知事定例記者会見
■日時 令和5年10月16日(月曜日)10時00分~10時14分
■会場 応接室
【質問事項】
1 県職員の不祥事について
2 復興財源の確保について
3 猛暑による米の高温被害について
【質問事項】
【記者】
先週の県職員の逮捕についてお伺いいたします。
先週、総合療育センターの職員が逮捕されまして、今年5人目ということになりました。
まず、この件についての知事の受け止めを伺います。
あわせまして、先週県議会の会派からも緊急要望があり、その中で知事から「取り組む」という御発言がありました。どのような観点で再発防止に今後取り組んでいくのか、具体策をどのようなタイミングで示していくのか、お考えを伺います。
【知事】
まず、先般、この知事の会見の場で、私自身が職員の不祥事が相次いでいるということに対し、しっかりと反省をした上で、こういったことが起きないように再発防止策を徹底していくということをお話させていただきました。
それにもかかわらず、再度、このような不祥事が発生したことは、本当にあってはならないことであり、県民の皆さんに心からお詫び申し上げます。
やはり、こういった不祥事が相次いでいるということは、これまで様々な再発防止策を行っておりますが、どこか足らないところがあるということだと思います。
当然ながら、県職員一人一人のコンプライアンス意識の醸成、また組織としての対応、県議会からの緊急要請も頂いておりますが、全庁挙げて取り組んでいかなければいけないと考えております。
まず、本日、この後、部長会議を開催し、私自身から各部局長に対して、この不祥事が相次いで発生していることに対する思いを率直に伝え、県庁全体における危機意識の共有を行ってまいります。
また、出先機関の不祥事が相次いでいることから、鈴木副知事と佐藤副知事、両副知事が各方部に赴いて、出先機関の長と膝詰めで対談する場を設け、危機感を共有するとともに、再発防止に向けたそれぞれの取組を聞き取り、決意を受け止めてまいります。
また、様々な事案が含まれているわけでありますが、どういった対策がいいのか、今正に検討を鋭意進めているところであります。
【記者】
県職員の逮捕の関連です。今までも面談とか名刺サイズのコンプライアンス必携も配ってきたりしましたが、それらの有効性について、知事はどのようにお考えか伺います。
【知事】
まず、これまで、いくつかの逮捕事案等が発生し、そのたびに県職員に対するコンプライアンスの徹底等を呼び掛けてきたところであります。県庁職員、当然ながらほとんどの職員は、しっかりと真面目に職務に取り組んでいると考えております。
ただ結果として、今回の逮捕事案は職員への呼び掛けの後のことであります。したがって、コンプライアンスの理解醸成が行き届いていたかというと、行き届いていない。どこか足らないところがあったということが事実であろうかと思います。
また、1年間の中で5件の重なっての発生、これはあってはならないことであります。これまでの取組はもちろんベースにしつつ、次にどういった対策、更なる対策を講じていくべきかということを、正に今、検討を進めているところであります。
【記者】
いずれの方も、その面談を受けたときには、「自覚している」とか「認識しなきゃいけない」と伝えた直後に、大体そういうことが起こっているのですが、これはどうしてそうなってしまうのか伺います。
【知事】
一人一人の状況はそれぞれ異なっているかと思います。一概に原因を特定することは難しいのですが、まずそもそも公務員としての法令遵守意識、危機意識が当該職員においては希薄であったという部分、そしてまた、組織としてこうした意識を、結果として十分に浸透し切れていないということが要因の一つであると考えています。
【記者】
先ほど副知事が、出先機関に赴いてということがありました。これはいつから始めるのか伺います。また、もし対象の数も分かれば教えていただきたい。あと、やはりその出先機関での逮捕事案というのは非常に目立つと思うのですが、その出先のほうが人手不足であるとか、とても忙しいとか、なかなかコンプライアンスの研修をする余裕がないとか、そういう背景が何かあれば伺います。
【知事】
そういった点、まず原因分析を早急に行っていきたいと思います。例えば超過勤務の時間等を本庁と出先、出先も場所によって異なりますし、例えば建設部門、農林部門、あるいは総務部門等々ありますが、それぞれ異なります。(加えて、そうした超過勤務の時間等が)今回のような逮捕事案の発生に直接相関関係があるのかどうかというと、なかなか難しいところがあるかなと思います。
ただ、大事なことは、実際、今回の案件は正に面談を行って、本当に数日後というところでありますので、間違いなく(これまでの対策が)響いていなかったというのは事実かと思います。
そのため、どうしてこうなっているのかということを、強い危機意識を持って、副知事自身がそれぞれの方部に出かけていって、できるだけ速やかにスタートさせたいと思っております。
