知事定例記者会見
■日時 令和5年5月8日(月曜日)10時00分~10時15分
■会場 応接室
【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について
2 石川県で発生した地震について
3 日韓首脳会談について
4 チャットGPTの活用について
【質問事項】
【記者】
コロナについてお聞きします。
本日、感染症法上の取扱いが5類に引下げられました。今回の移行に際して、第9波といった感染の再拡大が懸念される中、医療調整や県民に対する不安の解消といったものにどういう形で対応していくかというのが一点。もう一つ、共生する中で社会経済活動の再生といったものに、県として、どういった支援策を打ち出していくのか伺います。
【知事】
本日5月8日から、新型コロナウイルス感染症の取扱いが2類相当から5類へ移行することとなります。このコロナ対応について、総合的に話をしたいと思います。
まず、現在の感染状況であります。先月から今月にかけての状況として、若干増加傾向にあります。特に、(スライドの)黄色いラインが、前の週の同じ曜日より増えているところ、そしてピンクのところが倍以上に増えているところでありますが、全体として増加傾向にあるということが現実であると思います。棒グラフを見ていただいても、やはり全体としてせり上がっているということが分かるかと思います。
特に、現在懸念しておりますのは、このゴールデンウイークは、当然ながら人と人との交流、地域間の交流というものが活発でありましたので、ゴールデンウイーク後の感染状況、感染拡大というものは、これから見えてくるかと思います。先週も、3日間は若干下がっているように見えていますが、ここは正に5月の3日、4日、5日で医療機関等も閉まっているという状況でもありますので、やはり今後の動向を見ていかなければいけないと考えています。
これまで新型コロナウイルス感染症対策本部員会議がございましたが、これが廃止され、今日から新たに連絡調整会議が立ち上がることとなっています。
この連絡調整会議の下部に、幹事会議を設置しますが、全体として数値が増加傾向にあるということで、早速、本日の夕方にも、この新型感染症対策の幹事会議を設置して、最近の増加傾向、あるいは特にゴールデンウイーク後の影響というものを考えながら、一定の方向性を示していければと考えております。
今回、5類に移行した中で、変わらないことと変わること、それぞれありますので、改めて御説明したいと思います。
まず一点目は変わらないことであります。新型コロナウイルスの特性、これは法律上の取扱いが5類に変わっても、ウイルスの特性そのものが変わるわけではありません。感染力が強い、重症化のリスクがあるということは変わりませんので、うつらない、うつさないための対策は変わらずに必要となります。
二点目は、基本的感染対策の有効性についてであります。やはり、場面に応じたマスクの着用、手洗い等の手指衛生、換気、ソーシャルディスタンス、こういった基本的感染対策は有効ですので、場面に応じて使い分けていただければと思います。
そして三点目は、体調不良時の対応、これも当然ながら変わりません。熱が出た、のどが痛い、こういった症状がある際には、検査キットによる自主的な検査を行い、症状が軽い方は自宅等で療養を始めていただく。また、症状が重い方、あるいは重症化リスクの高い方におかれては、事前に連絡をしていただいてから、かかりつけ医、あるいは身近な医療機関を受診していただく。こういったところも変わらない部分であります。
次は、変わることについてであります。
主に三つありますが、一点目は、保健所等による療養期間中の健康観察、生活支援が終了します。したがって、今後、感染した場合に備えて、自分自身で療養に備えた準備、備えを事前に行っていただくことが重要となります。
二点目は、検査費、治療費の自己負担が生じること。
そして三点目は、法律に基づく一律の外出自粛の要請がなくなるということであります。
こういった変わらないことと変わることの双方を踏まえて、改めて今後、県民の皆さん、あるいは事業者の皆さんの主体的な選択が尊重されることとなりますので、日々の自主的な感染対策、日頃の備え、そして特に体調の管理を県民の皆さんにお願いしていきたいと思います。
以上が、まず新型感染症の全体としての状況でありますが、あわせて、この3年間、新型感染症の影響により、特に社会、経済に対して過度な負担がかかっておりました。
このゴールデンウィークは、多くの方々が、国内あるいは海外に行かれて、笑顔で観光を満喫されている、あるいは、人と人との交流が盛んになってきました。学校現場においても、マスクを外して、生徒、児童の皆さんがお互いに笑顔で会話をしたり、コミュニケーションを取るといった社会活動を再生していくこと、あるいは、地域の経済活動を維持、再生していくことも重要だと考えております。
現在、令和5年度の当初予算において、こういった地域の経済活動、社会活動を元気にしていくための予算を組んでおります。本日5月8日から予定どおり5類へ移行となりますので、まず、この新年度予算を活用して、地域の経済、社会がより活性化するよう県として取り組んでいきたいと思います。
また、今後も、例えば先般の農業災害、いろいろな問題、状況変化もありますので、そういったものにも臨機応変に対応していくといった思いでございます。
【記者】
大型連休中、石川県で大きな地震がありました。福島県も相次ぐ地震での対応、また相互の応援であったりとか、そういったことをこれまで経験として蓄積されていると思います。福島県から石川県に対しての支援や、今の状況、また今後の方向性について伺います。
