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知事記者会見 令和7年11月26日(水曜日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2025年12月3日更新

【発表事項】

1 令和7年度12月補正予算の概要について

 令和7年度12月補正予算の概要を発表いたします。
 今回の補正予算は、最低賃金の引上げを踏まえた県独自の事業者支援を始めとする地域経済の活性化に向けた取組や、地域医療提供体制の充実など、緊急に措置すべき経費について計上いたしました。
 その主な内容といたしましては、地域経済の活性化に向けた取組として、賃上げによる経営への影響を緩和するための中小企業等への緊急一時支援、「ふくしまDC」に向けた海外誘客促進のための観光プロモーションの展開。また、地域医療提供体制の充実に向けた取組として、新たに承継・開業を行う診療所への支援などであり、これらに要する経費を計上いたしました。
 以上により、一般会計における補正予算の総額は、72億6,600万円、本年度予算の累計額は、1兆3,004億3,000万円となります。

2 ツキノワグマ被害防止緊急対策事業の概要について

 次に、令和7年度予算の予備費を充用したツキノワグマ被害防止緊急対策事業の概要を発表いたします。
 今回のクマ対策については、県内でクマの出没が増加し続ける中、更なる人身被害の拡大を防止するため、市町村からの要望を踏まえ、緊急に必要な経費を予備費から執行することといたしました。
 その主な内容といたしましては、10月23日の専決処分による緊急対策の追加対応として、地域の環境診断や誘引木の伐採を行う専門家派遣の追加実施、クマの出没リスクの大きい地域におけるパトロールの強化、箱わなやクマ撃退スプレーなどクマ対策に必要な資材の追加配備。そして、当初予算による対策の追加対応として、県管理の河川敷の立木や薮などの伐採及び刈り払いなどであり、これらに要する経費を充用いたしました。
 以上により、ツキノワグマ被害防止緊急対策事業における予備費の充用額は、9,692万円 となります。

【質問事項】

1 中小企業賃上げ緊急一時支援事業について

【記者】
 補正の関係で、中小企業の賃上げの支援事業について、労働者1人当たり3万円の根拠と、どのぐらいのニーズを見込んでいるのか、教えていただけますでしょうか。

【知事】
 まず、この緊急一時支援の考え方についてお話しします。
 先月、福島労働局は、本県の最低賃金を78円引き上げることを決定しました。
 これにより、本県の最低賃金は来年1月から時給1,033円となります。
 物価高騰が長期化する中、最低賃金が大幅に引き上げられることで、中小企業等の経営に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。
 (県では)これまで、生産性の向上やコスト削減の支援を始め、働き方改革に向けた取組への支援、価格転嫁の機運醸成などにより、中小企業等の経営環境の改善に努めてきました。
 これらの取組により、生産性向上や価格転嫁の動きが広がりつつありますが、中小企業等の経営環境は依然として厳しい状況が続いています。
 県内の中小企業等の皆さんからは、「物価高騰などの影響により経営が苦しい」、「賃上げはかなり厳しい」、「人件費の負担が重い」といった声も多く挙がっています。
 こうした中、最低賃金が大幅に引き上げられることで、経営に大きな影響を及ぼすことが懸念されることから、中小企業等に対し、賃上げに要する経費の一部を補助することにより、経営への影響を緩和し、雇用の維持を図っていくため、今回予算に計上しております。
 単価や対象者数等については、この後のブリーフィングで詳しく説明させていただきます。

【記者】
 最低賃金引き上げの支援について、生産性向上や働き方改革といった形の支援もあると思いますが、今回は1人当たり3万円というかなり強力な支援になると思います。そういった支援の形を選ばれた理由を伺います。

【知事】
 今回の引上げ幅がこれまでの中で最も高いという状況にあります。中小企業の皆さんはこれまでも様々な御努力をされてきました。
 そういった中で、今回の上昇幅が過去の中でも一番高いという現状と、各関係団体、企業、事業者の皆さんから様々な声を頂いておりますので、今回、県として緊急的な一時支援を行うこととしました。
 あわせて、生産性向上や、より効率的な取組をしていただくこと、あるいは価格転嫁をしっかり行っていくことが重要であります。
 福島県として、これからも中小企業あるいは小規模事業者の皆さんが円滑な価格転嫁を行えるように、県内のネットワークを形成し、背中を押す。また、生産性向上等の取組に対して福島県として積極的に支援を継続していく。こういったことを続けて、安定的な経営基盤の確立に力を入れていきたいと考えております。

