知事定例記者会見
■日時 令和5年4月17日(月曜日)10時00分~10時17分
■会場 応接室
【発表事項】
1 新たな福島県総合情報誌「ひとつ、ひとつ、実現する ふくしままっぷ」について
【質問事項】
1 新たな福島県総合情報誌「ひとつ、ひとつ、実現する ふくしままっぷ」について
2 飯舘村の避難指示解除について
3 東京電力福島第一原子力発電所の状況について
4 岸田首相を狙った爆破事件について
5 G7首脳会議等における情報発信について
【発表事項】
福島県総合情報誌については、前回、平成28年度に、それまでの前例にとらわれず、写真を一切使用しない、大人にも子どもにも親しみやすい手書きのイラストと文章で表現した「ふくしままっぷ」を作成しました。
斬新なデザインにより、県内外の皆さんから御好評を頂き、これまでに20万部を超える部数を発行してきました。
このたび、内容を一新し、県クリエイティブディレクター箭内 道彦 さん 監修の下、イラストレーター寄藤 文平 さんがデザインした「ひとつ、ひとつ、実現する ふくしままっぷ」を作成しましたので、発表いたします。
この「ひとつ、ひとつ、実現する ふくしままっぷ」は、「ふくしままっぷ」と同様に折りたたみ形式にしており、最初に開くと、福島県の位置や数値情報などの「ふくしまのキホン」が描かれています。
もう一度開いていただくと、漫画形式で、昨年4月にスタートした「県総合計画」を紹介しています。
多くの方にこの計画を知っていただきたいとの思いから、A2サイズ全面を使用し、読みやすく、親しみやすい形式で説明しています。
さらに開くと、県の地図が描かれており、福島の魅力的な「モノ」や「コト」、「場所」に加え、県内で挑戦を続けている「ヒト」などがぎっしりと描かれています。
これまでと比べ「多彩な色使い」で、「立体的」に表現されており、「巡(めぐ)る」がテーマになっています。この「ひとつ、ひとつ、実現する ふくしままっぷ」を活用して、県内外の多くの皆さんに、これからのふくしまに思いを巡らせていただき、「もっとふくしまを知りたい」、「実際に行ってみたい」と思っていただけるよう、ふくしまの魅力をしっかりと伝えていきます。
【質問事項】
【記者】
新しくなったふくしままっぷについてお聞きします。
このタイミングでこういった形で更新した狙いと、知事が個人的に、ここが一番面白いなとPRしたい部分について伺います。
【知事】
今回の新しいふくしままっぷは、正に「シンカ」したまっぷであります。
このタイミングというのは、昨年度の4月から新しい県の総合計画がスタートしたわけですが、私たちは「シンカ」を大切にしています。
進める進化、深める深化、新しくする新化、正に今回のふくしままっぷは内容を一新して、より読みごたえのあるものにしております。
実際に、自分自身で、これだけの情報量をちゃんと読んでみますと、20分ぐらいかかりました。
実は、字が細かくてどうなのかという意見が、前回も作成過程でありましたが、いろんなイベント会場で、このふくしままっぷを、真剣に見ていただいている御年配の方々を私自身、何度も目にしています。
目を近づけながら、丁寧に一個一個読み込んでいく、そういった高齢の方の姿を見て、非常にうれしく思いましたし、また子どもたちは、この赤べこや新しいキャラクターのふータンに、きっと親しみを持っていただけると思います。
また、皆さんに今、日本語版を見ていただいていますが、実は英語版も用意しております。
来週から、スペイン、ドイツに行ってまいりますが、その英語版を配布してまいります。おそらく県の情報誌でこういったイラストだけで、しかも広げていく形式のものは、あまりないと思いますので、一般的な観光写真のパンフレットも使いますが、今回のふくしままっぷも使って、世界で有名な「FUKUSHIMA」が、今、復興に向かって進んでいるんだということを直接お伝えしてきたいと考えています。
【記者】
ふくしままっぷについて改めてお伺いしたいのですが、今回総合計画についても作成したというところで、総合計画の認知度については、今、知事がどうお考えで、今後ふくしままっぷをどう活用していくか改めて伺います。
【知事】
総合計画について、今回ふくしままっぷでも、見開きで4面分を使って説明させていただいております。
