知事定例記者会見
■日時 令和5年12月4日(月曜日)10時00分~10時13分
■会場 応接室
【質問事項】
1 熊の出没状況について
2 原子力政策に関する動きについて
3 盛土の造成(規制)について
4 障害児等療育支援事業における消費税の取扱いについて
5 インフルエンザの状況について
【質問事項】
【記者】
熊の出没状況の関係で伺います。
福島県では、昔は阿武隈川を越えないと言われていたそうですが、最近はいわき市とか双葉郡でも目撃情報があります。ただ一方では、もしかして小動物なのではないかと、県民の皆さんも混乱している状況もあるかと思います。県として、生息域を見直す調査を行ったか、調査する予定があるか伺います。また、まだ注意が必要な時期ということで県民の皆さんへの呼び掛けもお願いします。
【知事】
ツキノワグマの出没の関係についてであります。
まず、現在の状況、概要からお話ししたいと思いますが、全国的にツキノワグマによる被害が頻発しており、福島県内においても人身被害が過去最高となっています。
県では、今年3月から県内全域に「ツキノワグマ出没注意報」を発令し、目撃情報の提供やポスター等による注意喚起に取り組むとともに、9月からは、熊の頻出地域を対象に「注意報」を「警報」に引き上げ、専門家による住民説明会の開催や小学生向けのチラシを新たに作成するなど、一層の注意喚起を図ってきました。
12月となって、本来熊は冬眠する時期でありますが、依然として目撃情報も多いことから、熊と遭遇しないようにするため、県民の皆さんには、熊鈴等の携帯のほか、生ごみや未収穫の果実等、熊のえさとなるものを屋外に放置しないなど、最大限の注意と御協力をお願いしたいと思います。
また、先ほど注意報について県内全域というお話をしました。
冒頭で御指摘がありましたとおり、熊の出没はある程度限定されたエリアというのが県民の皆さんの感覚としてありましたが、現在、浜通りも含めて本当に幅広く目撃情報が出ております。
したがって、これまでの常識を変えていかなければいけないということで、県としては注意報や警報を、これまで、比較的遭遇がなかった地域に対しても、情報発信を行っているところであります。
先ほど、熊の生息域のお話も頂きましたが、県民の皆さんに、福島県内のどこでも(熊が出没する)可能性があること、また都市部でも可能性があるということを、県としても積極的に市町村と連携しながら(情報発信を)行ってまいります。また、県政記者クラブを始め、マスコミの皆さんのお力もお借りしながら、県民の皆さんに広く伝えていくことに力を入れていきたいと思います。
【記者】
生息域の調査については未定ということですか。
【知事】
今年は特に(人身被害が過去)最高の状況になっているという特殊な状況もありますので、そういったものを踏まえて、今後、担当部局において幅広く検討していくということかと思います。
【記者】
先日末までドバイで開催されていたCOP28で、2050年までに世界の原発の容量を3倍にするという宣言が出されました。日本も含めて20か国以上が賛成したそうです。
まだ福島県内では、2万5千人程度の方々が避難生活を続けています。被災地の知事としての受け止めを伺います。
【知事】
先般のCOPにおける取りまとめ等の話は、報道で拝見しております。
原子力政策について、こうした動き、特に地球温暖化との関係で様々な動きがあるということで注視しているところであります。
まず、この原子力政策についてですが、福島県として申し上げたいことは、「二度とあのように過酷な原発事故を起こしてはいけない」という強いメッセージであります。
原子力政策については、それぞれの国・地域において様々なスタンスがあろうかと思いますが、福島の原発事故の現状と教訓を踏まえること、また、住民の安全・安心の確保を最優先にすべきであるということを、様々な機会を通して国内外に発信していきたいと思います。
私自身、今年1月にアメリカ、4月にスペイン、ドイツに伺いました。
それぞれの国で原子力政策に対する取組、スタンスは異なっています。
そこで、福島県としての考え方を訴え、やはりそれぞれの国・地域によって受け止め方が違うなというのが率直な感覚でありました。
また、各国の大使とも話をしており、「福島県は原子力に依存しない社会をつくりたい」ということを申し上げますと、それに非常に共感していただける国もありますし、一方で、原子力は必要だということを正面から言われる大使もおられます。やはり福島は、2011年3月の経験、更にその後12年8か月余り経っても、先ほど避難者のお話も頂きましたし、避難地域の復興についても、先般ようやく富岡町において点拠点、線拠点の解除が行われましたが、帰還困難区域が幅広く残っており、そのエリアの避難指示解除の見通しが現時点において立っているわけではありません。
