知事定例記者会見
■日時 令和5年5月22日(月曜日)10時00分~10時23分
■会場 応接室
【質問事項】
1 G7首脳会議について
2 韓国の処理水視察団の派遣について
3 県職員の不祥事について
【質問事項】
【記者】
広島で行われましたG7首脳会議についてお聞きします。
日程を全て終えました。福島でもブースを出すなどして、復興の状況等を発信されました。処理水に関しても、IAEAの評価を支持するというような話が盛り込まれました。全体を通して福島県知事としての受け止めを伺います。
【知事】
G7は、重要な日程を終え閉幕したところであります。
今回は、G7の加盟国に加え、例えばインド、ブラジル、インドネシア、韓国等の首脳が参加し、さらに、ウクライナの大統領も参加されました。
原爆によって大きな被害を受けた広島の地において、世界の平和と安全保障のために、首脳同士の率直な意見交換が行われるなど、非常に重要な場であったと考えております。
一方で、これによって、特に昨年以来のロシアによるウクライナ侵攻に対する状況が劇的に変わるわけではありません。
今後とも、こういった関係国の首脳同士が意思疎通しながら、安全保障の確立のため、あるいはエネルギーや食料の安全保障のためにも努力を継続していくことが重要だと考えております。
また、このG7首脳会議の場において、ALPS処理水についての共同声明がなされました。
この首脳声明においては、先月開催されたG7気候・エネルギー・環境相会合に続き、ALPS処理水について、「IAEAによる独立したレビューを支持する」との文言が盛り込まれました。
ALPS処理水に関しては、海外において誤解や偏見に基づくものと思われる意見も見受けられます。
そのため、今後とも、第三者的な情報発信などにより、客観性や透明性を確保することが重要です。
国においては、引き続き、IAEA等の国際機関と連携し、第三者による監視と透明性の確保に努めるとともに、国際会議等の場を活用し、科学的な事実に基づく正確な情報発信を行い、国内外における理解醸成に向け、責任を持って取り組むべきであると考えております。
また、この広島サミットにおいては、国と連携し、海外における報道関係者の取材拠点であります国際メディアセンターにおいてパネル展示を行い、福島県の復興状況等を発信しました。
国においては、各国要人の食事の際に、福島県産の日本酒等を振るまっていただきました。また、国際メディアセンターにおいて、福島県の日本酒やジュース、お菓子の試飲・試食等を実施するなど、多くの方々に本県の食などの魅力を体験していただいたことを報道等で拝見しております。
これは、産地の皆さんを始め、県民の皆さんにとって大きな励みになると考えています。
また、外務省の発表によりますと、岸田総理は、イタリア、ドイツとの首脳会談の際に、両国の首脳に対して、EUによる日本産食品輸入規制措置の早期撤廃に向けた協力を改めて求めたところであります。
これらの取組が、今後の海外における福島県への正しい理解の促進と風評払拭につながることを期待しています。
今回のG7広島サミットを通して、本県の復興状況を始め、食や日本酒など福島の魅力を国内外に発信できたことは、本県に対する理解、そして共感の輪を広げていく上で有意義であったと受け止めております。
【記者】
今週、処理水に関係して韓国の視察団が本県に来るというお話になっています。
先週も先々週も続いているかもしれませんが、行程などを含めまして福島県に入っている情報、また、我々報道機関が取材できる接点があれば伺います。
【知事】
先般の日韓首脳会談において合意された韓国の専門家らによる視察団の現地への派遣については、明日から2日間の日程で福島第一原発を訪問する予定であると伺っております。
震災と原発事故から12年が経過する中で、県産品の輸出額が過去最高を更新するなど、福島県に対する理解は、全体としては着実に広がっています。
一方で、韓国を含めた12の国や地域において輸入規制が続けられています。
根強い風評も残っていることから、正確な情報発信や福島県に対する情報のアップデートを粘り強く進めることが重要であります。
このため、これまで、国に対し、国内外の関係者等に丁寧に、また十分な説明を重ねることや、科学的根拠に基づく情報を継続的に発信することなどを求めてきました。
国においては、こうした視察の場も活用し、科学的な事実に基づく正確な情報発信を行うとともに、引き続き、IAEA等の国際機関と連携し、国内外における理解醸成に向け、責任を持って取り組むことが重要であると考えております。
【記者】
重ねて質問させていただきますが、知事と視察団がお会いするといった場面があるかということと、処理水に関しての透明性の確保が大変大事だということに関して、今回の視察団が本県に来る中で、報道機関へどういった形で公開されるのか、大変注目している点があると思いますが、お考えについて伺います。
【知事】
まず、前半の御質問でありますが、(視察団と会うといった)そのような予定はございません。
また、後半の御質問については、現在政府の方がどういった取扱いをする予定なのか、事務当局に取材していただければと思います。
【記者】
韓国の処理水の視察団に関連して質問します。
まず、知事自身、今回の視察団が訪れることの意義や今後の効果など、期待や着目されている点がどういうところなのかお伺いします。
私の個人的な意見ですが、科学的な根拠を伝えるのはもちろんのこと、なぜ福島の漁業者の方たちが反対されている立場なのか、そして一方で、廃炉を進めなければいけないという、反対や賛成で簡単に分けられる問題ではないという複雑なところも、しっかりと伝えていくことが大事ではないかと思っております。その辺りの知事のお考えを伺います。
【知事】
今回、韓国の視察団が、福島県を訪問する日程をつくることができたのは、韓国のユン大統領と日本の岸田総理大臣が首脳会談を重ね、また、今回のG7においても双方のトップ同士がお話をされていると思いますが、やはり隣国である韓国と日本がより良い関係をつくり上げようという思いの中で実現したものだと受け止めております。
