知事定例記者会見
■日時 令和6年1月9日(火曜日)10時00分~10時20分
■会場 応接室
【発表事項】
1 台湾直行便初便における知事渡航について
【質問事項】
1 台湾直行便初便における知事渡航について
2 令和6年能登半島地震について
3 インフルエンザの状況について
4 新型コロナウイルス感染症5類移行後の状況について
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【発表事項】
今月16日から、タイガーエア台湾による、福島と台湾を結ぶ定期チャーター便の運航が開始されます。
16日は、福島空港において、台湾からのお客様をお迎えするとともに、就航を記念するセレモニーを開催いたします。
また、私自身が福島空港から台湾へ出発する第一便に搭乗し、県内関係団体の皆さんと一緒に、現地の航空会社や関係機関を訪問して、直行便の就航を契機とした一層の交流拡大に向け、働き掛けを行うとともに、サマーダイヤ以降の定期便化に向けた協力を要請してまいります。
【質問事項】
【記者】
今日発表がありました台湾便の初便についてのお話です。知事が直接現地で訴えたいこと、伝えたいこと、特にこれは発信したいということを伺います。
【知事】
台湾と福島空港を結ぶ国際定期便の就航が実現すれば、震災後に、上海、ソウル便が休止して以来、実に約13年振りの復活となります。定期便が就航し、福島と台湾が直接結ばれることは、観光を始め、経済、文化、教育など様々な分野における更なる交流の拡大につながるとともに、本県復興を大きく後押ししてくれるものと期待しています。
国際定期便の就航に向けては、双方向での搭乗実績を着実に積み重ねていくことが重要であり、そのために二つポイントがあります。
まず一つ目のポイントはインバウンドです。台湾から多くの方々に、本県にお越しいただくこと。
そのため、県内の観光関係団体はもとより、近隣県の自治体とも連携しながら、台湾の方々の目線に立って、私自身が現地に行き、福島の魅力が伝わる効果的な発信を行ってまいります。そして、福島県にお越しいただいた台湾の皆さんに、「福島に来て良かった」「また来たい」「福島の食、本当においしかった」「この魅力を周りの人々にも伝えたい」こう思っていただけるように、心を込めておもてなしをすることが重要です。
二つ目のポイントは、アウトバウンドです。県民の皆さんにも是非、福島空港を利用して台湾を訪れていただいて、日本人の旅行先として非常に人気がある台湾の魅力を知っていただくとともに、周りの皆さんにもお伝えいただきたいと考えております。
今回、関係の団体等と共にまいりますが、皆さんから「第一便にはなかなか乗れない」というお叱りの言葉を頂いております。逆に、「今後、是非福島空港の定期チャーター便を活用して台湾に行きたい」「訪問したい」「交流したい」というお話も頂いておりますので、今回の第一便がその一つのきっかけになることを期待しています。
【記者】
台湾に行かれる話ですが、双方向での搭乗率を上げるための、インバウンド、アウトバウンドの具体的な戦略をどのようにお考えか伺います。
【知事】
県では現在、若者を対象とした割引キャンペーンやパスポート取得費の支援のほか、団体等への助成を実施するなど、アウトバウンドの促進に取り組んでいます。
また、市町村や民間団体等においては、震災前から台湾との地域間交流が活発に行われています。今回の直行便の就航を機に、相互の交流が更に拡大していくことが期待されています。
また、インバウンドについてでありますが、今回、私自身が関係の皆さんと共に現地に行って、福島の観光の魅力、食の魅力、温かい人柄といったものを具体的に伝えるのもその一助でありますし、県として旅行商品の造成に支援を行っております。昨年以降、台湾の旅行会社の皆さんに何回か実際に来ていただいて、福島県内の観光の魅力を感じていただき、それが商品造成につながっておりますので、こういったものにも力を入れております。
また、おかげさまで台湾において福島に対する人気が非常に高まっております。直行便の運航開始は来週の1月16日からですが、既に他空港を利用された方からは、福島県内の雪の絶景等の魅力を楽しんでいただくというツアーが非常に好評です。特に、今回は福島空港に直行便で来れるようになるということでありますので、来週台湾に行き、その魅力を直接発信してきたいと考えております。
【記者】
台湾の話ですが、近隣県と連携しながらというお話がありました。先ほど福島県のツアーの人気があるということでしたが、近隣県との連携は具体的にどのようなことをイメージされているのか伺います。
【知事】
現在、タイガーエア台湾は、東北の各県や北関東にも就航されています。
イン・アウトという言い方がありますが、台湾から来られたお客様が、例えば東北の各県の空港に降りて、山形県等の観光を楽しんでから福島に入っていただく、そして福島からアウト(帰国)するということもあると思いますし、あるいは福島に入ったお客様が、北関東の観光を楽しんだ後に北関東から帰っていただくというパターンもあります。(台湾からのお客様が、)一つの県だけに観光に来るとは限りませんので、広域的な観光連携が非常に重要であります。