2 市町村からのクマ対策へのニーズについて

【記者】
 クマについて、やはり市町村からのニーズは想定以上だったという理解でよろしいでしょうか。
 具体的にはどのような声が来ているでしょうか。

【知事】
 クマ対策については、先月専決処分した「ツキノワグマ被害防止緊急対策事業」などにより対策を強化しました。
 一方、その後もクマの出没や人身事故が続いており、市町村からは更なる人的支援、財政的支援を求める声が寄せられています。
 こうした中、国においては、今月14日に「クマ被害対策パッケージ」を決定しました。この対策パッケージによる事業を実施できるようになるまでの間、緊急的な対応として予備費を充用することとしました。
 具体的には、市町村からの要望を踏まえて、市町村に専門家を派遣して行う環境診断やクマを寄せつける木を伐採する地区の追加、クマ頻出地域におけるパトロールの強化、被害防止資機材の追加配布など、先月、専決処分した事業の追加的な対応を行います。
 正にここが、市町村から「もっとやりたい、もっとお願いしたい」という声があったところであります。
 また、当初予算により実施しております、県管理河川の立木等の伐採や刈り払いについて、市町村からの要望が多いため、追加で実施するものであります。
 さらに、「クマ被害対策パッケージ」を踏まえた国の補正予算の動向を注視しますとともに、市町村の要望を踏まえながら、必要な対策を迅速かつ効果的に実施できるよう、県としての検討を進めてまいります。

3 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働について

【記者】
 柏崎刈羽原発の再稼働についてです。
 新潟県の花角知事が、柏崎刈羽の再稼働を容認すると表明しました。
 再稼働となれば、福島の事故後、東電が動かす最初の原発になるということです。
 率直に知事の受け止めを、お聞かせください。

【知事】
 一連の報道を拝見しております。
 新潟県の花角知事におかれては、先週行われた臨時会見において、「経済産業大臣からの再稼働に向けた国の方針への理解要請に対して、7つの項目について、国の確約をいただいた上で了承する」と述べておられます。
 この7つの項目について、具体的にいくつか申し上げますと、「原発の安全性や必要性について東電の取組が県民に十分伝わっていないため、県民に丁寧に伝わるようにすること」、「新たな知見が出たら反映しながら、不断の安全性の向上に取り組むこと」、「万一の緊急時の対応について、屋内退避を含め安全に避難できるようにすること。民間と国の実動組織の連携にも十分配慮すること」などが挙げられているところであります。
 こうした前提の下に、判断されたものと受け止めております。

【記者】
 他県の知事の判断ですので、知事から御発言いただくことは難しいのかと思いますが、一方で、過酷な事故を起こした東電が原発を動かすことについては、知事から東電に対して何か注文や要望等ありますでしょうか。

【知事】
 原子力政策は、国の責任において検討されるべきものであります。
 福島県としては、「二度とあのような過酷な原発事故を起こしてはならない」という強い決意の下、国が原子力政策を検討する、あるいは電力事業者が原発の稼働を進めていく際には、福島県における東京電力福島第一原発の事故の現状と教訓を踏まえること、住民の安全・安心の確保を最優先にすべきことを、これまで、国、電力事業者に対し、繰り返し申し上げてきました。
 これからも、この点について強く求め続けてまいります。

4 台湾における日本産食品の輸入規制撤廃について

【記者】
 関連ですが、原発事故後、輸入規制が続いていました台湾政府が、規制を撤廃すると21日付けで発表しました。
 知事からも、コメントが出されたところでありますが、改めて受け止めをお聞かせください。

【知事】
 先週、台湾において、日本産食品の輸入規制撤廃が発表されました。
 台湾は震災前、福島県産の農林水産物の主要な輸出先でありました。
 また、福島空港台湾便が運航されるなど、本県のインバウンド誘客においても最も重要な相手先の一つとなっています。
 そうした台湾における輸入規制の撤廃は、福島の復興を更に前進させる大きな力になると考えております。
 今回の撤廃によって、東日本大震災と原発事故後、55の国・地域で行われていた輸入規制は、5つの国・地域にまで減少することになります。
 県としては、引き続き、県産農林水産物の安全性を確保する取組を進めてまいります。
 あわせて、国と連携しながら、科学的根拠に基づいた正確な情報や、県産農林水産物の魅力の発信を強化するなど、更なる輸入規制の撤廃に向け、取り組んでまいります。
 具体的には、今年の9月から11月にかけて、現地の百貨店で開催された日本物産フェアにおいて、県産農産物加工品等を販売したところ、現地の方々に大変好評でありました。これからも台湾向け輸出セミナーや観光物産フェアの開催などを予定しています。
 引き続き、農業団体や県内事業者の皆さんと連携しながら、福島の魅力発信と県産品の輸出促進に取り組んでまいります。

5 中国による日本産水産物の輸入停止について

【記者】
 一方で、中国政府が日本産海産物の輸入を停止したという報道もありました。
 そのことについてはどのように受け止めてますでしょうか。

【知事】
 先週、日本産水産物の中国向け輸出について、中国政府が事実上、輸入を停止しました。
 また、福島県を含む10都県産の水産物及び食品等については、輸入停止の措置が継続しています。
 県としては、引き続き、県産農林水産物の安全性を確保する取組を進めるとともに、国と連携しながら、科学的根拠に基づく正確な情報や、県産農林水産物の魅力を発信するなど、輸入規制の撤廃に向けて取り組んでまいります。