私自身、昨年から、県の新しい総合計画について、中学生や高校生、大学生に加え、自治体の職員等にも直接お話していますが、全体で300ページを上回るボリュームがあり、また内容も非常に多様で難しい部分もあり、理解を促進するには、何か別の材料が必要だなということを感じておりました。
今回のふくしままっぷは、ものすごく議論をして、この内容になっております。箭内さん、寄藤さん、県の職員、みんなが一緒になって「イラストで総合計画のポイントを伝えるにはどうしたらいいだろうか」と、苦労しながらつくり上げたものであります。
今後、また私自身、出前授業を是非やっていきたいと思っておりますが、その際、総合計画の話をいきなりするのではなく、生徒の皆さんにこのふくしままっぷを少し読んでいただいてから入っていく、これも一つのアプローチかと思います。一般の方々にも、こちらのほうが分かりやすい部分があろうかと思いますので、様々な進化を加えながら、総合計画、まだまだ認知度が十分ということではないと思いますので、丁寧に情報発信していきたいと考えています。
【記者】
話題は変わりますが、週末に飯舘村の復興拠点の解除が5月1日に決定いたしました。
今回の決定をもちまして、全ての復興拠点が解除という形になります。
復興が進むという部分もあると思うのですが、まだまだ帰還困難区域が残っている中で、政府において、これで一度、一段落というふうにさせないという部分で、どういった形で進めていくか、お考えを伺います。
【知事】
飯舘村の特定復興再生拠点区域及び拠点区域外の一部について、来月1日の午前10時を避難指示解除日時とする国、飯舘村、県の三者による合意がなされました。
帰還困難区域内に設けられた特定復興再生拠点区域については、今回の飯舘村の避難指示解除をもって富岡町の一部を除き、六つの町村全ての区域において避難指示が解除されることとなります。
これは飯舘村はもとより、帰還困難区域全体の復興・再生に向けた大きな前進になるものと受け止めております。
一方で、今ほど御指摘がありましたとおり、復興拠点の避難指示が解除されたから、帰還困難区域の復興・再生が完了するわけでは全くありません。
御承知のとおり、復興拠点は(帰還困難区域の)数%。逆に言いますと、9割以上の面積は、復興拠点外であります。
政府においては、この復興拠点外において新たな区域設定を行い、帰還する意向をお持ちの住民の皆さん全てを、2020年代に、ふるさとに帰ることができる新たな制度を構築しようとしております。
ただ、この制度についても、御承知のとおり、除染の範囲ですとか、(帰還意向をお持ちでない方の)土地や家屋の取扱い等、まだ様々な問題が残されていますし、実際に住民説明会等を行いますと、住民の皆さんから、「とにかく一刻も早く帰還困難区域全体の避難指示解除を進めてほしい」という、痛切な声が寄せられております。
県としては引き続き、国、自治体と連携しながら、帰還困難区域全ての避難指示解除に向けて、まず復興拠点、そして復興拠点外の新たな制度設計と、制度の実現に向けてしっかり取り組んでまいります。
【記者】
東京電力福島第一原子力発電所の状況について伺います。
先日、原子炉の土台部分が全周損傷ということが改めて発表されました。昨日、地震等もありましたが、県民の皆さんで不安に思う方もいらっしゃると思います。
改めて知事の受け止めと、今後求めていくことを伺います。
【知事】
先週、東京電力から、3月下旬に実施された福島第一原発1号機原子炉格納容器の内部調査の映像を詳しく解析した結果、ペデスタル、いわゆる原子炉圧力容器を支える土台の内壁、内側の壁において、全周にわたって鉄筋が露出していることを確認したという報告がありました。
東京電力からは、今後、今回の調査で確認されたペデスタルのコンクリート消失状況等を考慮し、耐震性・健全性の評価を実施するとの報告を受けています。原子力規制庁においても、東京電力に対し、あらゆる事態に備えて、放射性物質の外部への拡散を防ぐための対応方針を早急に示すことを求めているところであります。
東京電力においては、可能な限り速やかに評価を行い、必要な対策を講じるなど、県民の皆さんの不安の解消に努めてほしいと考えております。