特に、事故を起こした福島第一原発の廃炉対策も、ロードマップ、燃料デブリの取り出し一つ含めても、まだ具体的な工程というものが明らかになっているわけではありませんので、福島県としての思いを、国内外に引き続き訴えていきたいと考えております。
【記者】
先週、県の町村会さんとの意見交換会で出た盛土の造成に関するお話です。規制条例を求める声が首長さんから上がりました。
あの場はフルオープンの場だったと思いますが、意見交換の後も首長さんとやりとりがあったのか伺います。意見交換会では、お二人の首長さんからの声だったかと思いますが、他の市町村からも同様の声があるのかお聞かせください。
あと、その条例検討を深めるという御回答を知事がされたかと思いますが、先週今週ということでこれからかとは思います。年内や年度内などその検討のスケジュール感を伺います。
【知事】
先般の町村会幹部役員との意見交換において、西郷村と小野町の村長さん、町長さんからお話を頂きました。その後のクローズの意見交換では、これについての直接的なやりとりはなかったかと思います。
一方、西郷村や矢祭町等においても、この大量の土砂が持ち込まれているという事案がございます。これについては、関係機関が連携して、現場の監視を継続して行うとともに、土砂の搬入者に対して、関係法令に基づく報告を求めています。
今後、持ち込まれた土砂に有害物質の混入等が確認された場合には、搬入者に対し、法令に基づく撤去指導を行ってまいります。また、有害物質の混入等が確認されなかった場合であっても、地域の皆さんから盛土の崩落を不安視する声が上がっていることから、土地の利用状況等をしっかり把握した上で、関係部局が連携して、事業者等への協力を求めるなど、必要な対応を早急に検討していきたいと考えております。
【記者】
規制条例について、今後のスケジュール感はどのように考えられていますか。
【知事】
今、お話し申し上げたのがまず基本的なスタンスであります。またあわせて、盛土規制法の関係についても、あの際、議論になったところでありますが、この盛土規制法については、現在、県内の中核市と連携しながら、規制区域の指定に向けた基礎調査を実施しています。
今年度内に調査結果を取りまとめ、市町村と調整しながら、今後、規制区域を指定し、盛土規制法を適用していきたいと考えております。
【記者】
11月下旬に民間委託の障がい者の相談支援事業で、県とか市町村で消費税を誤って非課税にしていたケースが何件か発覚されたかと思います。
国からの通知で判明した部分もあると思いますが、他の事業でも例えば同様の事業があるのか。
県として既に全庁的、また市町村等に通知を出していたり、今後出されて調べる予定があるのか伺います。
【知事】
県が社会福祉法人に委託して実施している障害児等療育支援事業において、消費税の取扱いに誤りがありました。今後、社会福祉事業における消費税の取扱いについて職員の理解を深めるなど、再発防止策を講じてまいります。
また、国からの通知を受けまして、市町村、関係団体等にそれを通知しているところであります。県内において、そういった国の対応に基づいて適切に対応されるよう、担当部局において取り組んでまいります。
【記者】
県内でインフルエンザが増えていて、休校とか学級閉鎖の措置をとっている学校も増えているかと思いますが、県内の状況をどう見ているか伺います。県民への注意喚起も含めてお願いします。
【知事】
インフルエンザについては、11月20日から26日までの1週間における福島県の定点当たりの報告数は、38.38人となりました。
その前の週の28.35人よりも大きく増加し、今シーズンで最も高い状況となっています。
休校や学級閉鎖等の対応を行う学校が県内各地で発生していて、今後、家庭や職場などで感染が拡大することが懸念されます。
このため、県内の学校を始め、保育施設や高齢者・福祉施設等に対し、インフルエンザへの対策を徹底するよう呼び掛けを行っています。
県民の皆さん、事業者の皆さんにおいては、咳やくしゃみなどの症状がある場合や、重症化リスクのある高齢者等が入院する場所、生活する場所を訪問される際には、場面に応じたマスクの着用を心掛けていただくとともに、こまめな換気・手洗いなどの基本的な感染対策をお願いしたいと思います。
(終了)
1 熊の出没状況について
→生活環境部自然保護課 電話024-521-7210
2 原子力政策に関する動きについて
→企画調整課エネルギー課 電話024-521-7120
3 盛土の造成(規制)について
→生活環境部産業廃棄物課 電話024-521-7535
→土木部都市計画課 電話024-521-7866
4 障害児等療育支援事業における消費税の取扱いについて
→保健福祉部こども未来局児童家庭課 電話024-521-8664
5 インフルエンザの状況について
→保健福祉部感染症対策課 電話024-521-8655