また、今回のこの問題は、まず大前提として、科学的・客観的な事実というものが重要であります。
これまでも、各国の視察団が福島第一原発を視察し、理解を深めておられます。
また、それとは別に、今回、G7の報告書にもありましたとおり、IAEAが関わって、第三者的な専門家の立場で、科学的な事実というものをしっかりとレビューしていくことに対して、関係の国々が評価をしているという現実がございます。
今回、G7において、このIAEAの取組を各国が支持していただいているということは非常に重要だと考えておりますし、ユン大統領等も、このIAEAの取組を注視をされていると思います。
政府においては、IAEAとの連携を深めること、また、当然ながら、国、東京電力自身が、東京電力福島第一原発事故の当事者として責任を持った対応を行っていくこと、あわせて、正確で客観的な情報を国内外に伝えていくことが重要だと考えております。
【記者】
もう一点、韓国の視察に関してですが、せっかく視察団が福島を訪れるので、IAEAのレビューとか、韓国国内にいても見られるものだけではなくて、福島で収穫していってほしいと思うのですが、知事として、福島のこのような点を見て、確認していってほしいというところがあれば伺います。
【知事】
今回は、両国の首脳同士が真剣な対談を行っていく中で実現したものであります。この視察団自身が行程をつくり上げることについても、両国が緊密に連携し、協議を重ねながら対応されていると考えております。
一番大切なことは、科学的な事実、客観的な事実を相互に確認し合うことだと考えております。また両国それぞれの立場というものがございますが、IAEAのように、第三者的な機関がどういった対応をしているのか、これをかみ合わせていくことで、より両国の理解や相互の信頼感も深まっていくかと思います。やはり大事なことは、科学的な事実をしっかり把握することと、IAEAのような、G7も含めて評価をしているような国際機関の対応というものを、土台に置いていくことだと考えております。
【記者】
もう一点お伺いします。先週、県職員の収賄事件による逮捕の事案がありました。
今年1月にも同じような事案で逮捕者が出てから、時間が経たずまた同じような事案が起こるということは、危機的な状況だと私も一県民として捉えています。
まず、知事としてどのように受け止められているのか。
また、こういった問題が起きた時に、他県の状況を見ますと、例えば外部の第三者の弁護士などに入ってもらって検証委員会を立ち上げるなど、再発防止策を練っているような例もありますが、そのようなお考えがあるのか伺います。
【知事】
県職員の不祥事でありますが、重ねて発生していること、本当に申し訳なく思っております。
心からお詫びを申し上げます。
今般の収賄事件が起きた原因を分析して、全力を挙げて再発防止に取り組んでまいります。
そして、職員一人一人が緊張感を持ち、仕事にしっかり取り組むことで、県民の皆さんの信頼回復に努めてまいります。
あわせて、法令遵守意識の徹底と危機感の更なる浸透を図っていきます。
また、後段でお尋ねがございました、入札業務に関する取組であります。
システムの閲覧制限等の情報管理の徹底や担当職員の意識改革に向けた取組に加え、今後、収賄事件が起きた原因を分析した上で、他県の取組も参考にしながら、より実効性の高い再発防止策を講じていきたいと考えております。
【記者】
県職員の逮捕の件に関連してお聞きします。
逮捕された方が、逮捕の前日に、他の事案を受けて順次行っていた職員の面談を受け、その際に自分も「モラル意識を確認している」というような話もしていたということでした。
その面談自体が、既に形骸化してしまっているという印象も受けたのですが、この点について知事のお考えを伺います。
【知事】
まず、ただ今の御指摘、真摯に受け止めております。
その上で、コンプライアンスの意識徹底を図るため、県のそれぞれの部局において、職員との面談を重ねているところであります。
前提として、我々自身が理解しておりますのは、ほとんどの県職員は、当然ながらコンプライアンスの意識を持って真剣に日々仕事に取り組んでいます。
ただ残念ながら、先ほどもお詫び申し上げましたが、結果としてこういった不祥事が発生していることは事実でありますし、先週もこの事案が発生した後、担当部長と直接話をしました。
面談の場でそういったやりとりがあったということも直接聞いておりますが、やはり面談だけで全てが確認できるのかというと、結果として、足らざるところがあったと考えております。
特に、今回の収賄事件の関係は、(担当者以外でも)システムを閲覧できる状態にあったということがあります。
職員が公務員になる際に、法令を遵守し、しっかり県民のために仕事を行うことを宣誓して入ってきておりますので、そうしたことを前提として対応しているわけでありますが、こういった事案や、あるいはそれぞれ異なる事案ではありますが、不祥事が継続していることを踏まえますと、やはりシステムで機械的にしっかり防いでいくということも重要かと思います。
また先ほどもお答えしましたが、他県での取組を見まして、対面でしっかりコンプライアンスの意思疎通を図ることも一定の成果はあると思いますが、御指摘のとおり、それが完全かというとそうではないという結果も出ておりますので、今後どういった対応がより効果的なのか、我々自身もしっかり模索し、実行していきたいと考えています。
(終了)
1 G7首脳会議について
→企画調整部風評・風化戦略室 電話024-521-1128
→生活環境部国際課 電話024-521-7181
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252
2 韓国の処理水視察団の派遣について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252
3 県職員の不祥事について
→総務部人事課 電話024-521-7032