福島県としては、東京電力の対応を随時確認するとともに、廃炉安全監視協議会等を通じて、取組の進捗状況を確認してまいります。
【記者】
岸田首相の選挙演説中に爆発物が投げ込まれるという事件がありました。
知事がどのようにこの情報をお知りになって、どのように受け止めているかと、県内も統一地方選の最中ですが、こうした危機管理についてどのようにお考えか伺います。
【知事】
先週末の土曜日、私はエフレイ(福島国際研究教育機構)のシンポジウムに参加するため、公用車でいわき市に向けて移動中でありました。その際に、ネットニュースで事件を確認しまして、非常に状況を心配して見守っていたところであります。
昨年7月に安倍元首相が襲撃され亡くなられた事件がいまだ記憶に新しい中で、再び国政選挙の演説会場において、現職の首相が狙われる事件が発生しました。これは民主主義の根幹をなす選挙活動中に行われた卑劣な蛮行であります。
岸田首相が御無事で何よりでありましたが、決して許されない暴挙であると考えております。
【記者】
違う話ですが、G7の環境大臣会合が札幌市で昨日までありました。
県の新エネとか再エネ、また県産品の発信という意味での成果について、どのようにお感じになっているかというのが一点と、あと今週末には農相会合も予定されています。県産食品の輸入規制解除に対する期待などありましたら教えてください。
【知事】
来月の広島におけるG7サミットの開催に合わせ、今月15日の札幌における気候・エネルギー・環境相会合を皮切りに、全国の主要都市で15の関係閣僚会合が開催されます。
各国の閣僚の皆さんを始めとした多くの政府機関の方々が来日される予定であり、復興の歩みを進めている福島県への理解を深めていただく貴重な機会であると考えています。会議に合わせて福島を訪問される閣僚等がおられる場合には、積極的に面会し、福島県知事として、直接本県の復興状況をお伝えしたいと考えています。
先週もドイツ連邦のレムケ環境大臣に本県にお立ち寄りいただき、本県の復興について理解を深めていただきました。
また、国とも連携しながら、各地の会議において、可能な限り広報ブースの出展等を行い、本県の復興状況や魅力の発信を行っていきます。札幌での気候・エネルギー・環境相会合や、昨日から始まっている軽井沢での外務大臣会合では、本県のパネル展示などを実施しています。
震災から12年余りが経過しましたが、近年は新型コロナ感染症の影響によって海外との往来が制限されていたことなどもあって、私自身によるトップセールスも含め、福島の情報を直接発信する機会が少ない状況でありました。
このため、G7を始め、あらゆる機会を捉えながら積極的に本県の今を発信し、風評払拭、風化防止につなげてまいります。
また、併せて県産農産物の規制の関係、特にG7の国々においては、EUがまだ一部規制が残っております。これについて、私自身も、また政府の閣僚の皆さんも機会あるごとに、それぞれの国の関係大臣等に対して、訴えかけをしていただいているということを、先日のエフレイのシンポジウムの際も、復興大臣から直接伺っているところであります。
先般、私自身、EUの関係者お二方とお会いしましたが、6月が一つの機会になると伺っておりますので、それに向けて、G7での国を挙げた取組、あるいは、我々の地道な取組が功を奏することを期待しております。
(終了)
【問合せ先】
○発表事項
1 新たな福島県総合情報誌「ひとつ、ひとつ、実現する ふくしままっぷ」について
→総務部広報課 電話024-521-7014
○質問事項
1 新たな福島県総合情報誌「ひとつ、ひとつ、実現する ふくしままっぷ」について
→総務部広報課 電話024-521-7014
2 飯舘村の避難指示解除について
→企画調整部避難地域復興局 避難地域復興課 電話024-521-1178
3 東京電力福島第一原子力発電所の状況について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252
5 G7首脳会議等における情報発信について
→国際課 電話024-521-7181
企画調整部風評・風化戦略室 電話024-521-1128
農林企画課(輸入規制)電話024-521-8183