特にタイガーエア台湾は、関東、東北といった地域で今(路線を)積極的に展開されていますので、(日本に)来られる台湾のお客様は、旅行商品の中から自分の行きたいところを選べるということになります。そしてまた、旅行の日数等も調整しやすいということがありますので、そういった形で近隣県と連携していく。また、PR等もお互いに一緒になって協力していくことが双方のためになりますので、こういった点に力を入れていきたいと考えています。
【記者】
能登半島地震についてお伺いします。いまだ行方不明者が多数いる中で、一週間が経過しました。改めて福島県の支援の在り方についてお考えを伺います。
【知事】
元日の午後に発生した令和6年能登半島地震から一週間が経過しました。
今も余震が続いており、ライフラインや道路の寸断、さらに降雪など、依然として極めて厳しい環境にある中で、警察、消防、自衛隊等による懸命な救助活動が行われています。一刻も早く救助が進むことを心から願っています。
県の支援関係について少し丁寧にお話させてください。
まず、被災地に対する職員派遣の関係であります。本日時点で、特に医療関係でありますが、福島県から58名の医師、看護師等を派遣しています。
内訳として、DMAT、災害派遣医療チームの本隊は48名です。この48名の内訳ですが、医師が12名、看護師が21名、業務調整員が15名、これで計48名となります。
次は、同じく災害派遣医療チーム、DMATのロジスティックチーム、(ロジスティックチームとはDMATの活動を)支援するチームのメンバーです。これは合計3名でありますが、医師が2名、業務調整員が1名となります。
次はDPAT、災害派遣精神医療チームでありますが、医師が1名、看護師2名、心理判定員1名の計4名であります。
また、保健師チーム3名でありますが、保健師2名、事務職員1名であります。
こうした保健医療関係の支援でありますが、先週5日に第一弾として、保健師2名と、事務職1名を石川県に派遣し、職員を交代させながら、来月末まで避難所支援等に当面当たっていく予定であります。
また、DMAT、災害派遣医療チームについては、医療救護活動に必要な連絡調整等を行うロジスティックチームとして、5日から医師等を石川県に派遣しているほか、広域医療搬送等を支援するDMAT本隊も6日に出発し、現地で活動を展開してくれています。
さらに、1月7日からは、DPAT、災害派遣精神医療チームの先遣隊として、ふくしま医療センターこころの杜の医師や看護師等を石川県に派遣し、現在、現地で活動を行っています。
具体的なエピソードを何点か御紹介したいと思います。
DMATの福島県チームでありますが、主に被害が甚大な輪島市で活動を行っています。
東日本大震災の経験と、これまで行ってきた災害支援による経験が蓄積されていることから、輪島市の保健医療福祉調整本部や他県のDMATからも、非常に頼りにされていると伺っております。
また、輪島市内の妊婦さんの容体が急変したという状況がありましたが、その際には、福島から持ち込んだ救急車で、現場に駆けつけて診察を行い、迅速にヘリ搬送につなぐことができました。御家族から「ありがとう」と感謝の言葉を頂いております。
保健師チームについても、訪問先の能登町藤ノ瀬集会所において活動した際に、高齢の避難者の方から、「健康のことが心配だった」「相談できてほっとした」と感謝の言葉を頂いています。
さらに、福島県を訪れたことのある避難者の方からは、「福島から来ていただきありがたい」「衛生面での対処方法を教えてもらってよかった」とのお話があったと伺っております。
こうした保健医療関係の支援に加えまして、総務省や全国知事会等の調整によって、福島県が富山県氷見市の対口支援団体、直接のカウンターパートに決定し、今後、家屋被害の調査や罹災証明書の受付・交付業務を支援することとなりました。
まずは、今週12日から県職員を1日当たり20人程度派遣いたします。来週16日からは、市町村職員にも加わっていただき、1日当たり40人程度に増員し、今月30日まで派遣する予定であります。
この氷見市への支援に当たっては、昨年10月、県と県内市町村間で締結した災害時相互応援協定に基づき、ふくしま災害時相互応援チームとして、市町村と連携して対応してまいります。こうした形でこのチームが動き出すのは、今回が初めてということになろうかと思います。
続きまして、災害義援金の関係であります。日本赤十字社福島県支部及び中央共同募金会において、災害義援金の募集を開始しています。現在、福島県のホームページにおいて、具体的な案内、周知、PRを行っておりますので、これを参考にしていただければと思います。