6 「ふくしまDC」の海外プロモーションについて

【記者】
 DCの海外プロモーションについて、震災から15年という節目にDC本番となりますが、改めて、そのタイミングで海外から多くの人に福島県に来てもらう意義を伺います。

【知事】
 来年は、福島県が誕生して150年、また、東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故から15年という重要な節目の年であります。
 一番大事なことは、福島でいまだ風評被害が継続している、あるいは逆に15年近い時が経つ中で風化が進んでいる、ある意味矛盾した状態が同時に進んでいます。
 風評を払拭する、あるいは風化を抑制するために一番効果があるのは、実際に福島に「来て」、「見て」、「食べて」、「感じて」いただくことだと考えております。デスティネーションキャンペーンのキャッチコピーは「しあわせの風ふくしま」。福島へ国内外の多くの方に足を運んでいただいて、福島県の魅力や、福島の復興がここまでどのように進んできたのか、一方で、福島県はまだ長い戦いを続けている現実を実際に「知って」、「感じて」いただくことが、風評払拭のためにも、風化防止のためにも、非常に大きな力になると思います。
 また、実際に来ていただいた観光客の皆さんの中には、福島のファンになっていただける方が多いことを、私自身、実感しております。来年はいよいよDC本番ですので、関係の皆さんと県内でしっかりとおもてなしをして、多くの方々に「しあわせの風」を感じていただけるよう、積極的に取り組んでまいります。

7 デフリンピックを振り返って

【記者】
 デフリンピックが開幕し、サッカーでは銀メダルという成果がありました。知事は昨日コメントを出されましたが、振り返っての受け止めを伺います。

【知事】
 昨日、Jヴィレッジを会場に、熱い戦いが繰り広げられた、東京2025デフリンピックサッカー競技が閉幕しました。
 サッカーならではのハンドサインやアイコンタクトを駆使した迫力あるプレーは、Jヴィレッジで観戦された皆さんを始め、多くの人々を魅了しました。
 また、県が招待した子どもたちが、手話による応援で会場を大いに盛り上げ、日本代表の勝利を力強く後押ししてくれました。
 その結果、サッカー競技において、男女ともに銀メダルを獲得されたことを大変うれしく思います。
 私も開幕戦と女子サッカーの決勝戦を観ていまして、小学生から高校生までの皆さんが、本当に熱い思いで応援していただいたことを実感しております。
 東京会場では柔道競技73kg級の蒲生和麻選手が、個人・団体戦ともに銅メダルを獲得されました。
 また、バスケットボール競技の越前由喜選手と山田洋貴選手がすばらしいプレーを見せてくれました。
 本県関係の選手の皆さんが、音のない世界で限界にチャレンジし、躍動する姿は、私たち県民にたくさんの元気と勇気を与えてくれました。
 今大会の成功に力を尽くされた全ての皆さんに敬意と感謝の意を表しますとともに、選手の皆さんの今後のますますの御活躍を心から願っております。
 また、この間、Jヴィレッジが東日本大震災以降の福島復興のシンボルだということを国内外から訪れた方々にお話しました。皆さんに、Jヴィレッジが今このような形で花開いていることを非常に喜んでいただき、また、福島の復興の道のりを実感していただいたことを本当にうれしく思います。

8 杉本福井県知事の辞意表明について

【記者】
 昨日、福井県の杉本知事が辞意を表明しました。
 原因はセクハラということで、県職員とのざっくばらんなメールが要因だったといいます。
 内堀知事は同じ東大出身で自治省も同じ(年の)入省ですが、受け止め等ありましたらコメントを頂きたいです。

【知事】
 各種の報道を拝見しております。
 詳しい状況を承知しておりませんので、具体的なコメントは控えさせていただきます。
 その上で、昨日の記者会見を見ていますと、深刻で重大な事案であることを感じたところであります。

(終了)

【発表事項】
1 令和7年度12月補正予算の概要について
 →総務部財政課 電話024-521-7027
2 ツキノワグマ被害防止緊急対策事業の概要について
 →生活環境部自然保護課 電話024-521-7740

【質問事項】
1 中小企業賃上げ緊急一時支援事業について
 →商工労働部雇用労政課 電話024-521-7294
2 市町村からのクマ対策へのニーズについて
 →生活環境部自然保護課 電話024-521-7740
3 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働について
 →企画調整部エネルギー課 電話024-521-7120
4 台湾における日本産食品の輸入規制撤廃について
 →農林水産部農林企画課 電話024-521- 8183 
 →商工労働部観光交流局県産品振興戦略 電話024-521-8026
5 中国による日本産水産物の輸入停止について
 →農林水産部農林企画課 電話024-521-8183 
 →企画調整部風評・風化戦略室 電話024-521-1128
 →企画調整部避難地域復興局原子力損害対策課 電話024-521-8073
6 「ふくしまDC」の海外プロモーションについて
 →商工労働部観光交流局観光交流課 電話024-521-8729 
7 デフリンピックを振り返って
 →企画調整部文化スポーツ局スポーツ課 電話024-521-7312