡大を抑えることが第一だと考えています。
県としては、県民の皆さんや医療機関に混乱が生じないよう、引き続き国の検討状況を注視し、また、先ほど言ったように、まずは、新規陽性者数を抑えていけるように、(県民の皆さんに)お願いをしていくということが、今、必要な対応だと考えております。
また一方で、全国知事会の緊急提言でも申し上げておりますが、今後の出口戦略の中には、感染症法上の分類の見直しも含んでおりますが、こういったものについて、ロードマップを示しながら対応してほしいということを訴えております。
恐らく、福島のみならず、全国において、感染の急拡大を抑えることが重要だと思いますので、この(拡大を防ぐための)メッセージをしっかりと打ち出していただくことに加え、今後の出口戦略のロードマップについても段階的に、専門家の間でしっかり検討していただくこと、この両方のバランスを上手にとりながらやっていただくことが何よりも重要だと考えています。
【記者】
原発の運転期間についてお尋ねします。原則40年で最長60年となっていますけれども、経済産業省が、今日の有識者会合で、福島第一原発の長期停止期間については運転期間に入れずに60年を超えて運転を可能にするというような案を提示するようです。この件について、原発自体を反対しているような方もいますので、被災地の痛みが分かる知事としてはどのように受け止めているのか教えてください。
【知事】
そういった報道は拝見しております。原子力政策については、運転期間の在り方も含めて、福島第一原発事故の現状と教訓を踏まえ、何よりも住民の皆さんの安全安心の確保を最優先に、国が責任を持って対応すべきであると考えています。
福島県は、2011年3月の原発事故以降、「原子力に依存しない社会づくり」を復興の基本理念に掲げ、様々な具体的な取組を進めています。
県としては、2040年までに県内エネルギー需要の100%以上を再生可能エネルギーから生み出すという目標し、また先ほど言ったように、まずは、今、新規感染者数がふえないに向けて、今後もこうした取組を継続していきたいと考えています。
【記者】
全国旅行支援については、政府が年明け以降も継続するという方針を発表しましたが、県としても同様に継続の方向という認識でいいのか、また旅行支援の効果や、先ほど感染拡大防止の話もありましたが、課題なども含めてお願いします。
【知事】
全国旅行支援について、政府から、来年以降の実施に関する検討方針が出されております。
まず、全国旅行支援については、全国知事会からも、是非、継続してほしいという訴えをした中での対応でありますので、評価をしているところであります。
福島県としては、この国の方針に沿って対応することが基本になろうかと考えておりますが、細部については、現在詰めているところであります。
その上で大事なことは、今、残念ながら第8波の真っ只中にあります。そこで、これまでも頑張っていただいていますが、旅館ホテル、観光事業者の皆さんにしっかりと感染防止対策を継続していただくこと、また、利用していただく県民や国民の皆さんにも、感染防止対策に注意していただきながら、笑顔で観光や滞在を楽しんでいただけるように、関係する皆さんが力を合わせて、感染対策を継続していくことが重要だと考えております。
特にこの全国旅行支援が本格化してから、私自身も見ておりますが、福島県内の旅館、ホテルにおいて、夜になると、全室に近いレベルで光が煌々とついているという姿を拝見しております。
また、例えば、道の駅や鶴ヶ城のような(観光地の)駐車場も、多くの県外ナンバー、県内ナンバーが集まって活性化しているということは、地域経済、地域社会をコロナ禍の苦境から、維持再生していくという意味では大きな効果があろうかと思います。
ただ大切なことは、感染対策と地域経済の維持の両立だと思っておりますので、今後、継続していくに当たっては、その点を特にお願いしたいと思います。特に1月、2月は、インフルエンザやコロナが感染しやすい時期ですので、これまで以上に感染対策に注意していただくよう、関係の皆さんと一緒にしっかり伝えていくことも進めていきたいと思います。
【記者】
具体的に詰めているということですが、スタート時期などについても、国の方針と合わせて始めるということですか。
【知事】
基本的には、(政府の方針に)則ってということになろうかと思います。
(終了)
【問合せ先】
○質問事項
1 国への緊急要望について
→企画調整部企画調整課 電話024-521-8014
2 日ASEANスマートシティ・ネットワークハイレベル会合について
→企画調整部デジタル変革課 電話024-521-7238
3 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238
4 原子力政策について
→企画調整部エネルギー課 電話024-521-7116
5 全国旅行支援について
→観光交流局観光交流課 電話024-521-7287