関係の数(対象となる機関数)等については、担当部局のほうで整理していきたいと思っておりますが、まず今日、部長会議を行い、これから副知事が出先機関を回っていく。そして、また引き続き面談をする方、非常に重要な役割を持っていただくということになりますので、そうした方に我々と同様の危機意識を持っていただかなければ始まらないと思いますので、そうした意味で、膝詰めで話をしていくことが最初の一歩になるかと考えています。
【記者】
不祥事に関してですが、先ほどからどこか足らないところがあるという知事の発言がありました。
これまで知事もおっしゃったとおり様々な取組をしていると思うのですが、更に何か別の取組が必要なのか、それとも今やっている取組の徹底が不十分なためにこうしたことが起きてしまっているのか、その辺りをお伺いします。あと、強い危機感があるということなのですが、具体的な取組をいつ頃までに示していくかについて伺います。
【知事】
まず今後の対策についてであります。
現在、既に行っている対策、これをより効果的に、また特に職員一人一人の思いに届くような形でシンカさせていくことが当然重要だと考えております。
また、これだけ相次いで発生しています。もちろん内容が異なるものもあります。例えば収賄であったり、性的な問題であったり、あるいは、いわゆる横領的なものであったり、それぞれ内容が異なるわけでありますが、更なる対策というものも必要ではないかと考えておりますので、様々な手法を模索していかなければいけないと考えています。
また、県民の皆さんからすると「県政は何をやっているんだ」という御批判があって当然だと思いますので、そういった意味でも、こうした対策について、一定程度の取りまとめを早急に行い、できるものから行っていくというスピード感も重要だと考えています。
【記者】
話題変わってもう一点、質問させていただきます。
復興財源の確保について、第2期復興・創生期間以降の財源確保について、政府との交渉は、今後正に本格化されていくかと思います。
来月行われる県議選に関連して、政府との交渉というのは、県議会と両輪でやっていくことも大変重要なのかと思います。
改めて今後、第2期復興・創生期間以降の財源確保、県議会の力をどのように借りてやっていきたいか、期待する部分について、知事のお考えがありましたら伺います。
【知事】
福島県が、2011年の東日本大震災・原子力災害以降、様々な復興施策を前に進めていくためには、財源の確保が極めて重要であることから、県を挙げて取り組んできたところであります。
これまで、復興期間は、大きく分けて三つあります。集中復興期間、第1期の復興・創生期間、そして現在が第2期復興・創生期間のちょうど折り返し地点を過ぎたところであります。
このそれぞれの期間において、県議会と知事部局が正に両輪として、政府や国会の皆さんに対して、様々な働き掛けを行ってまいりました。
まず、知事を含めた県当局においては、政府に対して、この復興期間それぞれ5年ずつでありますが、この間におけるマクロ、つまり総額としての財源確保と、各年度のそれぞれの施策にきちんと予算を手当てすること、この重要性を機会あるごとに、私自身が強く訴えているところであります。
また、与党あるいは関係の政党に対する働き掛けも行っておりますが、それと同時並行で、県議会においても、それぞれの所属の党、会派に対して、こういった財源確保について、非常に熱い思いを持って、しっかり要請していただいております。
こういった県の執行当局と、各地域の思いを代弁する代表者でもあられます県議会の思いが一緒に相まって、ここまで必要な復興・創生財源の確保というものが、しっかりなされてきたと受け止めております。
第2期復興・創生期間、ちょうど半ば過ぎたところでありまして、この5年間における復興財源、マクロでの確保が行われておりますが、令和6年度の予算編成は、ちょうど概算要求が終わり年末の政府の本格予算の編成を迎えます。
その中で、まだ「事項要求」というものがあります。先般、概算要求のときの知事コメントでも、「おおむね我々の思いが受入れられた」と言っているこの「おおむね」というのは、事項要求はまだ明示されていないという部分があるからであります。
こういった点について、また県として、来年度、安心して安定的に復興政策に取り組むことができるように、県議会と連携しながら、取り組んでいきたいと考えています。
【記者】
夏の猛暑によって、米の高温障害の影響が出始めています。県として現状をどう見ているか伺います。あと支援策について何か検討されているか伺います。
【知事】
本年産米の品質についてであります。
これまでにない高温の影響によって、玄米が白くなるなど、一等米の比率が低下しています。
県内の主な産地からの聞き取り調査によりますと、現時点での一等米の比率は約75%となっており、前年の比率約95%を大きく下回っております。
そのため県としては、関係機関と一体となって、丁寧な選別作業による等級の低下防止を呼び掛けていくとともに、今後、この検査は本格化してまいりますので、その検査の結果を現時点では注視しております。
(終了)
1 県職員の不祥事について
→総務部人事課 電話024-521-7032
2 復興財源の確保について
→企画調整部企画調整課 電話024-521-8624
3 猛暑による米の高温被害について
→農林水産部水田畑作課 電話024-521-7359