【知事】
先週5日、石川県能登地方を震源とする地震で亡くなられた方に対し、深く哀悼の意を表します。そして、被災された皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
能登地方は、昨年6月にも最大震度6弱の大規模な地震が発生しています。
これは令和3年、令和4年と、2年連続で福島県沖地震という甚大な被害を受けた福島県の状況とも重なるものがあり、心が痛む思いであります。
現時点で、職員の派遣要請等は直接ございませんが、福島県としては、被災された皆さんが一日も早く元の生活を取り戻すことができるよう、全国知事会とも連携し、できる限り支援していきたいと考えております。
また、こういった災害はいつどこで起きるか分かりません。また今後、大雨災害というものも季節的に予想されますので、県民の皆さんにおかれては、家庭内において、例えば家具を固定する、あるいは、いざというとき避難する場所や非常時の持ち出し品を確認するなど、改めて災害への備えを十分に行っていただければと思います。
県としても、引き続き市町村と連携しながら、広報、あるいは、避難訓練などを通じて、一層県民の皆さんの防災意識の向上を図っていきたいと考えています。
【記者】
昨日行われた、日韓首脳会談についてお伺いします。
この中で、処理水の海洋放出をめぐって、韓国の専門家の視察団が、今月23日にも訪れるということで合意されました。
まずこの件について、知事としてどのように受け止められているのか、そして、この23日に来られた際に、知事と専門家の方々が何か意見交換をする場を設けることを検討されているのか伺います。
【知事】
昨日行われた日韓首脳会談において、ALPS処理水に関する話し合いがなされ、今月23日に韓国から専門家の皆さんによる視察団を、現地に派遣することで合意がなされたという報道を拝見しております。
国においては、こういった視察の場も活用し、科学的な事実に基づく正確な情報発信を行うとともに、引き続き、IAEA等の国際機関と連携し、国内外の理解醸成に向け、責任を持って取り組むべきであると考えております。
また、スケジュール等具体的なお話は現時点では伺っておりません。
【記者】
今話題になっている人工知能AIを使ったチャットGPTの今後の活用方針について伺います。
既に活用をめぐって、そのメリット、デメリットが様々なところで議論されていると思います。自治体に焦点を当てると、神奈川県横須賀市では既に試験導入を開始されている一方で、鳥取県では使用禁止の方針が示されるなど、各自治体間で対応に違いが出てきています。
知事自身がチャットGPTをどう評価されているかということ、あわせて、福島県として、活用の方針をどのようにお考えか教えていただきたい。
【知事】
チャットGPTについては、最近非常に大きく話題に取上げられております。私自身も具体的な質問項目を設定し、字数を指定した上で(得た)、回答というものを見ておりますが、全体として非常に上手にまとめる力があり、それを滑らかに日本語で表現する力があるなということをまず感じております。
一方で、その内容を見てみますと、全体としてまとめて、それを上手に表現しているという部分はありますが、独自性というものがどの程度あるのか、あるいは、例えば福島県の地域性をどこまで加味できるのかというところは、まだこれからというところもあろうかと思います。
また、拝見しておりますと、明らかな間違いもあるなということも見受けております。ただ、それは質問の仕方や設定の仕方で、状況を改善することができるのかもしれません。
いずれにしても、このチャットGPTでありますが、業務の効率化につながる可能性があります。
一方で、情報の正確性や、特に個人情報の取扱いなど、その活用に対して懸念される意見も見られます。
福島県におけるチャットGPTの活用については、どのような活用場面が考えられるのか、どういったリスクがありうるのかといったことを探るため、庁内の関係部局において検討作業を開始したところであります。
今後、国の動向、他の自治体の状況等も踏まえながら、丁寧に検討を進めてまいります。
【記者】
チャットGPTの関連ですが、知事は先ほど字数等を指定されて、少し使ってみているという話ですが、それは議会答弁等を想定して、実証的にどんなものか見るというような理解でよろしいでしょうか。
【知事】
それは違います。議会答弁は、やはりまだチャットGPTですぐ(活用できる)という段階ではないと考えております。字数というのは、短く束ねる能力と、長い論文的なものを書く力がどの程度あるのかということを、実際自分自身で確認するために、同じ項目でわざと字数制限をかけてやってみました。短くすればしたなりにまとまりがありましたし、長くすればそれなりに新しい要素を加えて、それぞれの段落を膨らませる力があるなということを確認するために行ったものであります。
(終了)
【問合せ先】
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策事務局(総括班) 電話024-521-7262
2 石川県で発生した地震について
→危機管理部災害対策課 電話 024-521-7741
3 日韓首脳会談について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252
4 チャットGPTの活用について
→企画調整部デジタル変革課 電話024-521-7854