また、災害ボランティアについてです。被災県における災害ボランティアでありますが、県の社会福祉課や福島県社会福祉協議会のホームページにおいて、窓口情報の案内、周知を行っています。この災害ボランティアのポイントでありますが、こうした活動への参加を希望される県民の皆さんは、必ず各県が発信している情報を確認した上で、参加を検討していただきたいと思います。
特に石川県では、現地が非常に混乱しており、プロの部隊も非常に運行等で御苦労されていますので、現時点で直ちに災害ボランティア(に行く)というのはなかなか難しい部分があろうかと思います。ただ一方で、災害ボランティアの参加登録が始まるというお話もあり、こういった情報が時々刻々と変わっていきます。福島県のホームページでは、できるだけ早く情報を更新していきますので、このホームページの情報を一つの手掛かりとしてアクセスしていただく。そして、現地の支援体制、受入体制が固まったところに行っていただくということが重要だと考えております。
次は、広域避難の受入れ、県営住宅の利用についてであります。今回の地震によって被災された方々の広域避難先として、福島県では、県営住宅や復興公営住宅への避難を希望される方が速やかに入居できるよう現在準備を進めています。
また、県内の各市町村に対しても、市町村営住宅への入居について配慮をしていただくようお願いしております。被災された皆さんが1日も早く安心して生活することができるよう、福島県を挙げて支援してまいります。
また、今挙げましたのは一部でございますが、このほかにも、県の警察本部において広域緊急援助隊に30名を派遣して、緊急の援助に懸命に当たっていただいております。
今回、県職員、あるいは各病院の医師、県警を始め多くの方々が既に現地に行って、厳しい環境の中で、本当に苦労しながら、被災地支援に懸命に当たっていただいていることに心から敬意と感謝の意を表します。
【記者】
インフルエンザの警報が依然として続いてます。
今日から学校が始まりますが、改めて注意喚起をお願いします。
【知事】
インフルエンザについてであります。現在も非常に厳しい状況が継続中であります。
また、咽頭結膜熱についても、警報の状況が続いているなど、子どもたちを中心にインフルエンザ以外の感染症も流行しています。
また、新型コロナウイルス感染症の影響も当然継続している状況にございます。
特に、年末年始の帰省や旅行等によって、人の移動、交流が活発でありました。
各学校では、新学期を迎えるということとなりますので、引き続き、こうした各種の感染症への注意が重要であります。
県民の皆さん、事業所の皆さんにおいては、場面に応じたマスクの着用やこまめな換気、手洗いなどの基本的な感染対策を改めてお願いいたします。
あわせて、せきやくしゃみ、発熱、のどの痛みなど、普段とは体調が違うな、具合が悪いなという場合には、他の方への感染を広げない行動を心掛けていただくようにお願いしたいと思います。
【記者】
新型コロナウイルス感染症が5類に移行されて以降、初めての年末年始となりました。
県内の人出や経済効果について、知事はどのように見ているのか伺います。
【知事】
昨年5月に2類から5類に移行し、その後、徐々にではありますが、社会活動、経済活動が活発化してきたことを実感しております。
実際、年末年始に様々な方とお会いしてお話を聞いておりますが、コロナ前の状況に着実に戻ってきたということで、皆さんの笑顔が増えてきたというのがまず実感としてあります。
また、県内の状況を拝見していましても、他県ナンバーや他県から新幹線等を利用して、福島県に帰省されたり、旅行をしている方々が増えてきた。そして、皆さん交流されているということを肌で感じています。
そして、昨日は成人の日でございましたが、若い皆さんが、お互いに久しぶりの再会を喜び合ったり、成人の日として、心を新たにしている姿を拝見しました。
今なお、新型感染症の影響は当然残っておりますので、一定の感染対策というものを行いながらではありますが、コロナ前にあった社会活動、経済活動、交流活動を復活させていく中で、今年、辰年が盛り上がる一年にしていく。特に、能登半島を始め、苦しんでいる被災地の皆さんがおられますが、福島県だけでなく全国、世界から温かい応援がありますので、こういったサポートによって、被災地の皆さんが一日も早く、笑顔を取り戻し、日常生活に徐々に戻ることができるようにしていく。これが日本全体の重要な課題だと考えています。
(終了)
1 台湾直行便初便における知事渡航について
→商工労働部観光交流局空港交流課 電話024-521-7211
2 令和6年能登半島地震について
→ 危機管理部災害対策課 電話024-521-7641
→ 保健福祉部保健福祉総務課 電話024-521-7216
→ 保健福祉部健康づくり推進課 電話024-521-8666
→ 保健福祉部地域医療課 電話024-521-7221
→ 保健福祉部社会福祉課 電話024-521-7322
→ 保健福祉部障がい福祉課 電話024-521-7169
3 インフルエンザの状況について
→ 保健福祉部感染症対策課 電話024-521-8655